厚生労働省は原則、3時間以内であれば2度から8度に冷蔵した状態で診療所などに輸送することを認めていますが、輸送の計画を見直す自治体も出てきそうです。ファイザーのワクチンは、冷凍していない状態で振動を加えると有効性や品質が低下するおそれがあるため、添付文書では、保存する温度を原則マイナス75度前後とし、最長14日間はマイナス20度前後でも保存できると定めています。
一方、厚生労働省は自治体に対して、接種を行う診療所などにワクチンを届ける際、原則、3時間以内であれば、国が用意した保冷バッグに入れて2度から8度に冷蔵した状態で輸送することを認めています。
これに対し、ファイザーが「マイナス15度より低い温度での輸送を推奨する」という見解を、去年12月に厚生労働省に伝えていたことが関係者への取材で分かりました。
一方、冷蔵した状態での輸送は「推奨しない」としたうえで、自治体がやむをえないと判断した場合は「容認する」としているということです。
ファイザーは近く、こうした見解を公表する方向で調整しているということです。
4月12日から高齢者への接種が始まるのを前に、保冷宅配サービスやドライアイスを利用して、冷凍した状態で輸送する予定の自治体がある一方、保冷バッグで冷蔵して輸送する準備を進めている自治体もあり、ファイザーの見解を受けて計画を見直す動きも出てきそうです。