世界せかいで実戦じっせん配備はいびの核かく弾頭だんとう“去年きょねんより60発はつ増加ぞうか” 北欧ほくおうの研究けんきゅう機関きかん

スウェーデンの「ストックホルム国際こくさい平和へいわ研究所けんきゅうじょ」は、17日にちに公表こうひょうした年次ねんじ報告ほうこく書しょの中なかで、今年ことし1月つき時点じてんの世界せかいの核かく弾頭だんとうの推計すいけいの総数そうすうについて、去年きょねんより391発はつ減へり、1万まん2121発はつだったとしています。

国くに別べつに見みますと、保有ほゆう数すうが最もっとも多おおいのはロシアで5580発はつ。次ついでアメリカが5044発はつとこの2か国かこくだけで世界せかいのおよそ9割わりを占しめています。

3番目ばんめに多おおいのは中国ちゅうごくで、去年きょねんより90発はつ増ふえて500発はつとなり、今後こんごも増ふえ続つづけるという見通みとおしを示しめしています。

世界せかい全体ぜんたいの3割わり以上いじょうにあたる3904発はつが実戦じっせん配備はいび済ずみの状態じょうたいとなり、ロシアや中国ちゅうごくで、ミサイルなどへの核かく弾頭だんとうの搭載とうさいが進すすんでいるとみられ、去年きょねんと比くらべて60発はつ増ふえていると指摘してきしています。

また、中国ちゅうごくが核かく弾頭だんとうが搭載とうさい可能かのうなICBM＝大陸たいりく間かん弾道だんどうミサイルについて、10年ねん後ごまでに、ロシアやアメリカと同おなじ数かずを保有ほゆうする可能かのう性せいがあるとし「中国ちゅうごくはほかのどの国くによりも速はやく核かく戦力せんりょくを拡大かくだいしている」と指摘してきしています。

さらに、ウクライナやガザ情勢じょうせいが世界せかいの核軍縮かくぐんしゅくをめぐる外交がいこうを弱体じゃくたい化かさせたと分析ぶんせきしています。

ことし5月つきには、ロシアがウクライナとの国境こっきょう付近ふきんで戦術せんじゅつ核兵器かくへいきを扱あつかう部隊ぶたいによる軍事ぐんじ演習えんしゅうを実施じっししたことにも触ふれ「冷戦れいせん以降いこう、これほど核兵器かくへいきが国際こくさい関係かんけいにおいて重視じゅうしされているのをみたことがない。われわれは、人類じんるい史上しじょう最もっとも危険きけんな時期じきのひとつにいる。大国たいこくは自制じせいするべきだ」と警鐘けいしょうを鳴ならしています。

世界せかいの核かく弾頭だんとうの推計すいけい総数そうすう 国くに別べつでは

ストックホルム国際こくさい平和へいわ研究所けんきゅうじょの報告ほうこく書しょによりますと、世界せかいで核かく弾頭だんとうを保有ほゆうしているとされる国くには、ロシア、アメリカ、中国ちゅうごく、フランス、イギリス、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮きたちょうせんの9か国かこくです。

ロシア、アメリカ、中国ちゅうごくに次ついで核かく弾頭だんとうの数かずが4番目ばんめに多おおいのはフランスで290発はつ、5番目ばんめがイギリスで225発はつなどとなっています。

このほか、公式こうしきには核兵器かくへいきの保有ほゆうを認みとめていないイスラエルが90発はつの核かく弾頭だんとうを保有ほゆうしているほか、北朝鮮きたちょうせんは去年きょねんより20発はつ多おおい50発はつとしています。

また、報告ほうこく書しょでは、ウクライナやガザ情勢じょうせいが世界せかいの核軍縮かくぐんしゅくをめぐる外交がいこうを弱体じゃくたい化かさせたと分析ぶんせきし、去年きょねんロシアがアメリカとの「新しんSTART」の履行りこう停止ていしを一方いっぽう的てきに表明ひょうめいしたことや、イスラエルとイスラム組織そしきハマスの戦闘せんとうをめぐり、イランが支援しえんする勢力せいりょくがアメリカ軍ぐんが駐留ちゅうりゅうする基地きちなどを攻撃こうげきしたことがきっかけで、アメリカとロシア、それにイランとの間まで核軍縮かくぐんしゅくや、核かくの不ふ拡散かくさんの取り組とりくみができなくなっているなどと指摘してきしています。