日本新聞: 死刑囚の肉声から考える死刑告知は当日か事前か

死刑しけい囚しゅうの肉声にくせいから考かんがえる死刑しけい告知こくちは当日とうじつか事前じぜんか

Oct 21, 2022 20:10

Furigana

死刑しけい囚しゅうに対にたいして、死刑しけいの執行しっこうを直前ちょくぜんまで伝つたえていない現在げんざいの国くにの運用うんよう。この是非ぜひが争あらそわれている民事みんじ裁判さいばんで、事前じぜんの告知こくちも行おこなわれていた67年ねん前まえ、執行しっこうを伝つたえられた死刑しけい囚しゅうが家族かぞくと面会めんかいして別わかれを告つげたり、後悔こうかいのことばを話はなしたりする肉声にくせいを録音ろくおんした音声おんせいデータが提出ていしゅつされました。

死刑しけい囚しゅうへの死刑しけいの告知こくち過去かこには事前じぜんも現在げんざいは直前ちょくぜん

国くになどによりますと、死刑しけい囚しゅうに対にたいする死刑しけい執行しっこうの事前じぜん告知こくちは昭和しょうわ50年ねんごろまでは、一部いちぶで行おこなわれていましたが、死刑しけい囚しゅうが自殺じさつしたケースがあり、これをきっかけに、「死刑しけい囚しゅうの心情しんじょうの安定あんていを確保かくほするため」などとして、当日とうじつに告知こくちする運用うんように変更へんこうされたとみられ、現在げんざいは執行しっこうの1、2時間じかん前まえに本人ほんにんに告知こくちされています。

原告げんこくの死刑しけい囚しゅう“残酷ざんこくな方法ほうほうだ”提訴ていそ

この運用うんようについて現在げんざい、拘置こうち所しょに収容しゅうようされている死刑しけい囚しゅう2人にんはみずからの死しと向き合むきあえず残酷ざんこくな方法ほうほうだなどと主張しゅちょうして、国くにに事前じぜん告知こくちや損害そんがい賠償ばいしょうを求もとめる訴うったえを大阪おおさか地方ちほう裁判所さいばんしょに起おこしています。

67年ねん前まえの死刑しけい囚しゅうの肉声にくせい

この裁判さいばんで21日にち、原告げんこくの死刑しけい囚しゅう側がわは67年ねん前まえの昭和しょうわ30年ねん、大阪おおさか拘置こうち所しょで2日にち前まえに執行しっこうを伝つたえられた、死刑しけい囚しゅうの様子ようすを記録きろくした1時間じかん余あまりの音声おんせいデータを証拠しょうことして提出ていしゅつしました。

これは、当時とうじの大阪おおさか拘置こうち所しょの所長しょちょうがひそかに録音ろくおんしたもので、所長しょちょうの孫まごの女性じょせいから「死刑しけい制度せいどについて知しってもらう資料しりょうになれば」と提供ていきょうを受うけたということです。