31日にかけても、西日本と東日本では大雨に加えて非常に強い風が吹く見込みで、気象庁は土砂災害や低い土地の浸水、川の氾濫などに厳重に警戒するよう呼びかけています。
【台風の位置と強さ】午前9時推定
台風10号は午前9時には大分県国東市付近を1時間に10キロの速さで北東へ進んでいるとみられます。
中心の気圧は994ヘクトパスカル、最大風速は20メートル、最大瞬間風速は30メートルで中心から半径390キロ以内では風速15メートル以上の強い風が吹いています。
西日本と東日本の広い範囲で活発な雨雲
台風の北上にともなって西日本と東日本の広い範囲で活発な雨雲がかかり続け、30日午前8時までの1時間には
▽神奈川県が平塚市に設置した雨量計で54ミリの非常に激しい雨を観測したほか、
▽東京・世田谷区で31.5ミリの激しい雨が降りました。
また、国土交通省の雨量計では
▽三重県松阪市で48ミリ、
▽高知県大豊町で35ミリの激しい雨を観測しました。
台風の動きが遅いため九州などでは雨が降り続いていて、宮崎県えびの高原では午前8時までの72時間の雨量が884ミリと、平年の8月1か月分の1.5倍に達しています。
また、静岡市では午前5時40分までの72時間の雨量が515.5ミリと、平年の8月1か月分の2.7倍に達したほか、神奈川県小田原市では午前7時半までの24時間の雨量が313ミリと平年の8月1か月分の1.8倍に達し、いずれも1976年の統計開始以降最も多くなっています。
これまでの雨で埼玉県、東京都、神奈川県、静岡県、徳島県、愛媛県、福岡県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県では、土砂災害の危険性が非常に高くなり、「土砂災害警戒情報」が発表されている地域があります。
また、東京都内を流れる目黒川や、多摩川水系の野川と仙川に氾濫危険情報が発表されているほか、神奈川県では氾濫危険水位を超えている川があります。
台風の動きが遅いため九州などでは雨が降り続いていて、宮崎県えびの高原では午前6時までの72時間で878ミリと平年の8月1か月分の1.5倍に達しています。
また、大分県佐伯市では午前2時10分までの72時間に612ミリと、平年の8月1か月分の2.4倍に達したほか、静岡市では午前5時40分までの72時間で515.5ミリと平年の8月1か月分の2.7倍に達し、いずれも1976年の統計開始以降最も多くなりました。
これまでの雨で宮崎県と鹿児島県、熊本県、大分県、福岡県、愛媛県、徳島県、香川県、静岡県、神奈川県、埼玉県、それに東京都では土砂災害の危険性が非常に高くなり「土砂災害警戒情報」が発表されている地域があります。
台風の動き遅く 各地で記録的大雨のおそれ
気象庁によりますと、九州北部と山口県、それに東海では30日にかけて、四国では31日にかけて、近畿では30日夜から31日にかけて、線状降水帯が発生し、災害発生の危険度が急激に高まるおそれがあります。
台風から離れた東日本や西日本でも大雨となる見込みで、31日朝までの24時間に降る雨の量は、いずれも多いところで
▽四国で400ミリ、
▽東海で300ミリ、
▽近畿で200ミリ、
▽中国地方と九州北部で180ミリ、
▽関東甲信で150ミリ、
▽九州南部で120ミリと予想されています。
台風の動きが遅いためその後も大雨は続き、9月1日朝までの24時間には
▽東海で400ミリ、
▽近畿で300ミリ、
▽関東甲信と四国で200ミリ、
▽北陸と中国地方で150ミリと予想されています。
さらに来月2日、月曜日の朝までの24時間には
▽東海と北陸、近畿で200ミリ、
▽関東甲信で150ミリと予想され各地で記録的な大雨となるおそれがあります。
西・東日本では31日にかけ非常に強い風が吹くおそれ
台風の北上にともなって各地で風が強い状態が続いていて、西日本と東日本では31日にかけて非常に強い風が吹くおそれがあります。
30日の最大風速は
▼九州北部と四国で23メートル、
▼九州南部と近畿で20メートル、
最大瞬間風速は
▼九州北部と四国で35メートル、
▼九州南部と近畿で30メートルと予想されています。
海上ではうねり伴った大しけに
30日の波の高さは
▽四国で6メートルとうねりを伴って大しけとなるほか、
▽九州と近畿、東海で5メートルと予想され、その後も広い範囲でうねりを伴ったしけが続く見込みです。
気象庁は土砂災害や低い土地の浸水、川の氾濫、高潮に厳重に警戒するとともに、暴風や高波にも警戒するよう呼びかけています。
風や雨が急激に強まって災害の危険度が高まるほか、台風から離れた場所でも暖かく湿った空気の影響で大雨のおそれがあります。
周囲の状況が悪化しても避難場所までの移動が危険な場合があるため、近くの頑丈な建物や建物の高い階で崖や斜面と反対側の部屋に移動するなどして、安全を確保してください。