ウクライナからの
農産物の
輸出をめぐっては、ロシア
軍による
封鎖で
黒海に
面するオデーサ
など南部の
港からの
輸出が
滞っていました。
このためことし7月、ウクライナとロシア、それに仲介役を務めたトルコと国連の4者が協議を行い、輸出再開に向けて合意しました。
合意を受けてロシア側は、船舶を安全に航行させるため貨物船の追跡や積み荷の検査などをウクライナとトルコ、それに国連とともに共同で行ってきました。
トルコのイスタンブールに設置された船舶の安全な航行を監視する機関、共同調整センターによりますと、ことし8月の輸出再開から今月24日までに延べ83隻が、合わせて860万トン余りの農産物を輸出してきたということです。
しかし、ロシアのプーチン大統領は9月、輸出された農産物は多くがヨーロッパ向けで、貧しい国に届いていないと主張し、ウクライナやヨーロッパ諸国の対応を批判しました。
一方、ウクライナ外務省は、ロシア側が意図的に積み荷の検査を遅らせ、多くの船が、イスタンブールの沖合にとどまっているとしてロシアを批判していました。
輸出再開に関する合意は11月19日が期限となっていますが、ロシアとウクライナが互いの対応を批判するなか、合意が継続され安定した輸出が続けられるか不透明な状況になっていました。
ゼレンスキー大統領「ロシアは意図的に食料危機を悪化」
ウクライナのゼレンスキー
大統領は29
日に
公開した
動画で「ロシアは
食料を
積んだ
船の
動きを
妨害し、
意図的に
食料危機を
悪化させることをすでに9
月から
始めていた」と
述べ、ロシア
側を
非難しました。
そして、9月からこれまでに合わせて176隻の貨物船が予定の航路を進むことができず沖合で待機を余儀なくされていてウクライナの農作物など200万トン以上を輸出できていないと明らかにしました。
そのうえで、ゼレンスキー大統領は「国際的な強い対応が必要だ。国連やほかのレベルでもそうだが、特にG20において必要だ。意図的に飢餓をもたらそうとしているロシアがなぜG20の一員でいられるのか、ばかげている。G20にロシアの居場所はない」と述べ、来月インドネシアで開かれるG20の首脳会議でも各国がロシアに対して一層強い姿勢で臨むよう訴えました。
バイデン大統領 ロシアの無期限停止表明を批判
ロシアがウクライナ
産の
農産物の
輸出をめぐり、
合意の
履行を
無期限で
停止すると
一方的に
表明したことについてバイデン
大統領は
記者団に対し「
本当にひどいことだ。ロシアは、
自分たちが
ひどいことをしているのは、
西側諸国のせいだと
主張できるような
根拠を
常に探している」と
述べ
批判しました。
また、アメリカ・ホワイトハウスのNSC=国家安全保障会議の報道官は声明を発表し、「ロシアは、食料を武器化するための口実としてまたしてもみずから始めた戦争を利用しようとしている。食料を必要としている国々や世界的な食料価格に直接影響を及ぼし、すでに差し迫っている人道危機や食料不安を悪化させようとしている」と強く非難しました。
ロシア国防省 「ノルドストリーム」ガス漏れ 英の関与主張
ロシア
国防省は、ロシアとドイツを
結ぶ天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」で9
月下旬に
起きた
大規模なガス
漏れについても、イギリス
海軍が
関与する
破壊工作だったと
主張しました。
これに対してイギリス国防省は29日、SNSで「ロシアは違法な軍事侵攻から注目をそらそうと、壮大な虚偽の主張に訴えている」と否定し、強く反発しました。
ノルドストリームの2本のパイプラインの合わせて4か所で確認された大規模なガス漏れをめぐって、捜査を進めているスウェーデンの治安当局は、爆発が原因と断定したほか、欧米各国は破壊工作という見方を強めていて、一部のメディアはロシアが関与した可能性を指摘しています。
ロシア国防省「ウクライナ軍が船舶攻撃」と主張
ロシア
国防省は29
日、ロシアが
一方的に
併合したウクライナ
南部クリミアに
駐留する
黒海艦隊や
民間の
船舶が、ウクライナ
軍の
無人機によって
攻撃を
受けたと
主張しました。
この中で「標的となったロシアの艦船はウクライナの港から農産物を輸出する船舶の安全確保に関わっていた」と強調したうえで攻撃にはイギリスが関与していたと主張しています。
ロシア ポリャンスキー国連次席大使 安保理の緊急会合を要請
ロシアのポリャンスキー
国連次席大使は29
日、
自身のツイッターで、ロシアが
農産物の
輸出をめぐる
合意の
履行を
停止するのは、ウクライナ
側の
攻撃が
引き起こしたものだと
主張したうえで「
国連安全保障理事会の
会合を
呼びかけた」と
投稿し、
安保理の
緊急会合を31
日に
開催するよう
要請したことを
明らかにしました。
ウクライナ ポドリャク大統領府顧問「ロシアと交渉 時間のむだ」
ロシア
外務省がウクライナ
産の
農産物の
輸出をめぐり、
合意の
履行を
無期限で
停止すると
一方的に
表明したことについて、ウクライナのポドリャク
大統領府顧問はツイッターに「プーチンは、
食料などを
世界に対する武器へと
変えた。ロシアは、
アフリカと
中東を
人質にして、
ヨーロッパに対して複合的な
戦争を
繰り広げている。
このことは、ロシアとの
交渉は
時間のむだで
あることを
証明している」と
投稿し、ロシアの
対応を
非難しました。
またクレバ外相も29日、ツイッターに「モスクワは、何百万人もの人々の食料安全保障を担保する穀物の輸出に必要な輸送ルートを封鎖するため偽りの口実を使っている。ロシアに対して飢餓を利用したゲームをやめさせるようすべての国に呼びかける」と投稿しました。
ウクライナ産農産物輸出めぐる合意 ロシア「無期限停止」表明
ロシア
外務省は29
日、
声明を
発表し、ウクライナ
産の
農産物の
輸出をめぐる
合意の
履行を
無期限で
停止すると
一方的に
表明しました。
これに先立ってロシア国防省は、一方的に併合したウクライナ南部クリミアに駐留するロシア軍の黒海艦隊がウクライナ軍の無人機による攻撃を受けたと主張していて、外務省の声明では、合意の履行を停止する理由として「船舶の安全な航行が保証できないこと」を挙げています。
ウクライナでは、ロシア軍による封鎖で黒海に面する南部の港からの農産物の輸出が滞っていましたが、ことし7月にトルコと国連の仲介でロシアとウクライナが合意し、輸出が再開されていました。
世界的な食料危機への懸念が続く中、ロシアによる合意の履行停止によって、輸出が再び滞るおそれがでています。国連のデュジャリック報道官は29日、コメントを出し、「合意は世界中の人々への食料確保につながる人道上、重要な取り組みだ。すべての当事者がこれを危うくするような行動を控えることが極めて重要だ」と訴えました。
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