「レベル4」の
自動運転に
使われるのは、「ZEN drive Pilot Level4」と
呼ばれる
専用の
車両です。
大手バイクメーカーが生産する電動ゴルフカートをベースに、国の産業技術総合研究所や大手電機メーカーなどが共同で開発した車両で、定員は7人です。
完全に自動で運行する条件としてルートは福井県永平寺町にある鉄道の廃線跡に整備された歩行者と自転車の専用道路の一部、およそ2キロの区間に限定されています。
また、速度は最大で時速12キロとされ、事業者は1人で最大で3台の運行を管理することができます。
加速や減速、ハンドル操作などは車に搭載した専用のシステムがすべてを担います。
車両の
前方には
一般の
車にも
使われているセンサーやレーダーを
設置した
ほか、
車両の
前後左右に
複数の
カメラを
取り付け、
道路の
状況や
障害物を
確認します。
「レベル3」で運行していた時よりもカメラを増やし、車内や車両の真下にも設置することで自動運転のシステムが異常の有無を適切に判断できるようにしたということです。
また、「レベル4」では、車両を離れた場所から監視する施設との間で常時、通信回線をつないでおく必要があるため、携帯電話会社3社の回線を束ねて使用し、1社の回線が使えなくなっても代替できるようにしました。
産業技術総合研究所の
加藤晋首席研究員は、「『
レベル3』の
場合は、
何かあった
場合は
人間が
運転を
代わるので
緊張を
強いられたが、
技術レベルが
格段に
上がり、そういった
負担がなくなった。
今後、
全国の
各地へ
導入を
進められる
水準になったと
思う」と
話していました。
緊急事態への対応は
「
レベル4」では
運転が
完全に
自動化されますが、
事故などの
緊急事態に
備えて
事業者が
運行状況を
監視する
必要があります。
福井県永平寺町で始まった「レベル4」の自動運転では、町などが出資する第3セクターの「ZENコネクト」が運行を管理します。
自動運転を行う道路のそばにある建物に「遠隔監視室」を設け、車両から送られてきたカメラの映像を担当者が大型のモニターで確認しています。
これまでは「レベル3」で運行していましたが、その時は、何かと衝突するなど緊急事態が起きた場合は運転が切り替わり、担当者が遠隔操作する仕組みでした。
「レベル4」では緊急事態が起きると自動的に運転を停止する仕組みになっていて、その後は監視室にいる担当者が対応にあたります。
監視室ではアラームが
鳴って
異常を
知らせ、
担当者はカメラの
映像を通じて車内の
状況を
確認したり、
車両に
取り付けて
あるマイクや
スピーカーで
乗客への
聞き
取りを
行ったりするということです。
また、監視室には常に担当者を2人配置することにしていて、自動運転を再開できない場合は1人が現場へ向かい、状況を確認することにしています。
人口減少の地域で活用が期待 茨城県境町は
茨城県境町が導入する計画の「レベル4」の車両
特定の
条件のもと、
ドライバーが
不要な
完全自動運転と
なる「レベル4」。
人口減少が
進む地域では
公共交通機関としての
活用が
期待されています。
このうち、茨城県境町は「レベル4」に対応する新型の車両を公道を走る路線バスに導入する計画で、先週、遠隔監視システムなどを提供する企業と覚え書きを交わすとともに、試乗会が行われました。
この車両は、8
人乗りの
小型の
バスで、
ハンドルと
アクセルがなく、
最高速度は
時速20
キロ、100
メートル先を
検知できる7つのセンサーと、8つの
カメラで
周囲の
状況を
確認し、
自動運転を
行います。
試乗した60代の女性は、「広々とした車内で、曲がったり止まったりする時もスムーズで安心して乗れました」と話していました。
2年半ほど前から「レベル2」で路線バス運行
「レベル2」の路線バス
境町では、
公共交通が
脆弱で
高齢者が
免許を
返納しにくい
状況があり、2
年半ほど
前から
部分的な
自動運転「レベル2」で
走行する
路線バスの
運行サービスを
行ってきました。
レベル2では、運転手が乗車して監視しながら走行し、障害物などで設定したルートから外れる場合は操作が必要です。
まずは、病院やスーパー、町役場など町の中心部を走る往復5キロの区間で運行を始めましたが、この間、バス停を17か所まで増やし往復8キロから9キロ余りの2つのルートで運行されるまでになりました。
住民の理解がカギ
公道を
走る公共交通として
安全な
運行のカギとなったのは
住民の
理解だといいます。
自動運転バスは、20キロの低速で、障害物を検知すると停車するなど渋滞の懸念もありましたが、町ではバス停や待避スペースで追い抜きができるよう沿線の店などに敷地を借りたほか、バスの動線に路上駐車をしないよう啓発して理解を求めてきました。
週2回利用する83歳の男性は「最初は大丈夫かなと思いましたが、いまはもう心配はないです。免許返納した方が病院とかカフェとか自動運転バスで出かけますし、私も老人会で利用します。少しゆっくりですが、やはり安全が大事です」と話していました。
この2年半ほどで、自動運転中の事故はないということで、のべ1万7千人あまりが利用しています。
今後は新車両を秋ごろから「レベル2」の運転で公道を走らせ、将来的に「レベル4」に移行していきたいとしています。
境町の
橋本正裕町長は「
町には
駅がなく、
高齢化で
免許返納したくても、
返納できない
町だった。
自動運転車による
事故よりも
住み
続けられるかという
不安の
方が
大きかった。『
レベル4』の
運行を
この町でやることで、
横展開で
全国に
広がって
いくことを
非常に
期待している」と
話していました。
”地方が元気になるというインパクトは大きい”
自動運転に
詳しい自動車ジャーナリストの
清水和夫さんは「
レベル4」での
運行が
始まったことについて、「
移動手段がないことで
過疎化している
地方も
あるが、
移動手段があれば
若い世代が
地方で
暮らして
オンラインで
仕事をすることも
できる。そういう
意味で
地方が
元気に
なるというインパクトは
大きい」と
話しています。
その上で、今後の普及に向けた課題として、「違法駐車とか歩行者がスマホを見ながら車道に入ってくるとか、無謀な自転車が走っているところでは自動運転では走れない。大事なことは自動運転車が社会に出たときに世の中の人たちがどう受け入れていくかで、その社会的受容性について、もっと市民や実証実験している町と一緒に議論していく必要がある」と指摘しています。
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