일본어 뉴스: イスラエル連立政権が発足 12年間続いたネタニヤフ政権交代

中東ちゅうとうのイスラエルでは、およそ2か月かげつにわたる交渉こうしょうの末すえに合意ごういした中道ちゅうどう派はや右派うはの野党やとうなどで作つくる連立れんりつ政権せいけんが13日にち発足ほっそくし、2009年ねんからの12年ねんにわたったネタニヤフ政権せいけんが交代こうたいしました。

イスラエルでは与野党よやとうの勢力せいりょくがきっ抗きっこうするなか、ことし3月つきにはこの2年間ねんかんで4度目どめとなる総そう選挙せんきょが行おこなわれる異例いれいの事態じたいとなっていました。

およそ2か月かげつにわたる連立れんりつ協議きょうぎの結果けっか、第だい2党とうの中道ちゅうどう派は「イェシュアティド」や強硬きょうこう右派うはの「ヤミナ」などは今月こんげつ、ヤミナのベネット党首とうしゅを首相しゅしょうとする連立れんりつ政権せいけんを発足ほっそくさせることで合意ごういしました。

13日にち、イスラエル議会ぎかいで連立れんりつ政権せいけんに対にたいする信任しんにん投票とうひょうが行おこなわれ、60対たい59の賛成さんせい多数たすうで承認しょうにんされ、新あらたな連立れんりつ政権せいけんが発足ほっそくしました。

これにより2009年ねんから12年間ねんかん続つづいたネタニヤフ首相しゅしょうが率ひきいる政権せいけんは交代こうたいしました。

ただ、新あらたな連立れんりつ政権せいけんには中道ちゅうどう派は、右派うは、左派さは、アラブ系けいの合あわせて8つの政党せいとうが参加さんかしていて、中なかでもパレスチナ問題もんだいをめぐって各党かくとうそれぞれの立場たちばの隔へだたりは大おおきく、政権せいけんとして一致いっちした政策せいさくを取とることができるかどうかは未知数みちすうです。

また、右派うはの強硬きょうこう派はからは連立れんりつ政権せいけんに対にたいする反発はんぱつがすでに起おきていて、今後こんご、新あたらしい連立れんりつ政権せいけんがどれだけ安定あんていした政権せいけん運営うんえいを行おこなうことができるかが焦点しょうてんです。

連立れんりつ政権せいけん中道ちゅうどう派は・右派うは・左派さは・アラブ系けいの8つの政党せいとうで

新あらたに発足ほっそくしたのは、政治せいじ的てきな立場たちばが異ことなる8つの政党せいとうによる連立れんりつ政権せいけんです。

中道ちゅうどう派はからはラピド党首とうしゅが率ひきいる第だい2党とうの「イェシュアティド」と、ガンツ国防こくぼう相しょうが率ひきいる「青あおと白しろ」が参加さんかしました。

右派うはからは強硬きょうこう派はの「ヤミナ」や、ネタニヤフ首相しゅしょうと対立たいりつしてリクードを離脱りだつしたサール元もと内相ないしょうが立たち上あげた政党せいとう「新あらたな希望きぼう」、それに、ロシア系けいのユダヤ人じんを支持しじ基盤きばんに持もつ「わが家わがやイスラエル」が入はいりました。

一方いっぽう、左派さはからはかつて政権せいけんを担になっていた「労働党ろうどうとう」や、和平わへい推進すいしん派はの「メレツ」が参加さんかしました。

そして、アラブ系けい政党せいとう「ラアム」が、アラブ系けいとしては初はじめて連立れんりつ政権せいけんに入はいりました。

連立れんりつ政権せいけんの発足ほっそくにあたって新あたらしい首相しゅしょうは、強硬きょうこう右派うは「ヤミナ」のナフタリ・ベネット党首とうしゅが最初さいしょの2年間ねんかん務つとめ、2023年ねんからの後半こうはんの2年間ねんかんは中道ちゅうどう派は「イェシュアティド」のヤイール・ラピド党首とうしゅが務つとめることになりました。

また、閣僚かくりょうポストについては、各かく政党せいとうが均等きんとうに分け合わけあう形かたちになるとみられます。

政権せいけんとしての政策せいさくは、最もっとも意見いけんが対立たいりつするとみられるパレスチナ問題もんだいで一貫いっかんした立場たちばは示しめされておらず、難むずかしい調整ちょうせいが行おこなわれるものとみられます。

米べい大統領だいとうりょう「強固きょうこな関係かんけい揺ゆるぎない」新しん首相しゅしょうと電話でんわ会談かいだん

アメリカのバイデン大統領だいとうりょうはベネット新しん首相しゅしょうと就任しゅうにん初日しょにちに電話でんわ会談かいだんを行おこないました。

ホワイトハウスの声明せいめいによりますと、この中なかでバイデン大統領だいとうりょうは新しん政権せいけん発足ほっそくを祝福しゅくふくしたうえで、「両国りょうこくの強固きょうこな関係かんけいとイスラエルの安全あんぜん保障ほしょうへの揺ゆるぎない支持しじを強調きょうちょうした」ということです。

そのうえで、両りょう首脳しゅのうはイランの核かく問題もんだいを含ふくむ地域ちいきの安全あんぜん保障ほしょうについて十分じゅうぶんな協議きょうぎを行おこなっていくことで一致いっちするとともに「イスラエル人じんとパレスチナ人じんの平和へいわと安全あんぜん保障ほしょう、繁栄はんえいを促進そくしんするためにバイデン政権せいけんはイスラエル政府せいふと連携れんけいしていく」として12年ねんにわたったネタニヤフ政権せいけんが交代こうたいしても両国りょうこくの緊密きんみつな関係かんけいに影響えいきょうはないとの立場たちばを強調きょうちょうしました。

連立れんりつ政権せいけん「史上しじょう最もっとも複雑ふくざつな“万華鏡まんげきょう政権せいけん”」との指摘してきも

新あらたな連立れんりつ政権せいけんで首相しゅしょうとなるベネット氏しの外交がいこうアドバイザーを務つとめたこともある、イスラエルの保守ほしゅ系けいメディア「エルサレム・ポスト」の編集へんしゅう長ちょうヤーコブ・カッツ氏しは、イスラエルの政治せいじ史上しじょう最もっとも複雑ふくざつな政府せいふになると指摘してきしています。

カッツ氏しは8つの政党せいとうがネタニヤフ首相しゅしょうの退陣たいじんという一ひとつの目的もくてきのために合意ごういすることができたとしたうえで、「右派うは、左派さは、中道ちゅうどう、アラブ系けいとさまざまな政党せいとうが入はいっているため『万華鏡まんげきょう政権せいけん』と呼よべるだろう。イスラエルの政治せいじ史上しじょう、最もっとも複雑ふくざつで入り組いりくんだ政府せいふだ」と分析ぶんせきしました。

とりわけ意見いけんの隔へだたりが大おおきいパレスチナ問題もんだいについては「当面とうめんは連立れんりつ政権せいけん内ないでこの問題もんだいを避さけようとするだろうが、いずれ問題もんだいとなる。バイデン政権せいけんや、EU＝ヨーロッパ連合れんごう、それにパレスチナ側がわなどから圧力あつりょくをかけられるのを待まつのではなく、自分じぶんたちから動うごいていくべきだ」と述のべました。

そのうえで、パレスチナ国家こっかの樹立じゅりつに反対はんたいする立場たちばをとるベネット新しん首相しゅしょうについては「立場たちばが180度ど、転換てんかんすることはないだろうが、より穏健おんけんになることはあるだろう」と述のべ、和平わへいに向むけて連立れんりつ政権せいけんの中なかで協力きょうりょくできることはあると強調きょうちょうしました。

一方いっぽう、後うしろ盾たてとなっているアメリカとの関係かんけいについては「ベネット新しん首相しゅしょうとしては、自分じぶんもネタニヤフ氏しと同おなじように、外交がいこうができると見みせつけたいはずだ」と指摘してきし、バイデン政権せいけんとの良好りょうこうな関係かんけい作づくりに努つとめるだろうと分析ぶんせきしました。

またアメリカが今回こんかいの政権せいけん交代こうたいをどう見みているかについては「バイデン大統領だいとうりょうとしては、ネタニヤフ氏しに、『ベネット新しん首相しゅしょうとはうまくやれる。おまえが問題もんだいだったんだ』と見みせつけたいはずだ」と述のべ、トランプ前ぜん政権せいけんとの間まで蜜月みつげつの関係かんけいを築きずきながら、バイデン政権せいけんとの間までは距離きょりがあると指摘してきされてきたネタニヤフ政権せいけんの交代こうたいについて好感こうかんを持もって受け止うけとめられていると分析ぶんせきしました。

一方いっぽう、敵対てきたい関係かんけいにある対たいイランの政策せいさくについては、連立れんりつ政権せいけん内ないで大おおきな立場たちばの違ちがいはないとし、強硬きょうこう姿勢しせいが大おおきく変化へんかすることはないと分析ぶんせきしました。

また、連立れんりつ政権せいけんが今後こんご安定あんていするかについては「ネタニヤフ氏しが野党やとうのリーダーとして、再ふたたび首相しゅしょうに返り咲かえりざこうとするならば、その存在そんざいが連立れんりつの接着せっちゃく剤ざいとなるだろう。逆ぎゃくにネタニヤフ氏しが政界せいかいを去されば、連立れんりつを組くむインセンティブは少すくなくなる」として、連立れんりつ政権せいけんを組くむ求心力きゅうしんりょくとなったネタニヤフ氏しの動向どうこうが鍵かぎになると指摘してきしました。

最長さいちょうのネタニヤフ政権せいけん最後さいごは自身じしんの汚職おしょく疑惑ぎわくで退陣たいじん

ネタニヤフ首相しゅしょうは、イスラエルの政治せいじ史上しじょう、最もっとも長ながい延のべ15年ねんにわたって長期ちょうき政権せいけんを率ひきいました。

パレスチナ問題もんだいで強硬きょうこうな立場たちばをとり、イスラエル寄よりの政策せいさくをとったアメリカのトランプ前ぜん大統領だいとうりょうとの間までは蜜月みつげつの関係かんけいを築きずいて国内こくないの右派うはから支持しじを集あつめましたが、最後さいごは自身じしんの汚職おしょく疑惑ぎわくが批判ひはんを集あつめる中なか、退陣たいじんを余儀よぎなくされました。

ネタニヤフ首相しゅしょうはアメリカの名門めいもんマサチューセッツ工科大学まさちゅ-せっつこうかだいがくで経営けいえい学がくなどを学まなび、外交がいこう官かんとして国連こくれん大使たいしなどを務つとめたあと1988年ねんの総そう選挙せんきょで初はつ当選とうせんし、右派うはのリーダーとして頭角とうかくを現あらわすようになりました。

1993年ねんにアメリカなどの仲介ちゅうかいの下した、パレスチナの暫定ざんてい自治じちを認みとめるいわゆる「オスロ合意ごうい」が結むすばれると、国内こくないでは右派うは勢力せいりょくを中心ちゅうしんに和平わへいに対にたいする批判ひはんが強つよまり、ネタニヤフ首相しゅしょうはこうした批判ひはんを取り込とりこむ形かたちで1996年ねんの総そう選挙せんきょで勝利しょうりし、首相しゅしょうの座ざに就つきました。

46歳さいでの就任しゅうにんは、イスラエル史上しじょう最年少さいねんしょうでした。

1999年ねんの総そう選挙せんきょで和平わへい推進すいしん派はに破やぶれ、一度いちど、政権せいけんを失うしないますが、2009年ねんの総そう選挙せんきょで再ふたたび返り咲かえりざきました。

当時とうじのアメリカのオバマ政権せいけんがパレスチナとの間まで和平わへい交渉こうしょうを進すすめようとしたのに対にたいし妥協だきょうはせず、和平わへい交渉こうしょうは2014年ねんを最後さいごに行おこなわれなくなりました。

その一方いっぽうで、オバマ政権せいけんがイスラエルにとっての最大さいだいの敵対てきたい国こくであるイランとの間まで核かく合意ごういを進すすめたことには激はげしく反発はんぱつ。

アメリカ議会ぎかいで演説えんぜつし、オバマ政権せいけんの姿勢しせいを強つよくけん制けんせいするなど、最大さいだいの後うしろ盾たてであるアメリカとの関係かんけいは冷え込ひえこみました。

しかし、2017年ねんにトランプ大統領だいとうりょうが就任しゅうにんするとその関係かんけいは一転いってん。

エルサレムをイスラエルの首都しゅとと宣言せんげんし大使館たいしかんを移設いせつするなど、イスラエル寄よりの政策せいさくを推進すいしんしたトランプ政権せいけんとの間まで蜜月みつげつの関係かんけいを築きずきました。

2020年ねんにはトランプ政権せいけんの仲介ちゅうかいで、UAE＝アラブ首長しゅちょう国こく連邦れんぽうやバーレーンなど対立たいりつ関係かんけいにあったアラブ諸国しょこくと国交こっこう正常せいじょう化かで合意ごういし、外交がいこう上じょうの成果せいかを得えました。

流りゅうちょうな英語えいごとパフォーマンスを駆使くしし、国連こくれん総会そうかいなどで敵対てきたいするイランを激はげしく非難ひなんする姿すがたが注目ちゅうもくを集あつめたほか、選挙せんきょでは強つよさを発揮はっきし、支持しじ者しゃの間までは「ビビ」というニックネームと合あわせて「キング・ビビ」や「マジシャン」と呼よばれてきました。

その一方いっぽうで地元じもとの通信つうしん業者ぎょうしゃに便宜べんぎを図はかったとして、収賄しゅうわいや背任はいにんの罪つみで起訴きそされるなど汚職おしょく疑惑ぎわくが取り沙汰とりざたされ、長期ちょうき政権せいけんに対にたいする批判ひはんも高たかまっていました。

2年間ねんかんで4度目どめとなった2021年ねん3月つきの総そう選挙せんきょでは、右派うは政党せいとうリクードを率ひきいて第だい1党とうを獲得かくとくしましたが連立れんりつ交渉こうしょうでは支持しじを集あつめられず、逆ぎゃくに「反はんネタニヤフ」の連立れんりつ政権せいけん発足ほっそくを許ゆるす形かたちとなりついに退陣たいじんを余儀よぎなくされました。