日本新聞: 能登半島地震必要な支援と課題は？首長発言から【3月19日】

19日にち、石川いしかわ県けんの「災害さいがい対策たいさく本部ほんぶ員いん会議かいぎ」が開ひらかれました。

応急おうきゅう仮設かせつ住宅じゅうたくの建設けんせつが進すすんでいますが、避難ひなん生活せいかつを続つづけている人ひとも多おおく、引き続ひきつづきの支援しえんが必要ひつような状況じょうきょうが続つづいています。

6つの自治体じちたいの首長しゅちょうの発言はつげんをまとめました。

※発言はつげんの順番じゅんばんに掲載けいさいしています。

輪島わじま市し坂口さかぐち茂しげる市長しちょう「仮設かせつ住宅じゅうたくの建設けんせつ促進そくしんを」

「避難ひなん所しょの数かずは53と先週せんしゅうと比較ひかくして変かわらないが、避難ひなん者しゃ数すうは1827人にんと30人にん減へった。水道すいどう復旧ふっきゅうが進すすむ中なかで意外いがいに減へらないので、避難ひなん者しゃの皆みなさんに聞きき取とりをしながら、避難ひなん所しょの集約しゅうやくなども進すすめていきたい」

「建物たてものの被害ひがい調査ちょうさは1次じ調査ちょうさがおおむね完了かんりょうした。3月つき15日にちからは二に次じ調査ちょうさを開始かいししており、5月つき末まつまでに完了かんりょう予定よていだ。り災りさい証明しょうめい書しょの発行はっこうは住じゅう家か分ぶんの約やく61％で完了かんりょうしている」

「水道すいどうの復旧ふっきゅう率りつは66％となったが、もう少もうすこししっかりと進すすめていきたい」

「応急おうきゅう仮設かせつ住宅じゅうたくは現在げんざい1979戸この建設けんせつとなっている。輪島わじま市しは当初とうしょ4000戸この建設けんせつをお願おねがいしていたが、調査ちょうさの結果けっか3200戸こに減へった。引き続ひきつづき、石川いしかわ県けんには建設けんせつの促進そくしんをお願おねがいしたい」

珠洲すず市し泉谷いずみや満みつる寿ことぶき裕ひろし市長しちょう「生活せいかつ再建さいけん支援しえん金きん振込ふりこみ早はやめに」

「応急おうきゅう仮設かせつ住宅じゅうたくの建設けんせつを迅速じんそくに進すすめていただき、教職きょうしょく員いん向むけの応急おうきゅう仮設かせつ住宅じゅうたくも進すすめていただけるとのことで、ありがたい」

「中ちゅう長期ちょうき派遣はけん職員しょくいんの確保かくほについて、調整ちょうせいへのご尽力じんりょくをお願おねがいしたい」

「公費こうひ解体かいたいは本ほん申請しんせいを1週間しゅうかん前倒まえだおしして、3月つき25日にちから開始かいしする。迅速じんそくな解体かいたい撤去てっきょに向むけて、国くにや県けんの支援しえんをお願おねがいしたい」

「被災ひさい者しゃ生活せいかつ再建さいけん支援しえん金きんについて。職しょくを失うしなった人ひとも多おおくいる。現状げんじょうでは申請しんせいから支援しえん金きんの振り込ふりこみまで1か月かげつから1か月かげつ半はんほどかかっているようだが、できるだけ2～3週間しゅうかんで振り込ふりこまれるようお願おねがいしたい」

穴水あなみず町まち吉村よしむら光輝みつてる町長ちょうちょう「避難ひなん指示しじ早期そうき解除かいじょに向むけ支援しえんを」

「穴水あなみず町まちの避難ひなん者しゃは309人にん、避難ひなん所しょは17か所かしょで、避難ひなん者しゃ登録とうろくは739人にんとなっている」

「り災りさい証明しょうめいに関にかんして住じゅう家かの被害ひがい認定にんてい調査ちょうさは終了しゅうりょうし、4012件けんだった。非ひ住じゅう家かは1936件けん調査ちょうさ済すみとなっている。2次じ調査ちょうさの申し込もうしこみは345件けんあり、うち343件けんが調査ちょうさ済すみだ。り災りさい証明しょうめい書しょの発行はっこうは住じゅう家か非ひ住じゅう家かをあわせて3938件けんで、住じゅう家かの申請しんせい者しゃにはほぼ行いきわたっている状況じょうきょうだ」

「ボランティアの活動かつどう状況じょうきょうについて。1月つき10日にちのボランティアセンター開始かいし以降いこう、受付うけつけ数すうは3903人にんで、1日にち平均へいきん56.6人にんを受け付うけつけている。業務ぎょうむ内容ないようは避難ひなん所しょ運営うんえい、災害さいがいゴミの搬出はんしゅつ・運搬うんぱんなどだ。依頼いらいの受付うけつけ累計るいけいは1228件けんで、1日にち平均へいきん17.8件けん。完了かんりょうの累計るいけいは1003件けん、1日にち平均へいきん14.5件けん。活動かつどうのべ人数にんずうはこれまでに6989人にん。現状げんじょう、ボランティアの受付うけつけ数すうは微増びぞうしている一方いっぽうで、ニーズの数かずは平均へいきん値ちを横よこばいで推移すいいしている。今後こんご、公費こうひ解体かいたいが始はじまると、さらにニーズは増ふえることが予想よそうされる」

「入浴にゅうよく支援しえんについて。町内ちょうない2箇所かしょで実施じっししていただいていた自衛隊じえいたいの入浴にゅうよく支援しえんは旧きゅう兜かぶと小学校しょうがっこうでの支援しえんを3月つき17日にちに終了しゅうりょうし、穴水あなみず総合そうごう病院びょういん前まえでの支援しえんも3月つき31日にちをもって終了しゅうりょうする予定よていとなった。改あらためて自衛隊じえいたいの皆みなさまに感謝かんしゃ申し上もうしあげる。本当ほんとうにありがとうございました」

「今後こんごの入浴にゅうよく支援しえんについて。ふれあい文化ぶんかセンターの浴室よくしつを応急おうきゅう復旧ふっきゅうし、被災ひさい者しゃ向むけに無料むりょう開放かいほうすることになった。期間きかんは3月つき25日にちから5月つき31日にちまでで、時間じかんは13時じから21時じまで。男女だんじょそれぞれ15人にん程度ていどが入浴にゅうよく可能かのうな施設しせつとなっている。無料むりょう送迎そうげいバスの実施じっしも予定よていしている」

「避難ひなん指示しじ区域くいきの早期そうき解除かいじょに向むけた支援しえんをお願おねがいしたい。1月つき14日にち15時じに発令はつれいした避難ひなん指示しじ3か所かしょが、現在げんざいも解除かいじょされていない。地震じしんによる大だい規模きぼな土砂崩どしゃくずれをおこした斜面しゃめんの対策たいさくが行おこなわれていないためだ。国くにのTEC-FORCEに相談そうだん、県けんに相談そうだん・連絡れんらくをしていただき、県けんで観測かんそく機器ききを設置せっちする旨むねの回答かいとうをいただいたが、いまだに設置せっちされていない。再度さいど、国交こっこう省しょうと県けんに相談そうだんしたが、観測かんそく機器ききを設置せっちする意向いこうは今いまのところはなく、町まちで復旧ふっきゅう対応たいおうするようにとの回答かいとうだった。しかし、土砂崩どしゃくずれおよび亀裂きれつは大だい規模きぼで、町まち単独たんどくでは復旧ふっきゅう対応たいおうしきれないと考かんがえており、国くにや県けんの支援しえんをお願おねがいしたい。川島かわしま地ち内ないの県けん施工しこうの急きゅう傾斜けいしゃ地ちに隣接りんせつする箇所かしょなど、町まちで対応たいおうが難むずかしい大だい規模きぼ災害さいがいの復旧ふっきゅう支援しえんもあわせてお願おねがいしたい」

能登のと町まち大森おおもり凡世よ町長ちょうちょう「15日にちに復旧ふっきゅう復興ふっこう本部ほんぶを設置せっち」

「避難ひなん者しゃ数すうは441人にんで前回ぜんかい報告ほうこく（12日にち）から28人にんの減少げんしょう。断水だんすい解消かいしょうは4709戸こで、通つう水すい率りつは76％まで来きた。引き続ひきつづき取り組とりくんでいく」

「被災ひさい家屋かおくの公費こうひ解体かいたいはこれまで167人にんから申請しんせいを受うけていて、18日にちから鵜川うがわ地区ちく、白丸しろまる地区ちくでの解体かいたいを始はじめた。2年ねん後ごの解体かいたい完了かんりょうに向むけ事業じぎょうを進すすめていく」

「3月つき15日にちに復旧ふっきゅう・復興ふっこう本部ほんぶを設置せっちし、被災ひさい者しゃの生活せいかつ再建さいけんや個人こじん事業じぎょう主ぬしの再建さいけんを最さい重点じゅうてん課題かだいとする復興ふっこう計画けいかくの基本きほん方針ほうしんを示しめした。県けんの災害さいがい復興ふっこうプランの策定さくていと歩調ほちょうを合あわせながら町まちの再生さいせいに取り組とりくんでいく」

「発はつ災わざわい以降いこう、全国ぜんこくから応援おうえん職員しょくいんを派遣はけんいただき、災害さいがい対応たいおう業務ぎょうむを支援しえんいただいた。4月つき以降いこうもり災りさい証明しょうめいのための2次じ調査ちょうさや避難ひなん所しょ運営うんえいなど継続けいぞく業務ぎょうむもあり、引き続ひきつづきのご支援しえんをお願おねがい申し上もうしあげる」

「自衛隊じえいたいの支援しえん。自衛隊じえいたいの皆様みなさまには給水きゅうすい・入浴にゅうよく・物資ぶっし輸送ゆそうなど多大ただい輸送ゆそうなるご支援しえんをいただいている。物資ぶっし輸送ゆそうは20日にちから民間みんかん委託いたく拡大かくだいにより自衛隊じえいたいの支援しえんが完了かんりょうする。これまでの協力きょうりょくに心こころより感謝かんしゃ。その他そのたの支援しえんについては、水道すいどう復旧ふっきゅう、仮設かせつ住宅じゅうたく建設けんせつ、避難ひなん所しょ解消かいしょうなどメドがつくまでもうしばらく支援しえんを継続けいぞくいただきたいと考かんがえており、何なにとぞよろしくお願おねがい申し上もうしあげる」

七尾ななお市し茶谷ちゃたに義隆よしたか市長しちょう「公費こうひ解体かいたいガイドラインを」

「避難ひなん者しゃ数すうは先週せんしゅうから81人にん減へって462人にん。避難ひなん所しょも自主じしゅ避難ひなん所しょが3か所かしょ減へって22か所かしょに」

「り災りさい証明しょうめいの申請しんせい状況じょうきょうは1万まん6623件けんで、いまだ申請しんせいが出でてきているが、1次じの証明しょうめい書しょの発行はっこうはつど、発行はっこうできる状況じょうきょうになっている。2次じ調査ちょうさは申請しんせい件数けんすうが1649件けんで現地げんち調査ちょうさ済すみが251件けんとなっている」

「ボランティアは21日にちから23日にち、岡山おかやま県けん総社そうしゃ市しを中心ちゅうしんに5自治体じちたいと登山とざん家かの野口のぐち健けんさんたちで、テント村むらを設置せっちいただく予定よてい。100テント、200人にんを収容しゅうようできる状況じょうきょうで、ボランティアの数かずが増ふえることで片付かたづけが進すすむと考かんがえている」

「避難ひなん所しょをいつまで開設かいせつするかだが、仮設かせつ住宅じゅうたくが完成かんせいし入居にゅうきょできる状況じょうきょうになった時点じてんで避難ひなん所しょを閉しめたい。ただ、特とくに高齢こうれい者しゃの方かたたちは3度ど食事しょくじが出でてきて（避難ひなん所しょが）安心あんしんということで、離はなれられない状況じょうきょうもある。そういう方ほうたちの思おもいを一ひとつ一ひとつ丁寧ていねいにくみとりながら、日常にちじょうを取り戻とりもどしていただくような体制たいせいをしっかりとっていきたいと思おもうので、サポートをお願おねがいしたい」

「公費こうひ解体かいたいについてはある程度あるていど、優先ゆうせん順位じゅんいをつけたい。七尾ななお市しではたとえば事業じぎょう者しゃで事業じぎょう再開さいかいをしたい方かたたちの解体かいたいを優先ゆうせんに取り組とりくみたい。また街まちなかで危険きけんが生しょうじる可能かのう性せいがある、余震よしんで瓦かわらが落おちてくる可能かのう性せいがあるようなものを優先ゆうせん的てきに行おこないたい。例たとえば仮設かせつ住宅じゅうたくに入はいってしばらくの間まはそこで過すごすことができる方ほうで、危険きけん性せいがない方ほうの公費こうひ解体かいたいは順序じゅんじょ的てきには後ごになるかと思おもっている」

「り災りさい証明しょうめいの発行はっこうにあたり、住じゅう家か以外いがいのものに関にかんしてのルールが分わかりにくいことが問題もんだいに」

「公費こうひ解体かいたいのルールについて分わかりやすいマニュアルやガイドラインを作つくっていただければありがたい。今いままでは建物たてものが一体いったいではないと解体かいたいできないという話はなしだったが、増築ぞうちくした場合ばあい、増築ぞうちく部分ぶぶんは新あたらしいから壊こわれていない。まだ使つかえるのに『一体いったいでないから解体かいたいできない』のはおかしいのではないかと。構造こうぞうが別べつであれば一部いちぶであっても解体かいたいできるという話はなしもあり、正確せいかくな情報じょうほうが伝つたわっていない。どう取り扱とりあつかっていけばいいか、現場げんばでは混乱こんらんしている。そのあたりのルールをしっかり伝つたえていただければありがたい」