日本新聞: 去年の賃金の動向を世代別に分析伸びなど世代間に差内閣府

去年きょねんの賃金ちんぎんの動向どうこうを世代せだい別べつに分析ぶんせき伸のびなど世代せだい間かんに差さ内閣ないかく府ふ

Jun 18, 2024 07:06 3

Furigana

去年きょねん、ことしと賃上ちんあげは、2年ねん連続れんぞくで高たかい水準すいじゅんとなりましたが、このうち去年きょねんの賃金ちんぎんの動向どうこうを内閣ないかく府ふが世代せだい別べつに分析ぶんせきした結果けっか、男女だんじょとも20代だいの伸のびが大おおきかった一方いっぽう30代だい後半こうはんや40代だいでは伸のびが小ちいさいなど、世代せだい間かんで差さが生しょうじていたことが分わかりました。

内閣ないかく府ふは、厚生こうせい労働ろうどう省しょうの「賃金ちんぎん構造こうぞう基本きほん統計とうけい調査ちょうさ」をもとに、正せい社員しゃいんの去年きょねんの賃金ちんぎんの動向どうこうを性別せいべつや年代ねんだい別べつに分析ぶんせきしました。

それによりますと、時間じかん外がいや休日きゅうじつ手当てあてを除のぞく「所定しょてい内ない給与きゅうよ」は

▼大卒だいそつの男性だんせいでは、前まえの年としからの伸のび率りつが

▽20代だい前半ぜんはんがプラス3.1％、▽20代だい後半こうはんがプラス3.4％だったのに対にたいし

▽30代だい後半こうはんが0％

▽40代だいが1％台だい

▽50代だい前半ぜんはんはマイナスでした。

また

▼大卒だいそつの女性じょせいでも

▽20代だい前半ぜんはんがプラス2.1％

▽20代だい後半こうはんがプラス1.9％だった一方いっぽう

▽30代だい後半こうはんがプラス0.3％

▽40代だいはマイナスでした。

人材じんざい獲得かくとく競争きょうそうの激はげしい若わかい世代せだいで高たかい水準すいじゅんとなった一方いっぽうで、中堅ちゅうけんやベテラン層そうでは伸のびが小ちいさくなるなど、世代せだいによって差さが生しょうじる結果けっかとなりました。

一方いっぽう、人手ひとで不足ふそくが進すすみ、シニア世代せだいの処遇しょぐうを改善かいぜんする動うごきも出でる中なかで

▽男性だんせいの60代だい前半ぜんはんはプラス6.8％

▽女性じょせいの60代だい前半ぜんはんはプラス11.2％となりました。

専門せんもん家か「節約せつやくする傾向けいこうが強つよまりやすい」

三井みつい住友すみとも信託しんたく銀行ぎんこう調査ちょうさ部ぶの大和やまと香織かおりチーフエコノミストは、世代せだい間かんで賃上ちんあげに差さが生しょうじた理由りゆうについて「人手ひとで不足ふそくで企業きぎょうが若年じゃくねん層そうを獲得かくとくするために優先ゆうせんして処遇しょぐうを上あげてきた。一方いっぽうで定年ていねん延長えんちょうで高齢こうれい層そうを雇やとう原資げんしを確保かくほするため、相対そうたい的てきに賃金ちんぎんの高たかい中高年ちゅうこうねん層そうの賃金ちんぎんが抑おさえられたことが背景はいけいにある」と話はなしています。

そのうえで、こうした状況じょうきょうが経済けいざいに及およぼす影響えいきょうについて「物価ぶっか高だかで年齢ねんれいにかかわらず消費しょうひマインドが悪化あっかしているが、中高年ちゅうこうねん層そうは可か処分しょぶん所得しょとくが伸のびづらい一方いっぽうで、教育きょういく費ひなど出ださなければならない支出ししゅつが多おおくの割合わりあいを占しめるので、それ以外いがいのところで節約せつやくする傾向けいこうが強つよまりやすい」と話はなしています。

一方いっぽうで、女性じょせいの40代だいなどで賃金ちんぎんの伸のびがマイナスとなったことについて「これまで育児いくじなどで退職たいしょくしてきた比較ひかく的てき、賃金ちんぎんの低ひくい人ひとたちも企業きぎょうが継続けいぞくして雇用こようするようになり、働はたらく人ひとの数かずの増ふえ方かたに比くらべて総額そうがくの伸のびが小ちいさかったという面めんもある。ただ、女性じょせいの生涯しょうがい所得しょとくで見みた場合ばあい、継続けいぞく雇用こようはプラス面めんもあり、マイナスとなったことが一概いちがいに問題もんだいとは言いえない可能かのう性せいがある」と話はなしています。