ゆうれいつぼ
「お津の船幽霊」は、滋賀県のお津という所で昔から伝わっている話です。
琵琶湖で船を運ぶ仕事をしている男性がいました。ある夜、男性が船を止めて休んでいると、女が船に乗ってきました。女は「もうすぐ死んで49日になります。あの世に行く前に、湖の向こうにいる子どもに会いたいです」と言いました。
男性は女を船に乗せて運びました。女は「昔、身分が高い男性との間に男の子が生まれました。男性は子どもだけを連れて行ってしまいました。私は子どもに会いたくて船に乗りましたが、船が沈んで死んでしまいました」と話しました。
男性は女の話を聞いて、子どもがいる家の前に着きました。女は中に入って子どもを抱きしめました。そして、満足そうにあの世に行きました。
男性は、女が湖の底から拾ってきた壺を「親と子どもの絆の品」として大切にしました。