日本新聞: 「人生で最高の1冊」を児童養護施設の子どもたちへ

「人生じんせいで最高さいこうの1冊さつ」を児童じどう養護ようご施設しせつの子こどもたちへ

May 15, 2021 23:05

Furigana

児童じどう養護ようご施設しせつで暮くらす子こどもたちに読書どくしょを通をつうじて世界せかいを広ひろげてもらおうと、この春はるに施設しせつを退しさ所しょした大学生だいがくせいの呼よびかけで「人生じんせいで最高さいこうの1冊さつ」を贈おくるプロジェクトが行おこなわれています。

プロジェクトは、インターネットのクラウドファンディングの仕組しくみを活用かつようして「人生じんせいで最高さいこうの1冊さつ」と感かんじる本ほんの紹介しょうかいと購入こうにゅう費ひの寄付きふを募つのり、各地かくちの児童じどう養護ようご施設しせつに本ほんを寄贈きぞうするものです。

立たち上あげたのは、この春はるに児童じどう養護ようご施設しせつを退しさ所しょした関西かんさいの大学だいがく1年生ねんせい、山内やまうちゆなさんです。施設しせつで暮くらす子こどもたちに読書どくしょを通をつうじて世界せかいを広ひろげてもらいたいと、NPO法人ほうじんの職員しょくいんらと計画けいかくを進すすめてきました。

児童じどう虐待ぎゃくたいや保護ほご者しゃがいないといった事情じじょうで児童じどう養護ようご施設しせつで暮くらす子こどもは2万まん4000人にん余あまりいて、山内やまうちさん自身じしん、育児いくじ放棄ほうきによって2歳さいから施設しせつで育そだちましたが、多おおくの本ほんや情報じょうほうに接せっする機会きかいは限かぎられ、周まわりには教科書きょうかしょを本ほんの代かわりに読よむ子こもいたといいます。

山内やまうちさんは「『施設しせつの子こはかわいそう』といったイメージを持もたれることも多おおく、人ひとに頼たよりにくくなることもあります。プロジェクトを通をつうじて児童じどう養護ようご施設しせつのことを知しってもらうと同時どうじに、子こどもたちに本ほんや情報じょうほうを得える機会きかいを届とどけ、寄付きふされた本ほんが100冊さつ並ならべば応援おうえんしてくれる人ひとが100人にんいるんだというメッセージが伝つたわればと思おもいます」話はなしていました。

プロジェクトは、今月こんげつ31日にちまで行おこなわれ、寄付きふした人ひとにはより理解りかいを深ふかめてもらおうと、施設しせつの子こどもたちに関にかんする資料しりょうが送おくられる予定よていです。

プロジェクトの賛同さんどう人じんで児童じどう養護ようご施設しせつを退しさ所しょした若者わかものの支援しえんを行おこなっているアフターケア相談そうだん所しょ「ゆずりは」の高橋たかはし亜美あみ所長しょちょうは「家庭かていで虐待ぎゃくたいを受うけていた子こどもたちは家いえで安心あんしんして本ほんを読よむこともできなかったと思おもうし、保護ほごされたあとも、施設しせつにもよるが、子こどもが望のぞむ本ほんや情報じょうほうが手てに入はいりにくい現状げんじょうがある。施設しせつで頼たよれる大人おとなやすてきな本ほんに出会であえる可能かのう性せいが広ひろがっていくよう、本ほんを贈おくる企画きかくなどを1つのきっかけに、施設しせつやそこで暮くらす子こどもたちへの関心かんしんや理解りかいが広ひろがっていってほしい」と話はなしていました。