일본어 뉴스: 鉄道会社決算 9割近くが運輸事業で赤字コロナで利用客減

鉄道てつどう会社かいしゃ決算けっさん 9割わり近ちかくが運輸うんゆ事業じぎょうで赤字あかじコロナで利用りよう客きゃく減げん

May 29, 2022 17:05

Furigana

東京とうきょう証券しょうけん取引とりひき所しょに上場じょうじょうする全国ぜんこく25の鉄道てつどう会社かいしゃの昨年度さくねんどの決算けっさんは、鉄道てつどうを中心ちゅうしんとする「運輸うんゆ事業じぎょう」が9割わり近ちかくにあたる22社しゃで赤字あかじだったことがNHKのまとめで分わかりました。長引ながびく新型しんがたコロナの影響えいきょうによる利用りよう客数きゃくすうの落ち込おちこみで、厳きびしい事業じぎょう環境かんきょうが続つづいています。

NHKは、東京とうきょう証券しょうけん取引とりひき所しょに上場じょうじょうするJR4社しゃと私鉄してつ21社しゃの合あわせて25社しゃの昨年度さくねんど1年間ねんかんの決算けっさんが今月こんげつまでに出でそろったことを受うけて、内容ないようをまとめました。

それによりますと、鉄道てつどうを中心ちゅうしんとする「運輸うんゆ事業じぎょう」は、全体ぜんたいの9割わり近ちかくにあたる22社しゃが赤字あかじでした。

赤字あかじ額がくは、▽JR東日本ひがしにっぽんが2853億おく円えん、▽JR西日本にしにほんが1443億おく円えん、▽JR九州きゅうしゅうが222億おく円えんなどとなっています。

運輸うんゆ事業じぎょうの赤字あかじは、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだい前まえにあたる2019年度ねんどは1社しゃでした。

しかし、感染かんせん症しょうの影響えいきょうが長期ちょうき化かし、利用りよう客数きゃくすうが落ち込おちこんでいることで、厳きびしい事業じぎょう環境かんきょうが続つづいています。

運賃うんちん収入しゅうにゅうの内訳うちわけを把握はあくできた23社しゃを見みますと、「通勤つうきん・通学つうがく定期ていき」の収入しゅうにゅうの合計ごうけいは、2019年度ねんどと比くらべて22％の減少げんしょうでした。

これに対にたいし「定期ていき以外いがい」の収入しゅうにゅうの合計ごうけいは、2019年度ねんどより44％減少げんしょうし、旅行りょこうや出張しゅっちょうの取とりやめに加くわえ、外国がいこく人じん旅行りょこう者しゃの大幅おおはばな減少げんしょうが一層いっそう響ひびく形かたちとなりました。

一方いっぽう、25社しゃの昨年度さくねんどの最終さいしゅう損益そんえきは、19社しゃが黒字くろじを確保かくほしていて、運輸うんゆ事業じぎょうの業績ぎょうせき悪化あっかを不動産ふどうさんなどの別べつの事業じぎょうの収益しゅうえきで補おぎなっていることがうかがえます。

鉄道てつどう各社かくしゃ収益しゅうえき確保かくほに向むけ取り組とりくみ急いそぐ

運輸うんゆ事業じぎょうの業績ぎょうせきが悪化あっかする中なか、鉄道てつどう各社かくしゃは収益しゅうえきの確保かくほに向むけた取り組とりくみを急いそいでいます。

JR東日本ひがしにっぽんは、昨年度さくねんど、新宿しんじゅく駅えき近ちかくに所有しょゆうしている地上ちじょう18階かい建だてのオフィスビルを投資とうしファンドに売却ばいきゃくしました。

来年度らいねんどにかけて1000億おく円えん規模きぼの不動産ふどうさんを売り出うりだし、調達ちょうたつした資金しきんを再さい開発かいはつプロジェクトなどの成長せいちょう分野ぶんやに投資とうしする計画けいかくで「回転かいてん型がたビジネスモデル」と名付なづけています。

また、大手おおて私鉄してつの小田急おだきゅう電鉄でんてつは“シモキタ”の愛称あいしょうで知しられる東京とうきょう・世田谷せたがや区くの下北沢しもきたざわでの開発かいはつ事業じぎょうを5月つき完了かんりょうさせました。

線路せんろを地下ちかに移うつした跡地あとちには、個人こじん商店しょうてんを集あつめた商業しょうぎょう施設しせつやミニシアターなどが建ち並たちならんでいて、幅広はばひろい年齢ねんれい層そうの人ひとたちに電車でんしゃで訪おとずれてもらい、収益しゅうえきを上あげる戦略せんりゃくです。

買い物かいものに来きたという18歳さいの女子じょし大学生だいがくせいは「お店みせがたくさんできて、歩あるいているだけでも楽たのしいです」と話はなしていました。

このほかの私鉄してつでは、首都しゅと圏けんの東急とうきゅうや京王けいおう電鉄でんてつ、関西かんさいの近鉄きんてつグループホールディングスや阪急はんきゅう阪神はんしんホールディングスなどが沿線えんせんでのマンション販売はんばいに力ちからを入いれています。

新幹線しんかんせんに「ビジネスブース」電車でんしゃの空あきスペースに「野菜やさい」

収益しゅうえき確保かくほに向むけたあの手この手あのてこのての取り組とりくみはほかにもあります。

JR東海とうかいとJR西日本にしにほんは、新幹線しんかんせんの一部いちぶの車両しゃりょうで喫煙きつえん室しつを改装かいそうし「ビジネスブース」を試験しけん的てきに設もうけました。

オンライン会議かいぎも可能かのうで、利用りよう客きゃくの新あらたなニーズに対応たいおうしています。

また、京浜けいひん急行きゅうこう電鉄でんてつは、ふだん運行うんこうしている電車でんしゃ内ないの空あいたスペースに野菜やさいなどの貨物かもつを載のせて運はこんでいます。

まだ実験じっけん段階だんかいですが、首都しゅと圏けんの在来ざいらい線せんでは珍めずらしい「貨客きゃく混載の」の事業じぎょう化かを目指めざしています。

運賃うんちん値上ねあげする動うごき相次あいつぐ

一方いっぽう、利用りよう客数きゃくすうの落ち込おちこみによる収入しゅうにゅうの減少げんしょうを、運賃うんちんの値上ねあげでカバーする動うごきも相次あいついでいます。

JR西日本にしにほんは、来年らいねん4月つきから、京阪神けいはんしんエリアの一部いちぶ区間くかんの運賃うんちんを10円えんから40円えん値上ねあげします。

値上ねあげは、消費しょうひ税率ぜいりつの引き上ひきあげに伴ともなうものを除のぞけば、民営みんえい化か後ご初はじめてだということです。

また、JR四国しこくは来年らいねん春はるにも、四国しこく管内かんないすべての路線ろせんで運賃うんちんを値上ねあげする方針ほうしんです。

大手おおて私鉄してつでは、東急とうきゅう電鉄でんてつが来年らいねん3月つきから普通ふつう運賃うんちんを平均へいきん13％程度ていど値上ねあげします。

近畿きんき日本にっぽん鉄道てつどうも、来年らいねん4月つきから普通ふつう運賃うんちんの初乗はつのりを今いまの160円えんから180円えんにするなどの値上ねあげを行おこなう考かんがえです。

さらに▽京王けいおう電鉄でんてつが早はやければ来年度らいねんどの後半こうはんに、▽京浜けいひん急行きゅうこう電鉄でんてつが来年らいねん度ど中ちゅうに、それぞれ運賃うんちんを値上ねあげする方向ほうこうで検討けんとうしています。

防災ぼうさい対策たいさくやホームドア設置せっちのための資金しきん確保かくほの狙ねらいも

運賃うんちんの値上ねあげの理由りゆうは、収入しゅうにゅうの減少げんしょうだけではありません。

鉄道てつどう各社かくしゃは、▽安全あんぜん面めんへの継続けいぞく的てきな投資とうしに加くわえて、▽災害さいがいが相次あいつぐ中なかでの防災ぼうさい対策たいさく、それに▽利用りよう客きゃくの転落てんらく防止ぼうしのために駅えきのホームに設置せっちするドアなどのバリアフリー対策たいさくも進すすめていて必要ひつような資金しきんを確保かくほしたい狙ねらいもあるとみられます。

専門せんもん家か「鉄道てつどうの強つよみほかに波及はきゅうさせていくこと大事だいじ」

鉄道てつどう各社かくしゃの経営けいえい動向どうこうに詳くわしい野村のむら証券しょうけんの広ひろ兼けん賢治けんじアナリストは、コロナ禍かで人々ひとびとの行動こうどうが変化へんかしたことで、鉄道てつどうの利用りよう客数きゃくすうが感染かんせん拡大かくだい前まえの水準すいじゅんに戻もどるのは難むずかしいと予想よそうしています。

その上うえで、収益しゅうえき力りょくの回復かいふくに向むけては「鉄道てつどうの強つよみをほかに波及はきゅうさせていくことが一番いちばん大事だいじだ。利用りよう客きゃくが『ここに行いきたい』という街まちを提供ていきょうしたり、作つくっていったりすることができれば、鉄道てつどうをより使つかってもらえるようになる。こういう魅力みりょくがあるからぜひ電車でんしゃを利用りようしてくださいという発信はっしんやコンテンツ作づくりをする必要ひつようがある」と指摘してきしました。