日本で
唯一の
中央銀行として
銀行券を
発行し、
金融政策を
運営します。
最も重要な役割が「物価の安定」に取り組むことです。私たちの生活にも、経済全体の成長にも深く関わる物価の動向。日銀は世の中にお金が出回る量を調整しながら物価の安定をはかっています。このため“物価の番人”とも呼ばれています。
そのトップが日銀総裁。日銀総裁は、国会の同意を得て内閣が任命します。任期は5年。再任も可能です。
日銀の独立性や中立性をふまえ、任期中は政府や国会の意向で解任されることはなく、原則として職務を全うすることになっています。
1997年に日本銀行法が改正される前は、政府による「解任権」がありましたが今はなくなっています。
日本銀行法で総裁は、日銀を代表して業務を総理(とりまとめて管理)するとされています。
日銀総裁は最高意思決定機関である政策委員会をとりまとめ、金融政策を決める会合では議長を務めます。この会合でこれまで議長の提案が否決されたことはありません。
またG20、G7の会合など国際金融の舞台では、財務大臣らとともに日本の立場を説明し、各国との連携をはかるという役目もあります。このためその言動に世界の市場関係者は大きな関心を寄せています。
日銀総裁のひと言がマーケットを動かすこともあります。今の黒田総裁は日銀が1882年に設立されてから31代目の総裁となります。
2%の物価安定目標を掲げ、長く続いたデフレからの脱却に向けて大規模な金融緩和を進めてきました。黒田総裁は、10月の時点で9年6か月余り総裁を務めています。
これは戦後復興期の1950年代に8年余り総裁を務め、日銀の「法王」とも呼ばれた一萬田尚登18代総裁を超えて、歴代最長です。
日銀総裁はどうやって選ばれる?
日銀総裁には
これまで
どんなバックグラウンドをもった
人が
選ばれてきたのか。
かつては日銀出身者と財務省出身者が交互に就任する「たすき掛け」の人事が恒例となってきましたが、財務省出身の黒田総裁の前の3代は、いずれも日銀出身者が務めました。
1998
年に
就任した
速水優氏は
国際派。
2003年に就任した福井俊彦氏は早くから日銀プロパーのエースと目され、総務人事や金融政策に関わる主要なポストを歴任しました。
白川方明氏は金融政策を担う企画部門が長く、京都大学の教授を務めたこともありました。白川氏が総裁に決まるまでには、政府が国会に提示した当初の人事案がいわゆるねじれ国会の影響で否決されるなど異例の経緯をたどりました。
そして今の黒田総裁は財務省で為替政策を担当する財務官出身です。
これまでの日銀総裁の人事をめぐっては常に日銀の独立性をどのように保ち、政治との距離をどうとるのかという問題がつきまといます。
総裁人事、いつ決まる?
黒田総裁の
任期は
来年4
月8
日までですが、
後任の
総裁人事はいつごろ
決まるのでしょうか。
2013年3月20日に黒田総裁が就任するまでを振り返ると、当時の安倍総理大臣が自民党幹事長に総裁、副総裁の人事案を伝えたのが2月25日。就任の3週間以上前には人事案が決まっていたことになります。
ただ、安倍総理大臣はこの年の1月中旬には次の日銀総裁に求められる政策や人物像について専門家の意見を聞いており、新総裁就任の3か月ほど前には総裁人事の検討に入っていたとみられます。
2008年の白川総裁就任の際は、先ほど述べたように政府案が否決されるなど混乱があったためここでは説明しませんが、その前の2003年の福井総裁就任に際しては、政府が与党側に人事案を示したのが2月24日。3月20日の就任日の3週間以上前というタイミングは先ほどの黒田総裁のケースとほぼ同じです。
岸田総理大臣が日銀総裁人事に言及
17
日の
衆議院予算委員会では、
岸田総理大臣に対して、「
日銀総裁人事について
どう考えているのか」という
質問がありました。
岸田総理大臣は、
次のように
答えました。
「
今後、
経済情勢や
金融情勢でさまざまな
動きが
あると
思うが、
来年4
月の
時点で
最もふさわしい
人物を
選ばなければならない。
その際、(
市場の)
予見性や
政府と
日銀との
連携を
しっかりと
念頭に
置き
重視しながら、
考えていかなければならない」
こうした見解をふまえ、市場関係者の多くが、岸田総理大臣が今の日銀の金融政策の枠組みを変えるよう求めることはないだろうと見ています。
市場関係者らの見方は?
今回、
日本経済や
日銀の
金融政策を
分析しているエコノミストや
日銀の
元幹部など20
人を
対象に、
どのような
人物が
次の
総裁にふさわしいと
思うか
聞いてみました。
「政策の連続性を保てる人」「専門性が高く実務に詳しい人」「国際金融に詳しい人」などさまざまな人物像があがりましたが、全員が日銀出身者がふさわしいと答えました。
そして全員が口をそろえるように指摘したのが「次の総裁は厳しい道のりを歩むことになる」ということです。
難局に臨む次期総裁
円相場は1ドル150
円台まで
値下がりし、
およそ32
年ぶりの
円安水準を
更新しています。
また、大規模な金融緩和を長期にわたって続けても、依然、日銀が目指す賃金の上昇を伴った2%の物価目標は達成できていません。物価の高騰はおさまらず、世界経済が減速するのではないかという懸念も強まっています。
こうした難局に臨む次の総裁はどういう人物なのか。そしてどういう政策を実行するのか。
市場の動向や私たちの暮らしにも影響する可能があるだけに、今後の総裁人事をめぐる動きに注目したいと思います。
注目予定
来週は、27
日から2
日間にわたり
日銀の
金融政策決定会合が
開かれます。
日銀は「
展望レポート」をまとめる
中で、
今年度の
ほか、1
年後、2
年後の
消費者物価の
見通しが
発表されるほか、
会合後に
予定されている
黒田総裁の
記者会見での
発言が
注目されます。
また日米で、主要企業の決算発表が相次ぎます。欧米の中央銀行による金融引き締めなどが決算内容や業績見通しにどのような影響を及ぼしているかが焦点です。
モナ・リザについて
N4
Source: Tổng hợp
140
Sep 6, 2025 07:09
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