日本新聞: ウクライナ情報機関トップ “大規模反転攻勢まもなく始まる”

ウクライナ情報じょうほう機関きかんトップ “大だい規模きぼ反転はんてん攻勢こうせいまもなく始はじまる”

May 23, 2023 06:05

Furigana

ウクライナ国防省こくぼうしょうの情報じょうほう部門ぶもんのトップがNHKの単独たんどくインタビューに応おうじ大だい規模きぼな反転はんてん攻勢こうせいについて、最小さいしょう限げんの兵器へいきなどで近ちかく始はじめることができるという認識にんしきを示しめしました。ただ、反転はんてん攻勢こうせいでは激はげしい戦闘せんとうが長期ちょうきにわたる可能かのう性せいを示唆しさし「作戦さくせんの継続けいぞくにはかなりの備蓄びちくが必要ひつようだ」としてゼレンスキー大統領だいとうりょうが参加さんかしたG7広島ひろしまサミットをきっかけに欧米おうべい側がわによる兵器へいきの供与きょうよがどこまで進すすむのか注視ちゅうしする考かんがえを示しめしました。

ウクライナ国防省こくぼうしょう情報じょうほう総局そうきょくのブダノフ局長きょくちょうが今月こんげつ19日にち、日本にっぽんのメディアとしては初はじめてNHKの単独たんどくインタビューに応おうじました。

このなかでブダノフ局長きょくちょうは、準備じゅんびを進すすめているロシア側がわに対にたいする大だい規模きぼな反転はんてん攻勢こうせいについて「多おおくの市民しみんがいまもロシアの占領せんりょう下かにあり、もう時間じかんを無駄むだにすることはできない。最小さいしょう限げんの兵器へいきなどはすでにそろっている。まもなく始はじまるということだけは言いえる」と述のべ、反転はんてん攻勢こうせいを近ちかく始はじめることができるという認識にんしきを示しめしました。

ただ、ブダノフ局長きょくちょうは「私わたしたちの領土りょうどからロシアを追い出おいださなければならない。この目標もくひょうのためにあらゆる力ちからと手段しゅだんを使つかうのだ。作戦さくせんをうまく継続けいぞくしていくためには兵器へいきも弾薬だんやくもかなりの備蓄びちくが必要ひつようだ」と述のべ反転はんてん攻勢こうせいではロシア側がわの防御ぼうぎょなどを受うけて激はげしい戦闘せんとうが長期ちょうきにわたる可能かのう性せいを示唆しさしました。

そのうえで、ゼレンスキー大統領だいとうりょうがG7広島ひろしまサミットに対面たいめんで参加さんかしたことに関連かんれんして「もっと兵器へいきが必要ひつようだ。戦闘せんとう機きがいる。国際こくさい社会しゃかいがウクライナを本当ほんとうに支援しえんする準備じゅんびができていることを望のぞむ」と述のべ、反転はんてん攻勢こうせいをどう進すすめていくかを検討けんとうする上うえでもサミットをきっかけに欧米おうべい側がわによる兵器へいきの供与きょうよがどこまで進すすむのか注視ちゅうしする考かんがえを示しめしました。

ロシアや中国ちゅうごくの動向どうこうについても言及げんきゅう

このうちウクライナに対にたいするロシア側がわの攻撃こうげきについて「編成へんせい中ちゅうの部隊ぶたいや、兵站へいたんなどを攻撃こうげきすることで、われわれの反転はんてん攻勢こうせいに向むけた準備じゅんびを妨さまたげようとしている」と分析ぶんせきしましたが「いまや軍事ぐんじ目標もくひょうに対にたいする攻撃こうげきの90％が阻止そしされている」と述のべ防空ぼうくうシステムなどで迎撃げいげきできていると強調きょうちょうしました。

また「ロシア軍ぐんでは、たとえば潜水せんすい艦かんなどの技師ぎしとして働はたらいていた人ひとが機関きかん銃じゅうを渡わたされて『襲撃しゅうげきしてこい』と言いわれるというのが現実げんじつだ。非常ひじょうに多おおくのロシア軍ぐん兵士へいしが複合ふくごう的てきな要素ようそから士気しきを欠かいている。ウクライナで何なにをしているのか。誰だれも理解りかいしていない」と述のべました。

ロシアの民間みんかん軍事ぐんじ会社かいしゃワグネルの代表だいひょうプリゴジン氏しとロシア国防こくぼう省しょうなどとの確執かくしつが表面ひょうめん化かしていると指摘してきされることについてブダノフ局長きょくちょうは「ワグネルは、権力けんりょくと影響えいきょう力りょくが失うしなわれつつあることを恐おそれた。プリゴジン氏しにとっては自身じしんの権力けんりょくや命いのち、会社かいしゃの生き残いきのこりをかけた戦たたかいだ」と述のべロシア側がわの政治せいじ的てきな混乱こんらんは続つづくという見通みとおしを示しめしました。

一方いっぽう、ロシアと経済けいざいだけでなく軍事ぐんじ的てきな連携れんけいも深ふかめる中国ちゅうごくについて、ブダノフ局長きょくちょうは「中国ちゅうごくはロシアに兵器へいきなどを供給きょうきゅうしていない」と述のべ、軍事ぐんじ支援しえんについては否定ひていしました。ただ「多おおくの電子でんし機器ききは供給きょうきゅうしている」と述のべ中国ちゅうごくからロシアに輸出ゆしゅつされた電子でんし部品ぶひんなどがミサイルの開発かいはつに使つかわれているという見方みかたを示しめしました。