ウクライナ きょうも全土ぜんどで防空ぼうくう警報けいほう ミサイル攻撃こうげきの詳細しょうさいは？

攻撃こうげきには巡航じゅんこうミサイルやドローンなどが使用しようされたということです。

ウクライナ軍ぐんの幹部かんぶは「同時どうじに全ぜん方位ほういから激はげしい攻撃こうげきが行おこなわれた」としていて、戦況せんきょうについて分析ぶんせきしているシンクタンク「戦争せんそう研究所けんきゅうじょ」によりますとロシア軍ぐんはクリミアとベラルーシからもドローンを使つかった攻撃こうげきを行おこなったということです。

また、ウクライナと国境こっきょうを接せっするモルドバのポペスク副ふく首相しゅしょう兼けん外相がいしょう・欧州おうしゅう統合とうごう相しょうは10日にち、ツイッターに「黒海こっかいのロシアの艦船かんせんより発射はっしゃされた3発はつの巡航じゅんこうミサイルがモルドバの上空じょうくうを通過つうかした」と投稿とうこうしました。

モルドバ政府せいふは駐在ちゅうざいするロシア大使たいしを呼び出よびだし説明せつめいを求もとめたとしています。

映像えいぞうでは、車くるまが複数ふくすう台だい道路どうろを走行そうこうしていたところ、突然とつぜん、前方ぜんぽうで大おおきな爆発ばくはつが2回かい起おき、激はげしい炎ほのおが上あがる様子ようすが映うつっています。

爆発ばくはつの衝撃しょうげきで電線でんせんが大おおきく揺ゆれ、周囲しゅういにはガラスとみられる破片はへんなどが飛び散とびちり、爆発ばくはつのあった方向ほうこうに向むかっていた車くるまや人々ひとびとがあわてて引き返ひきかえす様子ようすも捉とらえられています。

映像えいぞうを公開こうかいしたウクライナ外務省がいむしょうの幹部かんぶによりますとドニプロでは10日にち、ロシアのミサイル攻撃こうげきにより4人にんが死亡しぼう、20人にんがけがをしたということです。

ウクライナ政府せいふは国民こくみんに対にたいして、避難ひなん場所ばしょにとどまるよう呼よびかけています。

また、南東なんとう部ぶザポリージャ州しゅうのスタルフ知事ちじは11日にち、SNSの投稿とうこうで、中心ちゅうしん都市としザポリージャには、朝あさからのロシア軍ぐんによる攻撃こうげきで12発はつのミサイルが撃ち込うちこまれ、少すくなくとも1人にんの死亡しぼうが確認かくにんされたと明あきらかにしています。

ロシア軍ぐんは10日にち、キーウやリビウなど各地かくちで大だい規模きぼなミサイル攻撃こうげきを行おこなったばかりですが、ロシア国防省こくぼうしょうは11日にち、「本日ほんじつ、ロシア軍ぐんはウクライナ軍ぐんの指揮しき所しょとエネルギー施設しせつに対にたいし、空そらや海うみから大だい規模きぼな攻撃こうげきを継続けいぞくした」と発表はっぴょうしました。

プーチン大統領だいとうりょうは、一方いっぽう的てきに併合へいごうしたウクライナ南部なんぶクリミアとロシアをつなぐ橋はしで今月こんげつ8日にちに起おきた爆発ばくはつがウクライナ側がわによる破壊はかい工作こうさくだったとしたうえで、その報復ほうふく措置そちだと主張しゅちょうしました。

また「ウクライナの情報じょうほう機関きかんはロシア国内こくないの発電はつでん所しょやガスの輸送ゆそうインフラに対にたいしてもテロを試こころみている」などと主張しゅちょうしたうえで「わが国わがくにの領土りょうどでテロ攻撃こうげきの試こころみが続つづくなら、その脅威きょういのレベルに応おうじた規模きぼで厳きびしく対応たいおうしていく」と述のべ、ウクライナ側がわを強つよくけん制けんせいしました。

アメリカのバイデン大統領だいとうりょうは「市民しみんを殺傷さっしょうし軍事ぐんじ施設しせつ以外いがいを標的ひょうてきとする攻撃こうげきは、プーチン大統領だいとうりょうによるウクライナの人々ひとびとに対にたいする違法いほうな戦争せんそうの徹底的てっていてきな残虐ざんぎゃく性せいを示しめすものであり強つよく非難ひなんする」との声明せいめいを発表はっぴょうしました。

この中なかでバイデン大統領だいとうりょうは「家族かぞくや愛あいする人々ひとびとを無差別むさべつに殺害さつがいされた人々ひとびとに哀悼あいとうの意いを表ひょうするとともに、負傷ふしょうしたかたがたの回復かいふくを心こころからお祈おいのりする」としています。

そして「ロシアによる攻撃こうげきはウクライナの人々ひとびととともに立ち上たちあがるという我々われわれの連帯れんたいをさらに強つよめるだけだ。同盟どうめい国こくやパートナーとともに、プーチン大統領だいとうりょうとロシアによる残虐ざんぎゃく行為こういと戦争せんそう犯罪はんざいの責任せきにんを追及ついきゅうし、ウクライナ軍ぐんが国くにと自由じゆうを守まもるために必要ひつような支援しえんを提供ていきょうし続つづける」としたうえでロシアに対にたいし直ただちに侵略しんりゃくをやめてウクライナから撤退てったいするよう求もとめました。

会談かいだん後ご、トラス首相しゅしょうはツイッターに「市街しがい地ちへの驚おどろくほどひどい攻撃こうげきは、プーチンが自暴じぼう自棄じきになっている明確めいかくな兆候ちょうこうだ。イギリスは、自由じゆうのために戦たたかうウクライナを支ささえ、重要じゅうような軍事ぐんじ物資ぶっしを提供ていきょうし続つづける」と書き込かきこみ、全面ぜんめん的てきな支援しえんを約束やくそくしました。

およそ20か国かこくが演説えんぜつし、多おおくの国くにがロシアによる大だい規模きぼなミサイル攻撃こうげきを非難ひなんしました。

ロシアとウクライナの仲介ちゅうかい役やくを務つとめてきたトルコのシニリオール国連こくれん大使たいしも「全ぜん世界せかいが戦争せんそうの終結しゅうけつを呼よびかけるなか、わたしたちは再ふたたび衝撃しょうげき的てきなニュースで目めを覚さました。市民しみんが死傷ししょうしたロシアの攻撃こうげきは深ふかく憂慮ゆうりょすべきであり、容認ようにんできない」と非難ひなんしました。

会談かいだんでは、G7としてロシアによる攻撃こうげきを強つよく非難ひなんするとともに、ウクライナへの支援しえんで結束けっそくした対応たいおうを確認かくにんする見通みとおしです。

松野まつの官房かんぼう長官ちょうかんは記者きしゃ会見かいけんで「民間みんかん人じんや民間みんかん施設しせつへの攻撃こうげきは国際こくさい法ほう違反いはんであり、断だんじて正当せいとう化かできず強つよく非難ひなんする。G7をはじめとする国際こくさい社会しゃかいと緊密きんみつに連携れんけいし、ロシアに対にたいし即時そくじに侵略しんりゃくを停止ていしし、部隊ぶたいを撤収てっしゅうするよう改あらためて強つよく求もとめていく。G7の結束けっそくを確認かくにんし、国際こくさい社会しゃかいに強力きょうりょくなメッセージを発出はっしゅつしていきたい」と述のべました。

そのうえで、核かく戦力せんりょくを使用しようする危険きけん性せいに触ふれ、ロシアとアメリカによる対話たいわの必要ひつよう性せいを訴うったえました。

【一方いっぽう的てきな「併合へいごう」】

コルトゥノフ氏しは、ウクライナでの戦況せんきょうに関連かんれんして「政権せいけん側がわは、『特別とくべつ軍事ぐんじ作戦さくせん』としていたものを今いまでは『祖国そこく戦争せんそう』として見みせようとしている。ロシアは、自分じぶんたちが併合へいごうした地域ちいきで戦闘せんとうが起おきれば、領土りょうどの一体いったい性せいへの侵害しんがいだと主張しゅちょうし、相応そうおうの対応たいおうをとる」と述のべ、プーチン政権せいけんは、ウクライナの4つの州しゅうの一方いっぽう的てきな併合へいごうに踏み切ふみきったことを受うけて、軍事ぐんじ侵攻しんこうの大義たいぎを祖国そこく防衛ぼうえいのための戦たたかいに変かえ、動員どういんも含ふくめて国民こくみんの理解りかいを得えるねらいだと指摘してきしました。

【核かく戦力せんりょくの使用しようは?】

また、ロシアが核かく戦力せんりょくを行使こうしする可能かのう性せいについて、コルトゥノフ氏しは「ロシア指導しどう部ぶは、欧米おうべいの軍事ぐんじ支援しえんの強化きょうかを懸念けねんしている。核かくのリスクは、NATOがウクライナの紛争ふんそうにより直接ちょくせつ的てきに、より大だい規模きぼに関かかわった場合ばあい、増加ぞうかするだろう」と指摘してきしました。

そして「プーチン政権せいけんは、いまでは戦争せんそうがロシアの領土りょうど内ないで直接ちょくせつ起おきていて、ウクライナだけでなく核兵器かくへいきの保有ほゆう国こくを含ふくむ欧米おうべい側がわが 活発かっぱつに関与かんよしていると主張しゅちょうすることができる」と述のべウクライナの4つの州しゅうを一方いっぽう的てきに併合へいごうしたことで、プーチン政権せいけんが核かく戦力せんりょくを使用しようする危険きけん性せいが高たかまるという見通みとおしを示しめしました。

そのうえで「何なによりも核かく大国たいこくであるロシアとアメリカの問題もんだいであり、何なんらかの協議きょうぎや接触せっしょくが必要ひつようとなる」と述のべ、米べいロ両国りょうこくによる対話たいわの必要ひつよう性せいを訴うったえました。