ラーブ氏は、ジョンソン政権で外相などを務め、当時のジョンソン首相が新型コロナウイルスに感染して入院した際には、職務代行者となった有力な政治家で、スナク政権では副首相兼司法相を務めていました。
しかし、ラーブ氏から、いわゆるパワーハラスメントを受けたなどとする申し立てが複数の省庁の職員から相次いだため、独立調査が行われ、20日、調査報告書が発表されました。
報告書は、ラーブ氏が職員に威圧的な態度で接したり、仕事内容について「全く役に立たない」とか、「悲惨だ」などと批判したりしていたと指摘し、これを受け、ラーブ氏は21日、スナク首相に辞任を申し出て、受理されました。
ツイッターに投稿した首相宛の辞表でラーブ氏は「職員たちにストレスや不愉快な気持ちを意図せず与えてしまい、申し訳なく思っている」と謝罪する一方、調査についてパワハラの基準を極めて低く設定していると批判し、「閣僚に対する偽りの苦情を助長する危険な前例になった」としています。
スナク首相は、後任の副首相にみずからと関係が近いダウデン内閣府相を任命しましたが、去年10月の政権発足後、辞任した閣僚は3人目となり、支持率が低迷するスナク政権にとって痛手となりそうです。