日本新聞: 日本海中部地震40年専門家“大津波伴うような地震おそれも”

北きた日本にっぽんの日本海にほんかい側がわに大だい津波つなみが押し寄おしよせ、104人にんが犠牲ぎせいになった日本海にほんかい中部ちゅうぶ地震じしんから26日にちで40年ねんです。専門せんもん家かは、今いまもこの地震じしんが発生はっせいした断層だんそうに沿そって地震じしん活動かつどうが続つづいていると分析ぶんせきしたうえで、その周辺しゅうへんでは大だい津波つなみを伴ともなうような地震じしんのおそれもあるとして備そなえを呼よびかけています。

日本海にほんかい中部ちゅうぶ地震じしんは、40年ねん前まえの1983年ねん5月つき26日にちに発生はっせいしたマグニチュード7.7の大だい地震じしんで、秋田あきた県けんや青森あおもり県けんの沿岸えんがんに5メートルを超こえる津波つなみが押し寄おしよせるなどして104人にんが犠牲ぎせいになりました。

発生はっせい当時とうじから地震じしん活動かつどうを分析ぶんせきしてきた弘前ひろさき大学だいがくの小菅こすが正裕まさひろ名誉めいよ教授きょうじゅによりますと、この地震じしんでは青森あおもり県けん西方にしほう沖おきから秋田あきた県けん沖おきで海底かいていの断層だんそうがずれ動うごいたとされていますが、この40年間ねんかん、この断層だんそうに沿そうように地震じしんが発生はっせいしていて、今いまも活動かつどうが続つづいているということです。

小菅こすが名誉めいよ教授きょうじゅは、活動かつどうが続つづく日本海にほんかい中部ちゅうぶ地震じしんの断層だんそうではすでにひずみが解放かいほうされ、直ただちに大だい地震じしんが発生はっせいする可能かのう性せいは低ひくい一方いっぽう、その南側みなみがわにあたる秋田あきた県けん沖おきから新潟にいがたの佐渡さど島とう北方ほっぽう沖おきでは津波つなみを伴ともなうような地震じしんのおそれもあると指摘してきしています。

長ながい期間きかん、大おおきな地震じしんが確認かくにんされていないため、ひずみがたまっている可能かのう性せいがあるためだということです。

また、日本海にほんかい中部ちゅうぶ地震じしんでは地震じしんの発生はっせいから10分ふん以内いないで津波つなみの第だい一波いっぱが到達とうたつするなど、北海道ほっかいどうから新潟にいがた県けんの沖合おきあいの「日本海にほんかい東ひがし縁えん部ぶ」の地震じしんは津波つなみが比較的ひかくてき早はやく押し寄おしよせるのが特徴とくちょうだとしています。

小菅こすが名誉めいよ教授きょうじゅは「日本海にほんかい中部ちゅうぶ地震じしんから40年ねんがたって地震じしんの発生はっせいから津波つなみ警報けいほうの発表はっぴょうまでの時間じかんが短縮たんしゅくされるなど情報じょうほうの伝達でんたつについては非常ひじょうに進歩しんぽした。しかし、日本海にほんかい側がわでは大おおきな地震じしんが起おきたらすぐ津波つなみがくると考かんがえ、情報じょうほう収集しゅうしゅうをするより前まえに逃にげる行動こうどうにつなげてほしい」と述のべ、備そなえを呼よびかけています。

【NHKアーカイブス】日本海にほんかい中部ちゅうぶ地震じしんの映像えいぞう

日本海にほんかい中部ちゅうぶ地震じしんとは

「日本海にほんかい中部ちゅうぶ地震じしん」は、1983年ねん5月つき26日にちの正午しょうご前まえ、青森あおもり県けん西方にしほう沖おきから秋田あきた県けん沖おきを震源しんげん域いきに発生はっせいしたマグニチュード7.7の大だい地震じしんです。

青森あおもり県けんの早はやいところでは地震じしん発生はっせいから8分ふんで津波つなみの第だい1波はが到達とうたつしたほか、秋田あきた県けんや青森あおもり県けんの沿岸えんがんで5メートルを超こえる大だい津波つなみを観測かんそくするなど、日本海にほんかい側がわの広ひろい範囲はんいに津波つなみが押し寄おしよせました。

津波つなみが駆かけ上あがった高たかさは、秋田あきた県けんの高たかいところで14メートルに達たっしました。

津波つなみによる犠牲ぎせい者しゃは秋田あきた県けんと青森あおもり県けん、北海道ほっかいどうで100人にんに上のぼり、このうち秋田あきた県けん男鹿おが市しの海岸かいがんでは遠足えんそくの途中とちゅう、昼食ちゅうしょくをとろうと訪おとずれていた児童じどう13人にんが津波つなみに巻き込まきこまれて亡なくなりました。

一方いっぽう、秋田あきた県けんと青森あおもり県けんで当時とうじの最大さいだい震度しんど5の揺ゆれを観測かんそくし、秋田あきた県けんで4人にんが亡なくなりました。

気象庁きしょうちょうによりますと、当時とうじ、津波つなみ警報けいほうが沿岸えんがんの住民じゅうみんに伝つたわらなかったところもあったとされているほか、「日本海にほんかいには津波つなみはない」とする俗説ぞくせつがあったことなどが避難ひなんの遅おくれにつながり犠牲ぎせい者しゃが増ふえる原因げんいんの一ひとつとなったとされているということです。