日本新聞: 戦時中に焼き物で作られた“幻の貨幣” 京都の会社で見つかる

戦時せんじ中ちゅうに焼き物やきもので作つくられた“幻まぼろしの貨幣かへい” 京都きょうとの会社かいしゃで見みつかる

Oct 16, 2024 13:10

Furigana

金属きんぞくが不足ふそくしていた戦時せんじ中ちゅうに焼き物やきもので作つくられ、終戦しゅうせんで実際じっさいには使つかわれなかった“幻まぼろしの貨幣かへい”が、京都きょうと市しの会社かいしゃで大量たいりょうに見みつかり、引き渡ひきわたしを受うけた造幣ぞうへい局きょくは16日にち、感謝かんしゃ状じょうを贈おくりました。

見みつかったのは、焼き物やきものでつくられ、富士山ふじさんや桜さくらの花はなびらがあしらわれた「1銭せん陶すえ貨」およそ50万まん枚まいで、太平洋たいへいよう戦争せんそう末期まっきに製造せいぞうしていた工場こうじょうの跡地あとちを持もつ京都きょうと市しの会社かいしゃで見みつかりました。

造幣ぞうへい局きょくによりますと、戦争せんそうで金属きんぞくが不足ふそくしていた当時とうじ、硬貨こうかに代かわるものとして1銭せん、5銭せん、10銭せんの合あわせておよそ1500万まん枚まいが製造せいぞうされましたが、終戦しゅうせんで実際じっさいには使つかわれないまま廃棄はいきされたため、“幻まぼろしの貨幣かへい”と呼よばれています。

陶とう貨が大量たいりょうに発見はっけんされることは極きわめて珍めずらしいということで、引き渡ひきわたしを受うけた造幣ぞうへい局きょくの後藤ごとう健二けんじ理事りじ長ちょうから京都きょうと市しの会社かいしゃの高見たかみ哲夫てつお社長しゃちょうに、16日にち、感謝かんしゃ状じょうが手渡てわたされました。

後藤ごとう理事りじ長ちょうは「貨幣かへいそのものだけでなく、経済けいざい・財政ざいせいが混乱こんらんしていた戦時せんじ中ちゅうのいろいろなことが分わかってくると期待きたいしています」と述のべました。

京都きょうと市しの会社かいしゃは創立そうりつ100周年しゅうねんをきっかけに敷地しきち内ないを調しらべていたところ、去年きょねん8月つきに倉庫そうこで木き箱ばこに入はいった状態じょうたいで発見はっけんしたということで、高見たかみ社長しゃちょうは「貨幣かへいにおいても金属きんぞくがなかなか使つかえない状況じょうきょうだった。戦時せんじ中ちゅうの苦労くろうを知しるひとつの資料しりょうとして活用かつようしてもらいたい」と話はなしていました。

戦時せんじ中ちゅうに焼き物やきもので作つくられた“幻まぼろしの貨幣かへい” 京都きょうとの会社かいしゃで見みつかる

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