【解説かいせつ動画どうが】プリゴジン氏しの武装ぶそう反乱はんらん 背景はいけいには何なにが？

A.ロシア大統領だいとうりょう府ふのペスコフ報道ほうどう官かんは、スロビキン副ふく司令しれい官かんを大統領だいとうりょうは信頼しんらいしているかという質問しつもんに対にたいして答こたえを避さけています。

ロシア軍ぐん内部ないぶでは今いま、“プリゴジンの乱らん”の間まの行動こうどうについて、大統領だいとうりょう直属ちょくぞくの捜査そうさ機関きかんが参加さんかした調査ちょうさが行おこなわれています。

スロビキン氏しは上級じょうきゅう大将たいしょうであり、航空こうくう宇宙うちゅう軍ぐん司令しれい官かん兼けん軍事ぐんじ侵攻しんこうの副ふく司令しれい官かんですが、プリゴジン氏しとの関係かんけいについて尋問じんもんを受うけている可能かのう性せいはあります。

逮捕たいほ拘束こうそくという報道ほうどう、臆測おくそくが出でるのは、“プリゴジンの乱らん”は軍ぐん内部ないぶの深刻しんこくな派閥はばつ争あらそいも背景はいけいにあるからです。

プリゴジン氏しは、反はん主流しゅりゅう派は、中なかでもスロビキン副ふく司令しれい官かんと近ちかく、連携れんけいしてショイグ・ゲラシモフ批判ひはんを繰り返くりかえしていました。

去年きょねん9月つき、ウクライナ軍ぐんの奇襲きしゅう攻撃こうげきの前まえに、ロシア軍ぐんが北東ほくとう部ぶで敗走はいそうしたことをきっかけに激はげしくなり、プリゴジン氏しらは反はん主流しゅりゅう派はの声こえを代弁だいべんする形かたちで、特別とくべつ軍事ぐんじ作戦さくせんの失敗しっぱいはショイグ・ゲラシモフ指導しどう部ぶの責任せきにんだとして軍ぐん指導しどう部ぶの刷新さっしんを求もとめてきたわけです。

去年きょねん10月つきには、プリゴジン氏しの支持しじするスロビキン副ふく司令しれい官かんが一時いちじ軍事ぐんじ侵攻しんこうの総そう司令しれい官かんに任命にんめいされましたが、今年ことし1月つきには、ゲラシモフ参謀さんぼう総長そうちょうが総そう司令しれい官かんとなりスロビキン氏しが副ふく司令しれい官かんに格下かくさげされました。

こうした奇妙きみょうな人事じんじの背景はいけいにも両派りょうはの対立たいりつがあり、プーチン大統領だいとうりょうとは国防こくぼう省しょう主流しゅりゅう派はと反はん主流しゅりゅう派はのバランスととってきました。

“プリゴジンの乱らん”は、軍ぐんの主流しゅりゅう派はの責任せきにんと指導しどう部ぶ刷新さっしんを掲かかげたわけですが、それは皇帝こうていであるプーチン大統領だいとうりょうに訴うったえた行進こうしんでした。

その点てんで、日本にっぽんの戦前せんぜんの二に・二に六ろく事件じけんと類似るいじした行動こうどうとも言いえます。

A.反乱はんらんが収おさまった直後ちょくごの26日にち、プーチン大統領だいとうりょうは”力りょくの省庁しょうちょう”と呼よばれる代表だいひょうをすべて集あつめて異例いれいな会議かいぎを開ひらきました。

軍ぐん内部ないぶで乱らんへの関与かんよについて捜査そうさの方針ほうしんが話し合はなしあわれた可能かのう性せいはあります。

大統領だいとうりょうが軍ぐんの忠誠ちゅうせい心しんに疑問ぎもんを持もったのは確たしかで、そのため大統領だいとうりょう直属ちょくぞくの捜査そうさ機関きかんも入はいって、軍ぐん指導しどう部ぶの乱らんへの関与かんよも調査ちょうさしているのでしょう。

ただウクライナの反転はんてん攻勢こうせいが強つよまる中なかで、大だい規模きぼな粛清しゅくせいを行おこなうことは、とくに現場げんばレベルでプリゴジン氏しの主張しゅちょうに共感きょうかんする将校しょうこうなどが多おおいとみられることを考かんがえると、リスクがあります。

第だい二に次じ大戦たいせんの独どくソ戦せんの前まえの37年ねん、スターリンは軍ぐん内部ないぶの大だい規模きぼな粛清しゅくせいを行おこない、軍ぐんの弱体じゃくたい化かを招まねき、独どくソ戦せんの緒戦しょせんでのソビエト赤軍せきぐんの大だい敗北はいぼくの一因いちいんとなっています。

歴史れきし好すきのプーチン大統領だいとうりょうは、そうした歴史れきしも熟知じゅくちしていますので、今いまの時点じてんで大だい規模きぼな粛清しゅくせいはしないと思おもいます。

実際じっさいショイグ国防こくぼう相しょうからは嫌きらわれている反はん主流しゅりゅう派はのテプリンスキー空挺くうてい師団しだん司令しれい官かんが、ウクライナの反転はんてん攻勢こうせいに対にたいするロシア軍ぐんの防御ぼうぎょの指揮しきを執とっていると言いわれています。

プーチン大統領だいとうりょうが、土曜どよう日び以来いらい、そのメッセージが混乱こんらんして、クレムリンの混乱こんらんをあからさまにしていました。イメージ戦略せんりゃくとしては最悪さいあくでした。

ただこうした混乱こんらんを経へて、28日にちのダゲスタン訪問ほうもんは、クレムリンの報道ほうどう部ぶなどプロパガンダの体制たいせいが整ととのってきたと思おもいます。

プーチン大統領だいとうりょうとクレムリンは動揺どうようしていない、安定あんていしているというメッセージを国民こくみんに送おくる。

反乱はんらん終結しゅうけつから三さん日にちたってクレムリンがようやく体制たいせいを整ととのえてきたという印象いんしょうは受うけました。