日本新聞: 処理水放出工事完了福島県漁連会長“引き続き反対していく”

処理しょり水すい放出ほうしゅつ工事こうじ完了かんりょう福島ふくしま県けん漁いざり連れん会長かいちょう“引き続ひきつづき反対はんたいしていく”

Jun 27, 2023 17:06

Furigana

東京とうきょう電力でんりょく福島ふくしま第だい一いち原子力げんしりょく発電はつでん所しょにたまる処理しょり水すいを薄うすめて海うみに放出ほうしゅつするための設備せつびの工事こうじが完了かんりょうしたことを受うけて、福島ふくしま県けん漁いざり連れんの野崎のさき哲あきら会長かいちょうは27日にち、引き続ひきつづき放出ほうしゅつに反対はんたいしていく考かんがえを示しめしました。

福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつにたまるトリチウムなどの放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつを含ふくむ処理しょり水すいについて、政府せいふは基準きじゅんを下回したまわる濃度のうどに薄うすめて、ことし夏なつごろまでに海うみへの放出ほうしゅつを始はじめる計画けいかくで、東京とうきょう電力でんりょくは26日にち、放出ほうしゅつ設備せつびの工事こうじを完了かんりょうさせました。

こうした中なか、27日にち、東京とうきょう電力でんりょくの担当たんとう者しゃが、福島ふくしま県けんいわき市しで開ひらかれた福島ふくしま県けん漁いざり連れんの会議かいぎに出席しゅっせきし、工事こうじなどの現状げんじょうを説明せつめいしました。

会議かいぎでは、県けん漁りょう連れんの野崎のさき哲あきら会長かいちょうが「どんなことがあっても漁業ぎょぎょうを続つづけることが反対はんたいを示しめす一番いちばんの姿勢しせいになる」と述のべ、引き続ひきつづき放出ほうしゅつに反対はんたいしていく考かんがえを示しめしました。

会議かいぎのあと、野崎のさき会長かいちょうは報道陣ほうどうじんの取材しゅざいに対にたいし、政府せいふと東京とうきょう電力でんりょくが8年ねん前まえ、県けん漁りょう連れんに対にたいし「関係かんけい者しゃの理解りかいなしにいかなる処分しょぶんも行おこなわない」という方針ほうしんを伝つたえたことに触ふれ、「国くにや東京とうきょう電力でんりょくが漁業ぎょぎょう者しゃの要望ようぼうに応こたえて説明せつめいを重かさねていることは重おもく受け止うけとめている。ただ、了解りょうかいはしておらず、流ながしてもらいたくないという思おもいはいまだに同おなじだ」と述のべました。

処理しょり水すいをめぐっては、28日にちから原子力げんしりょく規制きせい委員いいん会かいによる設備せつび全体ぜんたいの性能せいのうを確認かくにんする検査けんさが行おこなわれる予定よていで、合格ごうかくすれば放出ほうしゅつに向むけた設備せつび面めんでの準備じゅんびが整ととのうことになります。

松野まつの官房かんぼう長官ちょうかん “海洋かいよう放出ほうしゅつの時期じきは政府せいふ全体ぜんたいで判断はんだん”

松野まつの官房かんぼう長官ちょうかんは、午後ごごの記者きしゃ会見かいけんで「アルプス処理しょり水すいの海洋かいよう放出ほうしゅつの時期じきは、安全あんぜん性せいの確保かくほや風評ふうひょう対策たいさくの取り組とりくみの状況じょうきょうを政府せいふ全体ぜんたいで確認かくにんし判断はんだんしていく。引き続ひきつづき漁業ぎょぎょう者しゃをはじめとする方々かたがたと意思いし疎通そつうを密みつにし、政府せいふを挙あげて安全あんぜん性せい確保かくほと風評ふうひょう対策たいさくの徹底てっていに取り組とりくむとともに、IAEA＝国際こくさい原子力げんしりょく機関きかんの包括ほうかつ的てきな報告ほうこく書しょの内容ないようをはじめ、丁寧ていねいな説明せつめいと意見いけん交換こうかんを重かさねていきたい」と述のべました。