北朝鮮に
拉致された
被害者の
家族が
訪問先のアメリカから
帰国し、
家族の
高齢化が
進む中、
拉致問題を
早期に
解決させることへの
理解と
支持を
得られたと
総括したうえで、
被害者全員の
帰国に
向けた
日本政府の
取り組みを
改めて求めました。
ワシントンを訪れていたのは、被害者の家族会代表で、中学1年生の時に拉致された横田めぐみさんの弟、拓也さん(54)と1歳の時に母親の田口八重子さんを拉致された飯塚耕一郎さん(46)です。
今月2日からの滞在期間中、NSC=国家安全保障会議のキャンベル・インド太平洋調整官やシャーマン国務副長官ら政府高官のほか、議会の上下両院の議員らと面会しました。
拉致から40年以上が経過し高齢化が進む被害者の家族会はことし、「親世代が存命のうちに被害者全員の帰国が実現するなら、北朝鮮に人道支援を行うことに反対しない」と初めて表明し日本政府の取り組みと北朝鮮の決断を促していて、今回の訪問では時間を割いてこうした方針を説明したということです。
家族によりますと、一連の面会では人道支援をカードに早期解決を目指す家族会の方針に理解と支持が示されたということです。
またシャーマン国務副長官は、国連安全保障理事会で北朝鮮の人権問題を扱う公式会合の開催を日本政府と協力して実現させたいとする考えを示したということです。
羽田空港で横田拓也さんは「核やミサイルの問題とは切り離して、時間に限りがある拉致問題を優先的に解決する必要があるという私たちの考えにアメリカ側から異論は出なかった」としたうえで、「今回の訪米は通過点に過ぎず、岸田総理大臣には、すべての拉致被害者の帰国に向けた具体的な行動につなげていただきたい」と求めました。