Actualités japonaises: きょうイラン大統領選保守強硬派2人と改革派1人三つどもえに

中東ちゅうとうのイランでは28日にち、大統領だいとうりょう選挙せんきょが行おこなわれます。欧米おうべいとの対立たいりつをいとわない保守ほしゅ強硬きょうこう派はの2人にんの有力ゆうりょく候補こうほに対にたいし、欧米おうべいとの対話たいわを重視じゅうしする改革かいかく派はの候補こうほが挑いどむ三みつどもえの構図こうずになっていて、いまの強硬きょうこうな外交がいこう政策せいさくが継承けいしょうされるかどうかが焦点しょうてんです。

イラン大統領だいとうりょう選挙せんきょは、５月ごがつ、ヘリコプターの墜落ついらく事故じこでライシ大統領だいとうりょうが亡なくなったことを受うけて行おこなわれるもので、日本にっぽん時間じかんの28日にち午後ごごから投票とうひょうが行おこなわれます。

選挙せんきょには当初とうしょ、6人にんが立候補りっこうほしていましたが、2人にんが辞退じたいし、事実じじつ上じょう、ライシ政権せいけんと同様どうように、欧米おうべいとの対立たいりつをいとわない保守ほしゅ強硬きょうこう派はの2人にんと、欧米おうべいとの対話たいわを重視じゅうしする改革かいかく派は1人にんの3人にんの争あらそいとなっています。

保守ほしゅ強硬きょうこう派はは国防こくぼうや外交がいこうを統括とうかつする最高さいこう安全あんぜん保障ほしょう委員いいん会かいの事務じむ局長きょくちょうを務つとめたジャリリ氏しと、軍事ぐんじ精鋭せいえい部隊ぶたい・革命かくめい防衛ぼうえい隊たいの出身しゅっしんで、イラン議会ぎかいのガリバフ議長ぎちょうの有力ゆうりょく候補こうほ2人にんが、保守ほしゅ層そうの支持しじを分け合わけあう形かたちになっています。

一方いっぽう、改革かいかく派はから唯一ゆいいつ立候補りっこうほしている議会ぎかいの副ふく議長ぎちょうや保健ほけん相しょうなどを務つとめたペゼシュキアン氏しは、保守ほしゅ強硬きょうこう派はによる政権せいけん運営うんえいに不満ふまんを持もつ有権者ゆうけんしゃの受け皿うけざらとなることを目指めざしています。

選挙せんきょでは、強硬きょうこうな外交がいこう政策せいさくが継承けいしょうされるのか、欧米おうべいとの関係かんけい改善かいぜんに向むけて転換てんかんが図はかられるのかが焦点しょうてんとなっています。

大勢たいせいは、29日にちにも判明はんめいする見通みとおしですが、いずれの候補こうほの得票とくひょうも過半数かはんすうに達たっしない場合ばあいは、上位じょうい2人にんによる決選けっせん投票とうひょうが1週間しゅうかん後ごの来月らいげつ5日にちに行おこなわれます。

保守ほしゅ強硬きょうこう派はジャリリ氏しとは

サイード・ジャリリ氏しは58歳さい。

保守ほしゅ強硬きょうこう派はの中なかでも原理げんり主義しゅぎ的てきな候補こうほとされ、欧米おうべいに対にたいして極きわめて批判ひはん的てきな立場たちばをとることで知しられています。

欧米おうべいと鋭するどく対立たいりつしたアフマディネジャド政権せいけん下かで外務がいむ次官じかんを経験けいけんしたあと、国防こくぼうや外交がいこうを統括とうかつする最高さいこう安全あんぜん保障ほしょう委員いいん会かいの事務じむ局長きょくちょうに抜ばってきされ、核かく開発かいはつ問題もんだいをめぐる交渉こうしょうの責任せきにん者しゃを務つとめました。

交渉こうしょうではイランが核かく開発かいはつを進すすめる権利けんりを主張しゅちょうし続つづけ、欧米おうべい側がわに妥協だきょうする姿勢しせいを見みせない「タフ・ネゴシエーター」として知しられました。

選挙せんきょ戦せんでは、イランは制裁せいさいの影響えいきょうを自力じりきで克服こくふくしてきたと主張しゅちょうするとともに、欧米おうべいと対立たいりつしたままでも新興しんこう国こくなどとの関係かんけいを深ふかめることで、経済けいざい状況じょうきょうを改善かいぜんできると訴うったえてきました。

最高さいこう指導しどう者しゃに忠誠ちゅうせいを誓ちかう民兵みんぺい組織そしき「バシジ」のほか保守ほしゅ強硬きょうこう派はのイスラム法学ほうがく者しゃや議員ぎいんなどから、根強ねづよい支持しじを受うけています。

保守ほしゅ強硬きょうこう派はガリバフ氏しとは

保守ほしゅ強硬きょうこう派はのモハンマド・バゲル・ガリバフ氏しは62歳さい。

イランの軍事ぐんじ精鋭せいえい部隊ぶたい、革命かくめい防衛ぼうえい隊たいのパイロット出身しゅっしんで、革命かくめい防衛ぼうえい隊たいの空軍くうぐん司令しれい官かんを務つとめたあと、警察けいさつ長官ちょうかんやテヘラン市長しちょうなどを経験けいけんしました。

2020年ねんからはイラン議会ぎかいの議長ぎちょうを務つとめていて、これまでは、同おなじ保守ほしゅ強硬きょうこう派はのライシ大統領だいとうりょうの政権せいけん運営うんえいを支ささえる役割やくわりをになってきました。

選挙せんきょ戦せんではライシ政権せいけんの路線ろせんの継承けいしょうと発展はってんを掲かかげ、アラブ諸国しょこくなど、周辺しゅうへんの国々くにぐにとの関係かんけいを重視じゅうしした外交がいこう方針ほうしんを踏襲とうしゅうするとしています。

一方いっぽう、欧米おうべいに対にたいしても、経済けいざい制裁せいさいを解除かいじょさせるためには、交渉こうしょうする必要ひつようがあるとするなど、保守ほしゅ強硬きょうこう派はの中なかでも柔軟じゅうなんな立場たちばを見みせていて、産業さんぎょう界かいなどからの支持しじを得えていると指摘してきされています。

改革かいかく派はペゼシュキアン氏しとは

改革かいかく派はから唯一ゆいいつ立候補りっこうほしているマスード・ペゼシュキアン氏しは69歳さい。

もともと、外科げか医いで改革かいかく派はのハタミ政権せいけんの時代じだいに、保健ほけん相しょうとして入閣にゅうかくしました。

その後そのご、イラン議会ぎかいの議員ぎいんとなり、穏健おんけん派はのロウハニ政権せいけんの時代じだいには副ふく議長ぎちょうを務つとめました。

知名ちめい度どは高たかくありませんが、選挙せんきょ戦せんでは、大統領だいとうりょうを務つとめたハタミ氏しやロウハニ氏し、それに、外相がいしょうを務つとめたザリーフ氏しといった有力ゆうりょく政治せいじ家かのほか、改革かいかく派はの支持しじ者しゃを中心ちゅうしんに支援しえんを受うけてきました。

経済けいざい制裁せいさいの解除かいじょを優先ゆうせん課題かだいとしていて、欧米おうべいとの関係かんけい改善かいぜんを訴うったえています。

また、女性じょせいに公共こうきょうの場ばで着用ちゃくようが義務ぎむづけられている「ヘジャブ」と呼よばれるスカーフをめぐり、厳きびしい取り締とりしまりを批判ひはんするなどして、広ひろく、保守ほしゅ強硬きょうこう派はに不満ふまんを持もつ層そうの受け皿うけざらとなることを目指めざしています。

有権者ゆうけんしゃからはさまざまな声こえ

大統領だいとうりょう選挙せんきょの投票とうひょうを前まえに、イランの首都しゅとテヘランでは27日にち、有権者ゆうけんしゃからさまざまな声こえが聞きかれました。

このうち、保守ほしゅ強硬きょうこう派はのジャリリ氏しを支持しじする35歳さいの教員きょういんの女性じょせいは「経済けいざいを飛躍ひやくさせ、外交がいこうでは誇ほこり高たかいイランを目指めざしてほしい」と話はなしていました。

また、保守ほしゅ強硬きょうこう派はのガリバフ氏しを支持しじする56歳さいの女性じょせいは「ライシ政権せいけんの路線ろせんを引き継ひきつぐ人ひとを求もとめている。国際こくさい的てきな存在そんざい感かんを持もち続つづけてほしい」と話はなしていました。

一方いっぽう、改革かいかく派はのペゼシュキアン氏しを支持しじする56歳さいの会計かいけい士しの女性じょせいは「世界せかいの国々くにぐにに敵意てきいを抱だいているわけではないので、各国かっこくとの関係かんけいを改善かいぜんし経済けいざい制裁せいさいの解除かいじょにつなげてほしい」と話はなし、欧米おうべいと対立たいりつする外交がいこう政策せいさくの転換てんかんを求もとめていました。