与党・野党の反応をまとめました。
会食に出席の林官房長官「総理大臣が個人として会食 問題ない」
林官房長官は閣議のあとの記者会見で「石破総理大臣は『自民党総裁としてお土産代わりに家族へのねぎらいなどの観点から私費で用意したもので政治資金規正法上の問題はないし、公職選挙法にも抵触しない』、『大勢の方々に心配をかけお騒がせをしていることは申し訳ない』などと述べたと承知しており、閣僚懇談会のあとにもその旨の発言があった」と述べました。
また、記者団から林官房長官らも出席した今月3日の会食は政治活動にはあたらないのかと問われ「会合について石破総理大臣は『自民党総裁として本当に苦労をかけてすまなかったということで行ったもので政治活動とは関係のないものだ』と述べている。私や官房副長官はお声がけをいただいたので一(いち)自民党議員として参加した」と述べました。
さらに、政治活動の定義を問われ「法は特に定義規定を設けていないが、政治上の主義もしくは施策を推進・支持し、もしくはこれに反対し、または公職の候補者を推薦・支持し、もしくはこれに反対することを目的として行う、直接、間接の一切の行為をいうと承知している」と説明しました。
一方、会食が総理大臣公邸で行われたことに問題がなかったのかと問われ「総理大臣公邸は総理大臣が日常生活を行う住まいで、これまでも総理大臣が個人として会食を設けることは行われており問題はないと考えている」と述べました。
このほか「石破総理大臣は過去にも商品券を配布したとしているが、確認などの対応は検討するか」と質問されたのに対し、「個人としての行為について政府として答えることは控える」と述べました。
《自民》
岩屋外相「事実関係把握できていないのでコメント控えたい」
岩屋外務大臣は、訪問先のカナダで記者団に対し「カナダに来てから報道で知った。石破総理大臣が説明したことは報道で知っているが、それ以上の詳細は私自身が事実関係を把握できていないのでコメントは控えたい」と述べました。
加藤財務相「私から申し上げることはない」
加藤財務大臣は14日の閣議のあとの会見で「きのう総理から話をしていると承知しており、それ以上、私から申し上げることはない」と述べました。
一方、自身がお土産として商品券を配ったり、受け取ったりした経験があるかを問われ、加藤大臣は「政治資金規正法上における政治活動に関する寄付、または寄付を受けることは一切していない」と述べました。
江藤農相「石破総理大臣が誠実に答えていた ご理解頂ければ」
江藤農林水産大臣は14日の閣議のあとの会見で「昨夜から石破総理大臣が誠実に答えていたということなので、国民の受け止めはさまざまあると思うが、ご理解頂ければありがたい」と述べました。
そのうえで、自身が土産などの形で商品券を配った経験があるか問われたのに対しては、「私自身のことについてはコメントは避けさせて頂く」と述べました。
武藤経産相「特に私からコメントすることはない」
武藤経済産業大臣は、14日の閣議のあとの会見で、「総理からは、先ほどの閣議のあとも、お話があった。ご本人がお土産という形で渡された。もちろん、政治資金規正法などの違反はないという話をいただいた。総理のご判断で、ご自身でやられたことで、特に私からコメントすることはない」と述べました。
浅尾環境相「お答えは差し控えたい」
浅尾環境大臣は閣議後の記者会見で「総理が説明されたことは承知しております。その説明の中で、『多くの国民の皆様にご心配をおかけしたことをおわびする』という発言もされておられました。それ以上の事実関係はわかりませんので、お答えは差し控えたい」と述べました。
また、自身が商品券を受け取ったり、渡したりしたことはあるかと問われると「ありません」と答えました。
中谷防衛相「違法性はないと認識している」
中谷防衛大臣は、閣議のあとの記者会見で「違法性はないと認識しているし、石破総理大臣は、正直に事実関係を述べた。私自身の政治経験としては、お土産を名目として、同僚の国会議員に商品券を配ったり、受け取ったりしたことはない」と述べました。
平デジタル相「法令違反ないとの説明に尽きる」
平デジタル大臣は閣議のあと記者団に対し「法令に違反することはなかったと石破総理大臣が説明しておりその説明に尽きると思う。その上で国民の皆さんから疑念を持たれないように取り組んでいく必要がある」と述べました。
柴山元文科相「難しい説明になるのではないか」
自民党の柴山元文部科学大臣は、党本部で記者団に対し「いろいろな法案審議に影響が出てくるのではないかと心配している。歯を食いしばって頑張らなければいけない。違法の問題は生じないと信じたいが、石破総理大臣は、先の衆議院選挙に際して、政治とカネの問題に厳しい姿勢を示してきたので、なかなか難しい説明になるのではないか」と述べました。
西田参院議員「新年度予算案成立させたら退陣するのが正解」
自民党の西田昌司参議院議員は党本部で記者団に対し「なんでそういうことになったのかなという感じだ。ちょっとまずい。そもそも石破総理大臣は政治とカネの問題について一番、物を言っていたようなタイプの人であり、指摘されたら返す言葉がない。新年度予算案を成立させたら使命を果たしたことになるので、退陣するのが正解だ」と述べました。
また、自民党の青山繁晴・参議院議員は党の参議院議員総会のあと、記者団に対し「みずからを顧みて、進退も含めて決せられるべきだ。ゆうべのような話だと新年度予算案が成立しなくなってしまう。予算案が人質になり『石破おろし』のようなことになることに私は賛成しないし、日本の総理大臣としてみずから決すべきだ。過去には竹下総理大臣も予算案の成立のためみずからひかれた」と述べました。
自民幹部「企業・団体献金の議論している中 タイミング悪い」
また自民党の幹部の1人は、NHKの取材に対し「明らかに違法性はなく、問題はない。ただ、企業・団体献金の議論をしている中で、タイミングは悪い。今後、野党側の反応などを見ていく必要がある」と述べました。
《公明》
斉藤代表「国民の感覚から大きくずれており 耳を疑った」
公明党の斉藤代表は記者会見で、石破総理大臣から電話があり、説明を受けたことを明らかにしました。
そのうえで「私から『真摯に国民の声を受け止めてほしい』と伝えた。石破総理大臣からは『しっかり説明していく』という話があった。国民の感覚から大きくずれており、報道を聞いて耳を疑った。国民から理解を得られないような行為は 厳に慎むべきで、憤りを真摯に受け止めてもらいたい」と述べました。
一方、石破総理大臣の進退を含む責任について問われたのに対し「新年度予算案の審議中であり、日本は大変な困難に直面している。今ある課題に真摯に取り組み、国民の信頼を回復することに尽きる」と述べました。
公明幹部「耳を疑った 政権への影響は甚大」
公明党幹部の1人はNHKの取材に対し「耳を疑った。われわれの感覚とはかけ離れており、政治とカネが問題となる中で、政権への影響は甚大だ」と述べました。
《立民》
野田代表「社会通念では額が多く 厳しく説明求めたい」
立憲民主党の野田代表は記者会見で「企業・団体献金の議論をしているタイミングでやっていたことに、ある意味、驚いた。10万円の商品券はいわゆるお土産としては社会通念では額があまりにも多く、政治活動の寄付にあたる可能性が高いと思うので、委員会などの審議で明らかにしていきたい」と述べました。
そのうえで、記者団から石破総理大臣の進退についてどのように考えるか問われたのに対し「まだそこまでの話ではなく、審議などを通じて改めて説明を求めていくというのが基本だ。厳しく説明を求めていきたい」と述べました。
水岡参院議員会長「開き直りではないか」
立憲民主党の水岡参議院議員会長は党の参議院議員総会で「政治とカネをめぐって国会で議論をしている時に間の抜けた話だ。政治資金規正法には抵触しないと言い張っているが開き直りではないか。道理が通らない。石破総理大臣には、もはや国民の期待に応える力がないと見るべきかもしれず、本会議や予算委員会などで厳しく対処していきたい」と述べました。
《維新》
前原共同代表「一種の買収のようなものでは 猛省すべき」
日本維新の会の前原共同代表は記者会見で「石破総理大臣とは長い付き合いだが、もっともこういうことをしないタイプの人だと思っていたので、正直言って意外で驚いている。自民党の政治とカネの問題について説明責任がしっかりとなされていない状況で、こうした行動を取ること自体が極めて不適切だ。話を聞いた時には一種の買収のようなものではないかと感じたが、猛省すべきだ」と述べました。
そのうえで、記者団から新年度予算案に対する賛否の判断に影響するか問われたのに対し「われわれは政策実現のために大局に立って衆議院では賛成をした。その判断は重いが、その後に起きた事案なので賛否と結びつけるかどうかも含めて、しっかりと党内で話し合いたい」と述べました。
岩谷幹事長「自民党のガバナンス欠如は深刻」
日本維新の会の岩谷幹事長は旧ツイッターの「X」に「裏金問題を引き起こし、自民党内でそのイメージを変えるための新しいリーダーとして誕生した石破総理自身が商品券の配布を行ったということが事実であれば、自民党のガバナンスの欠如は深刻だ。従来の自民党と異なるクリーンなイメージで総理となった石破総理だが、誰がトップになっても自民党の体質は変わらないことが明らかになったと言える」と投稿しました。
その上で「事実関係の徹底した調査と透明性のある説明を強く求めると同時にしがらみと金権の政治を終わらせるために企業・団体献金の廃止を何としても実現していく」としています。
また、日本維新の会の浅田参議院会長は党の参議院議員総会で「石破総理大臣みずからの問題が発覚して、また政治とお金の問題がクローズアップされている。企業・団体献金の扱いを3月末までに結論を出すというこの段階で、議員に商品券を1人10万円配るのはいかがなものか。これから各委員会で折に触れて自民党の体質を追及していきたい」と述べました。
維新幹部「総理としての自覚がない」
また、日本維新の会の幹部の1人はNHKの取材に対し「違法性うんぬんではなく、総理大臣としての自覚がないとしか言いようがない」と述べました。
《国民》
玉木代表「疑惑払拭できないなら総理大臣の職続けること困難」
国民民主党の玉木代表は記者団に対し「政治資金規正法に抵触する可能性があると思う。政治とカネの問題を議論している大事な局面で、問題を解決する資格があるかが問われており、法律に抵触しないのか、予算委員会などの場を通じてしっかり説明責任を果たすべきだ」と述べました。
そのうえで「少なくとも道義的・政治的責任は免れず、疑惑を払拭できないのであれば 総理大臣の職を続けることは困難になっていくと言わざるを得ない」と述べました。
国民民主幹部「政治的にアウト 予算案成立にも影響」
また、国民民主党の幹部の1人はNHKの取材に対し「誰が提案した話かわからないが、政治的にアウトだ。新年度予算案が成立するかどうかにも影響してくる話だ」と述べました。
《共産》
小池書記局長「総理としての資格に関わる重大な話」
共産党の小池書記局長はNHKの取材に対し「事実であれば驚くべき話であり、総理大臣としての資格に関わる重大な話だ」と述べました。
《れいわ》
山本代表「国民にも10万円給付すべき」
れいわ新選組の山本代表は「自民党の新人議員だけでなく、物価高で苦しむ国民にも10万円を給付すべきだ」とするコメントを出しました。