日本新聞: 河合雅雄さん死去ニホンザルなど霊長類研究で世界をリード

河合かわい雅雄まさおさん死去しきょニホンザルなど霊長れいちょう類るい研究けんきゅうで世界せかいをリード

May 15, 2021 17:05 0

Furigana

ニホンザルやヒヒなどの霊長れいちょう類るいの研究けんきゅうで世界せかいをリードし、自然しぜんをテーマにした児童じどう文学ぶんがくでも知しられる、京都大きょうとだい学がく名誉めいよ教授きょうじゅの河合かわい雅雄まさおさんが14日にち、老衰ろうすいのため、兵庫ひょうご県けん丹波たんば篠山しのやま市しの自宅じたくで亡なくなりました。97歳さいでした。

河合かわい雅雄まさおさんは大正たいしょう13年ねんに兵庫ひょうご県けんで生うまれ、京都大きょうとだい学がく理学部りがくぶの動物どうぶつ学科がっかに在学ざいがく中ちゅう、日本にっぽんの霊長れいちょう類るい研究けんきゅうの草分くさわけとして知しられる今西いまにし錦司きんじさんの研究けんきゅうグループに参加さんかしました。

河合かわいさんは宮崎みやざき県けんの幸島こうしまで行おこなった調査ちょうさで、ニホンザルがイモを食たべる時ときに海水かいすいで洗あらってきれいにするとともに塩味しおあじをつけることを学まなび、その学習がくしゅう成果せいかがほかのサルにも伝つたわっていくことを発見はっけんし、サルの文化ぶんか的てき行動こうどうとして国際こくさい的てきに大おおきな注目ちゅうもくを集あつめました。

河合かわいさんは財団ざいだん法人ほうじん・日本にっぽんモンキーセンターの所長しょちょうや京都きょうと大学だいがく霊長れいちょう類るい研究所けんきゅうじょの教授きょうじゅや所長しょちょうを歴任れきにんし、アフリカでゴリラやヒヒなどの野外やがい調査ちょうさを重かさねました。

一方いっぽう、草山くさやま万まん兎うさぎのペンネームで「ゲラダヒヒの紋章もんしょう」などの児童じどう文学ぶんがく作品さくひんも著あらわし、特とくに心理しんり学者がくしゃで文化庁ぶんかちょう長官ちょうかんも務つとめた実弟じっていの河合かわい隼雄はやおさんらと故郷こきょうの丹波たんば篠山しのやまの自然しぜんの中なかで遊あそびまわった日々ひびをつづった「少年しょうねん動物どうぶつ誌し」は、ロングセラーとなっています。