ベトナム人じん帰国きこくのための「レスキュー便びん」約やく3週間しゅうかんぶり運航うんこう

ベトナム大使館たいしかんなどによりますと、これまで感染かんせん拡大かくだいを抑え込おさえこんできたベトナムで、4月末げつまつ以降いこう、再ふたたび感染かんせんが広ひろがっていることが背景はいけいにあります。

変異へんいウイルスへの感染かんせんも相次あいついで確認かくにんされるようになり、ベトナム政府せいふは「水際みずぎわ対策たいさく」を強化きょうかし、帰国きこく者しゃや入国にゅうこく者しゃの隔離かくり期間きかんを延長えんちょうしました。

しかし、ベトナム国内こくないで帰国きこく者しゃなどを隔離かくりする施設しせつの収容しゅうよう人数にんずうに限界げんかいがあることから、ベトナム行いきの航空こうくう便びんの数かずが制限せいげんされているということです。

感染かんせん拡大かくだい前まえには、成田なりた空港くうこうから1日にち10便びん飛とんでいたベトナム行いきの定期ていき便びんは現在げんざいは運行うんこうしていません。

このためベトナム政府せいふは日本にっぽんで暮くらすベトナム人じんで病気びょうきや妊娠にんしんなど特別とくべつな事情じじょうがある人ひとが優先ゆうせん的てきに帰国きこくできるように、「レスキュー便びん」を運航うんこうしています。

ただ、レスキュー便びんに乗のるためのチケットにも限かぎりがあるため、ベトナム人じんを支援しえんする団体だんたいを運営うんえいする松本まつもと伸彦のぶひこさんは、帰国きこくできないベトナム人じんに対にたいし、宿泊しゅくはく場所ばしょを提供ていきょうするボランティアを行おこなっています。

松本まつもとさんは5日にちも成田なりた空港くうこうで帰国きこくできずに困こまっているベトナム人じんがいないか声こえをかけていました。

松本まつもとさんが声こえをかけたベトナム人じんのトゥエットさん（24）は妊娠にんしん4か月かげつでレスキュー便びんのチケットを持もっていませんでした。

トゥエットさんは技能ぎのう実習じっしゅう生せいとして来日らいにちしたものの暴力ぼうりょくを振ふるわれたことなどから岡山おかやま県内けんないの実習じっしゅう先さきから逃げ出にげだし、お金おかねや住すむ場所ばしょがなく、友人ゆうじんの家いえを転々てんてんとしているということです。

トゥエットさんは「日本にっぽんでは保険ほけんもないのでとても心配しんぱいです。ベトナムに早はやく帰国きこくしたいです」と涙なみだながらに話はなしていました。

またカップルの中なかにはパートナーがチケットを持もっていないため離はなればなれになってしまう人ひともいて、涙なみだを流ながして別わかれを惜おしむ姿すがたも見みられました。

松本まつもとさんは、「ベトナムに帰国きこくする航空こうくう便びんが減へり、行き場いきばを失うしなったという相談そうだんが相次あいついでいます。就労しゅうろうや留学りゅうがくでベトナム人じんを受け入うけいれてきた日本にっぽん側がわは帰国きこくまで責任せきにんを持もってほしいです」と話はなしていました。

政府せいふは、4日にちからベトナムからの帰国きこく者しゃや入国にゅうこく者しゃに対にたいし、14日間にちかんの待機たいき期間きかんのうち、入国にゅうこく後ご6日間にちかん、国くにが確保かくほした宿泊しゅくはく施設しせつにとどめて検査けんさを行おこなう「停留ていりゅう」措置そちを始はじめました。

5日にち朝あさ、ハノイから成田なりた空港くうこうに到着とうちゃくした便びんの乗客じょうきゃくは、検疫けんえき所しょの検査けんさを受うけたあとスタッフの誘導ゆうどうでバスに乗り込のりこみ宿泊しゅくはく施設しせつに向むかいました。

ベトナムの保健ほけん当局とうきょくは、インドで最初さいしょに確認かくにんされた変異へんいウイルスについて、さらに別べつの変異へんいが起おきたものが検出けんしゅつされたとする分析ぶんせき結果けっかを公表こうひょうしています。

ベトナムから帰国きこくした60代だいの日本人にっぽんじんの男性だんせいは、ワクチンを接種せっしゅするため一いち時じ帰国きこくしたということで、「ベトナムで新あたらしい変異へんいウイルスが検出けんしゅつされたことで、現地げんちでも不安ふあんが広ひろがっているのを感かんじました。6日間にちかん、宿泊しゅくはく施設しせつでの停留ていりゅう措置そちはやむをえないので、運動うんどう不足ふそくに気きをつけながら過すごします」と話はなしていました。