昔、栃木県の小百川のそばに一本杉という村がありました。
從前,在栃木縣的小保川河畔,有一個叫做一本杉的村莊。
そこに五郎という石屋が住んでいました。
五郎は二十歳をすぎても少しぼんやりしていて、田んぼや畑の仕事はしませんでした。
即使過了二十歲,五郎還是有點迷迷糊糊的,沒有從事田地或稻田的工作。
結婚もしていませんでしたが、石の仕事はとてもまじめにしていました。
五郎は村の人から注文があると、遠い村までかまどを作って届けに行きました。
只要村裡有人下訂單,五郎總是會製作爐灶,並親自送到遠方的村莊。
ある日、五郎は大きな石の箱を作り始めました。
村の人は不思議に思いましたが、五郎は毎日少しずつお金でお米を買い、その石の箱に入れていきました。
村民們感到很奇怪,但五郎每天用一點錢買米,然後把米放進那個石箱裡。
十年がたち、大きなききんが村をおそいました。
みんな食べ物がなくなり、とてもこまりました。
そのとき、五郎は村の人を自分の小屋に呼びました。
石の箱のふたを開けると、中にはたくさんのお米が入っていました。
そのお米で村の人たちはなんとか生きのびることができました。
しかし、村に帰ってきた人がいて、お米が足りなくなりそうでした。
五郎は自分の分をあきらめて、村からいなくなりました。
その後、五郎の石の箱は「五郎びつ」と呼ばれ、大切にされました。
村では、石切りのあとに石を投げると雨がふると言われるようになりました。