Actualités japonaises: LGBT法案自民の修正案に立民など反発 “内容が後退”

LGBT法案ほうあん自民じみんの修正しゅうせい案あんに立たつ民みんなど反発はんぱつ “内容ないようが後退こうたい”

May 15, 2023 19:05

Furigana

LGBTの人ひとたちへの理解りかいを増進ぞうしんするための議員ぎいん立法りっぽうをめぐり、超党派ちょうとうはの議員ぎいん連盟れんめいの役員やくいん会かいで、自民党じみんとうが、差別さべつに関にかんする文言もんごんの修正しゅうせい案あんに理解りかいを求もとめたのに対にたいし、立憲りっけん民主みんしゅ党とうなどは「内容ないようが後退こうたいしている」と反発はんぱつし改あらためて議員ぎいん連盟れんめいとして議論ぎろんすべきだと主張しゅちょうしました。

LGBTの人ひとたちへの理解りかいを増進ぞうしんするため、超党派ちょうとうはの議員ぎいん連盟れんめいがおととし、まとめた法案ほうあんは、自民党じみんとう内ないの一部いちぶの根強ねづよい反対はんたいで国会こっかいへ提出ていしゅつされていません。

自民党じみんとう執行しっこう部ぶは、党内とうないでの議論ぎろんを踏ふまえ「性せい自認じにんを理由りゆうとする差別さべつは許ゆるされない」という文言もんごんを、「性せい同一どういつ性せいを理由りゆうとする不当ふとうな差別さべつはあってはならない」と変更へんこうする修正しゅうせい案あんを16日にちにもまとめたいとしています。

これを受うけて、超党派ちょうとうはの議員ぎいん連盟れんめいの役員やくいん会かいが国会こっかい内ないで開ひらかれ、自民党じみんとうは、文言もんごんを変更へんこうしても法的ほうてきな意味いみは変かわらないなどと説明せつめいするとともに、今後こんご、各党かくとうの政策せいさく部門ぶもんで議論ぎろんが行おこなわれるとして、出席しゅっせき者しゃに修正しゅうせい案あんへの理解りかいと協力きょうりょくを求もとめました。

これに対にたいし、公明党こうめいとうは「法案ほうあんの趣旨しゅしが変かわらないことが確認かくにんできれば、いまの国会こっかいで成立せいりつさせることが重要じゅうようだ」と応おうじましたが、立憲りっけん民主みんしゅ党とうは「内容ないようが後退こうたいしている」と反発はんぱつし議員ぎいん連盟れんめいとして総会そうかいを開ひらき、改あらためて議論ぎろんすべきだと主張しゅちょうしました。

また、共産党きょうさんとうは修正しゅうせい案あんは受け入うけいれられないとの考かんがえを表明ひょうめいしたほか、日本にっぽん維新いしんの会かいと国民こくみん民主みんしゅ党とうは「議員ぎいん連盟れんめいで合意ごういした法案ほうあんの内容ないようを変かえる必要ひつようはない」などと指摘してきしました。

焦点しょうてんの“文言もんごん修正しゅうせい”とその背景はいけい

今回こんかい、焦点しょうてんとなっているのは、超党派ちょうとうはの議員ぎいん連盟れんめいがおととしまとめた法案ほうあんで、法案ほうあんの「基本きほん理念りねん」の部分ぶぶんなどに盛り込もりこまれた「性的せいてき指向しこうおよび性せい自認じにんを理由りゆうとする差別さべつは許ゆるされない」という文言もんごんです。

「性せい自認じにん」という文言もんごんめぐり

自民党じみんとうの一部いちぶの議員ぎいんは「性せい自認じにん」という文言もんごんについて「男性だんせいが『性せい自認じにんは女性じょせいだ』と偽いつわって女性じょせい用ようのトイレや風呂ふろに入はいるなど、悪用あくようされる恐おそれがある」などと指摘してきしていました。

これを踏ふまえ、自民党じみんとうの修正しゅうせい案あんでは「性せい自認じにん」の文言もんごんをより客観きゃっかん的てきな表現ひょうげんとして「性せい同一どういつ性せい」に改あらためました。

これに対にたいし立憲りっけん民主みんしゅ党とうは「性せい自認じにん」を「性せい同一どういつ性せい」と修正しゅうせいすると、対象たいしょうが、性せい転換てんかん手術しゅじゅつをした人ひとや、戸籍こせき上じょうの性別せいべつを変更へんこうした人ひとなどに狭せばまると捉とらえられる可能かのう性せいがあるとして、LGBTの人ひとたちの中なかで、法案ほうあんの対象たいしょうになる人ひととならない人ひとが出でてくるため、新あらたな差別さべつが生うまれるのではないかとしています。

「差別さべつは許ゆるされない」という文言もんごんめぐり

また、自民党じみんとうの一部いちぶの議員ぎいんは「差別さべつは許ゆるされない」という文言もんごんに対にたいしても「禁止きんし事項じこうと誤解ごかいされ、訴訟そしょうが乱発らんぱつされる恐おそれがある」とか、「社会しゃかいの分断ぶんだんを生うみ、多様たよう性せいを認みとめる法案ほうあんの趣旨しゅしに合あわない」といった懸念けねんがあると反発はんぱつしていました。

このため安倍あべ元もと総理そうり大臣だいじんが総理そうり大臣だいじん在任ざいにん中ちゅうに、国会こっかいで複数ふくすう回かい答弁とうべんしていた「LGBTと言いわれる性的せいてき少数しょうすう者しゃなどに対にたいする不当ふとうな差別さべつや偏見へんけんはあってはならないことだ」という表現ひょうげんを踏ふまえ「不当ふとうな差別さべつはあってはならない」に変更へんこうしました。

法案ほうあんに反発はんぱつする議員ぎいんに、安倍あべ氏しに近ちかかった議員ぎいんが多おおかったことも踏ふまえ、安倍あべ氏しの答弁とうべんを踏襲とうしゅうすることで、理解りかいを得える狙ねらいがあったものと見みられます。

これについて立憲りっけん民主みんしゅ党とうは、差別さべつには正当せいとうや不当ふとうといった区別くべつはなく、すでに今いまも差別さべつは起おきているとして「差別さべつは許ゆるされない」という文言もんごんで理解りかい増進ぞうしんや施策しさくが行おこなわれるべきだとしています。

自民じみん岩屋いわや元もと防衛ぼうえい相しょう “今こん国会こっかいで成立せいりつを”

超党派ちょうとうはの議員ぎいん連盟れんめいで会長かいちょうを務つとめる自民党じみんとうの岩屋いわや元もと防衛ぼうえい大臣だいじんは、記者きしゃ団だんに対にたいし「厳きびしい意見いけんはあったが、前まえに進すすめないといけないという思おもいは共有きょうゆうできている。G7広島ひろしまサミット前まえに成立せいりつさせることが望のぞましいという考え方かんがえかたで臨のぞんできたが、かなり日程にってい的てきに厳きびしくなっていることも事実じじつだ。法案ほうあんの提出ていしゅつは、自民党じみんとうの執行しっこう部ぶ側がわが日程にってい的てきに考かんがえていると思おもうので、できるだけ迅速じんそくにすることを期待きたいしている。この国会こっかいでは成立せいりつをさせなければいけない」と述のべました。

立たつ民みん西村にしむら代表だいひょう代行だいこう “はっきり言いって後退こうたいなぜ変かえるか”

立憲りっけん民主みんしゅ党とうの西村にしむら代表だいひょう代行だいこうは、記者きしゃ団だんに対にたいし「はっきり言いって後退こうたいだ。修正しゅうせいしても意味いみは変かわらないという説明せつめいもあったが、それでは、なぜ変かえる必要ひつようがあるのか。2年ねんもたなざらしにして、ここで修正しゅうせいするのは、当事者とうじしゃや国民こくみんからも後退こうたいと見みられると思おもう。『差別さべつは許ゆるされない』という考え方かんがえかたに立脚りっきゃくすることが必要ひつようだ」と述のべました。

公明こうめい山口やまぐち代表だいひょう “広島ひろしまサミット前まえに国会こっかい提出ていしゅつすべき”

公明党こうめいとうの山口やまぐち代表だいひょうは、党とうの会合かいごうで「多様たよう性せいを認みとめ合あい、包摂ほうせつ性せいに富とんだ社会しゃかいを目指めざす上うえで、法案ほうあんを一刻いっこくも早はやく成立せいりつさせる必要ひつようがある。性的せいてき少数しょうすう者しゃを守まもる法ほう制度せいどについて、日本にっぽんはG7の中なかで大おおきく遅おくれているので、広島ひろしまサミット前まえに国会こっかい提出ていしゅつをすべきだ」と述のべました。