Báo tiếng Nhật: 【詳しく】ウクライナ動員逃れ防止へ軍に住所登録など義務化

ロシアによる軍事ぐんじ侵攻しんこうが続つづくウクライナでは、18日にち、軍ぐんへの動員どういんをより厳格げんかくに行おこなうための改正かいせい法ほうが施行しこうされました。

兵力へいりょくで上回うわまわるロシア軍ぐんに対抗たいこうするため兵員へいいん不足ふそくが課題かだいとなる中なか、動員どういん逃のがれを防ふせぎ、公平こうへい性せいを担保たんぽすることがねらいです。

軍ぐんに住所じゅうしょや家族かぞく情報じょうほうの登録とうろくなど義務ぎむ化か

ロシアによる軍事ぐんじ侵攻しんこう後ご、ウクライナでは総動員そうどういん令れいが出だされ、18歳さいから60歳さいの男性だんせいは原則げんそく、出国しゅっこくが禁きんじられ、対象たいしょう年齢ねんれいの男性だんせいは軍ぐんから動員どういんされる可能かのう性せいがあります。

改正かいせい動員どういん法ほうによって、18歳さいから60歳さいの男性だんせいは18日にちから60日にち以内いないに住所じゅうしょや家族かぞくなどの個人こじん情報じょうほうを軍ぐんに登録とうろくすることが義務ぎむづけられるほか、登録とうろくしたことを証明しょうめいする書類しょるいを常つねに所持しょじすることも義務ぎむづけられます。

軍事ぐんじ侵攻しんこう後ごの混乱こんらんで、多おおくの人ひとが避難ひなんや転居てんきょを余儀よぎなくされる中なか、動員どういんの対象たいしょうとなる男性だんせいの人数にんずうや所在しょざいを把握はあくすることで動員どういん逃のがれを防ふせぐため、登録とうろくを行おこなわなかった場合ばあいには罰金ばっきんや車くるまの運転うんてんの制限せいげんなどの罰則ばっそくが設もうけられています。ます。

軍事ぐんじ侵攻しんこうが3年ねん目めに入はいり、戦闘せんとうの長期ちょうき化かで兵士へいしに死傷ししょう者しゃが増ふえ、兵力へいりょくで上回うわまわるロシア軍ぐんに対抗たいこうするため兵員へいいん不足ふそくが課題かだいとなる中なか、動員どういん逃のがれを防ふせぎ、公平こうへい性せいを担保たんぽすることがねらいです。

対象たいしょう年齢ねんれいの男性だんせいにとっては戦闘せんとうの前線ぜんせんへの参加さんかがいっそう現実味げんじつみを帯おびることになります。

またウクライナ政府せいふは、4月つき、動員どういんの対象たいしょう年齢ねんれいを27歳さいから25歳さいに引き下ひきさげたほか、ゼレンスキー大統領だいとうりょうが17日にち、一部いちぶの受刑じゅけい者しゃが軍ぐんに入隊にゅうたいできるようにする法案ほうあんに署名しょめいするなど、兵士へいしの増員ぞういんに向むけた施策しさくを相次あいついで進すすめてい

軍ぐん司令しれい官かん「敵てきはウクライナ軍ぐんの7～10倍ばいはいる」

ウクライナ軍ぐんのソドル司令しれい官かんは4月つき、動員どういん法ほうの改正かいせいをめぐる議会ぎかいの審議しんぎの中なかで「敵てきはウクライナ軍ぐんの7倍ばいから10倍ばいはいる。兵士へいしが足たりていない」として、人員じんいんが不足ふそくしているという認識にんしきを示しめしました。

追加ついか動員どういんの規模きぼについて、ゼレンスキー大統領だいとうりょうは去年きょねん12月つき、「軍ぐんは、45万まん人にんから50万まん人にんの追加ついかの動員どういんが必要ひつようだと要求ようきゅうしている」と述のべました。

その後そのご、軍ぐんのシルスキー総そう司令しれい官かんはことし3月つき「部隊ぶたいの構成こうせいを見直みなおした結果けっか、大幅おおはばに減少げんしょうした」としていますが、具体ぐたい的てきな数字すうじは明あきらかになっていません。

動員どういん逃のがれの違法いほうな出国しゅっこくあとを絶たたず死者ししゃも…

ロシアによる軍事ぐんじ侵攻しんこう後ご、ウクライナでは総動員そうどういん令れいが出だされ、18歳さいから60歳さいの男性だんせいは原則げんそく、出国しゅっこくが禁きんじられていますが、動員どういんを逃のがれようと違法いほうに出国しゅっこくを試こころみる人ひとはあとを絶たたず、なかには死者ししゃも出でています。

ウクライナの国境こっきょう警備けいび隊たいの報道ほうどう官かんは4月つき30日にち、軍事ぐんじ侵攻しんこうの開始かいし以降いこう、違法いほうに出国しゅっこくを試こころみたおよそ30人にんが国境こっきょう付近ふきんの川かわで溺おぼれるなどして死亡しぼうしたと、ウクライナの国営こくえい通信つうしんのインタビューで明あきらかにしました。

隣国りんごくのルーマニアやモルドバ、ポーランドを目指めざす違法いほうな出国しゅっこくの試こころみの多おおくはあっせん業者ぎょうしゃによって行おこなわれ、険けわしい山やまや川かわを越こえようとして命いのちを落おとすケースもあるということです。

また、これまでに摘発てきはつされた業者ぎょうしゃの数かずはおよそ450に上のぼり、出国しゅっこくを試こころみた人ひとが女性じょせいにふんしたり、身みを隠かくすための特殊とくしゅな仕切しきりが設もうけられた車くるまを使つかったりなどさまざまな手口てぐちがみられたとしています。

アメリカ政府せいふや議会ぎかいが出資しゅっしする「ラジオ・フリー・ヨーロッパ」は9日にち、ルーマニアの国境こっきょう警察けいさつの話はなしとして、侵攻しんこうの開始かいし以降いこう、兵役へいえき対象たいしょう年齢ねんれいのウクライナ人じん男性だんせい、およそ1万まん1000人にんが徴兵ちょうへいを避さけるために違法いほうに入国にゅうこくしたと伝つたえています。

“必要ひつよう性せい認識にんしきも自身じしんの動員どういんは半数はんすう近ちかくが否定ひてい的てき” 地元じもとメディア

ウクライナ軍ぐんの動員どういんをめぐって、地元じもとの独立どくりつ系けいメディアが兵役へいえきの対象たいしょう年齢ねんれいの男性だんせいに行いった調査ちょうさでは、多おおくの人ひとが動員どういんの必要ひつよう性せいを認識にんしきしている一方いっぽう、自身じしんが動員どういんされる用意よういがあるかについては、半数はんすう近ちかい人ひとが否定ひてい的てきな反応はんのうを示しめしています。

ウクライナの独立どくりつ系けいメディア「Texty」はことし1月つきから2月つきに軍ぐんの動員どういんについて調査ちょうさを行おこない、兵役へいえきの対象たいしょうとなる18歳さいから55歳さいまでの男性だんせい400人にんから回答かいとうを得えました。

それによりますと、動員どういんの考え方かんがえかたについて、「動員どういんは不要ふよう」だという考かんがえを示しめした人ひとは18％だった一方いっぽうで、「動員どういんは必要ひつようだが公平こうへいでなければならない」とした人ひとは81.8％に上のぼりました。

また「動員どういんされる用意よういがあるか」という問といについて、34.8％が肯定こうてい的てきに答こたえたのに対にたいして、半数はんすう近ちかい48.1％が否定ひてい的てきな反応はんのうを示しめしました。

調査ちょうさを行おこなったメディアは、動員どういんに肯定こうてい的てきに答こたえた人ひとが3割わりを超こえていたことを「驚おどろいた」とした一方いっぽう、前線ぜんせんへの動員どういんについて恐怖きょうふ心しんを抱だいている人ひとも少すくなくないという見方みかたを示しめしました。

キーウの男性だんせい「怖こわくないという人ひとがいたらうそ」

首都しゅとキーウの30歳さいの男性だんせいは、法ほう改正かいせいについて理解りかいを示しめした上うえで「（動員どういんを）怖こわくないという人ひとがいたらその人ひとはうそをついているでしょう」と話はなしていました。

25歳さいの男性だんせいは「前線ぜんせんの状況じょうきょうを変かえるためには必要ひつようなことだと思おもいます」とした一方いっぽう、先月せんげつ、動員どういんの対象たいしょう年齢ねんれいが27歳さいから25歳さいに引き下ひきさげられたことについて「もちろん悪わるい意味いみでの驚おどろきがありました。あと2年ねんは自分じぶんで計画けいかくしたり努力どりょくしたりする時間じかんがあると思おもっていたのに、今いまはありません。いつでも動員どういんされる可能かのう性せいがあるからです」と話はなしていました。

その上うえで「（戦場せんじょうに行いく）準備じゅんびはできていませんが、必要ひつようになれば行いくことは覚悟かくごしています」と複雑ふくざつな心境しんきょうを吐露とろしていました。

編集へんしゅう長ちょう「軍ぐんの指揮しき官かんが国民こくみんに責任せきにん感かん持もっていない」

「Texty」のロマン・クルチンスキー編集へんしゅう長ちょうは「ウクライナは2年ねんにわたって戦争せんそう状態じょうたいにあり、多おおくの人ひとに前線ぜんせんで戦たたかう親戚しんせきや友人ゆうじんがいる。きょう健康けんこうな人ひとが、半年はんとし後ごには身体しんたいに障害しょうがいがあるかもしれず、これは誰だれにとっても恐おそろしいことだ」と述のべました。

その上うえで「軍ぐんの指揮しき官かんが国民こくみんに対にたいして責任せきにん感かんを持もっていないことが問題もんだいだ。国民こくみんは軍ぐんに入隊にゅうたいしてから、十分じゅうぶんな訓練くんれんや責任せきにんある待遇たいぐうを受うけ、愚おろかな任務にんむを与あたえられないことを望のぞんでいる」と述のべ、動員どういん後ごの対応たいおうを改善かいぜんすべきだと指摘してきしました。

兵士へいしの家族かぞくが抗議こうぎ兵役へいえき期間きかんの明確めいかく化かなど求もとめる

前線ぜんせんでは、人員じんいん不足ふそくによって長期ちょうき間かんにわたって兵士へいしの補充ほじゅうや交代こうたいができず、兵士へいしは心身しんしんともに疲弊ひへいしていると指摘してきされていて、不公平ふこうへい感かんを抱いだく家族かぞくたちが兵役へいえき期間きかんの明確めいかく化かなどを求もとめて抗議こうぎしています。

このうちキーウに住すむハリナ・オストロブスカさん（26）の夫おっと、オレフさん（29）は、軍事ぐんじ侵攻しんこうの開始かいし直後ちょくごに入隊にゅうたいしたあと、自宅じたくに戻もどってこられたのはわずか3回かいだということです。

2人にんが結婚けっこんしたのは侵攻しんこうが始はじまる半年はんとしほど前まえで、ハリナさんはほぼ毎日まいにち、メッセージなどで連絡れんらくをとっているということですが、夫おっとがいる前線ぜんせんのニュースを聞きくたびに怖こわい思おもいをしているといいます。

オストロブスカさんは「夫おっとは私わたしとはあまり状況じょうきょうを共有きょうゆうしたがりませんが、とても疲つかれているのはわかります。夫おっとが長期ちょうき間かん戦地せんちにいることは覚悟かくごしていましたがここまで交代こうたいがなく、公平こうへい性せいがないとは思おもっていませんでした」と話はなしていました。

そして「できるだけ早はやく帰かえってきてほしい。そしてそっとしておいてほしい。夫おっとは自分じぶんや生うまれてくる子こどものための国くにへの義務ぎむはもう果はたしています」と話はなしていました。

技能ぎのうに応おうじた入隊にゅうたい促うながす「募集ぼしゅうセンター」国内こくない20か所かしょに開設かいせつ

ウクライナ国防省こくぼうしょうは、国民こくみんに対にたいし、動員どういんではなく、みずからの技能ぎのうに応おうじた入隊にゅうたいを促うながす「募集ぼしゅうセンター」の設置せっちを進すすめ、これまでに国内こくない20か所かしょに開設かいせつされています。

この「募集ぼしゅうセンター」では、戦闘せんとう要員よういんのほか、整備せいび士しや調理ちょうり師し、運転うんてん手しゅ、会計かいけい士しなど多岐たきにわたる職種しょくしゅを募集ぼしゅうしています。

みずからの技能ぎのうと、部隊ぶたいが募つのる兵員へいいんの職種しょくしゅが適合てきごうすれば、希望きぼうどおり入隊にゅうたいでき、場所ばしょや任務にんむが不ふ明確めいかくな動員どういんとは異ことなり、主体しゅたい的てきに軍ぐんの任務にんむに就つくことができます。

募集ぼしゅうセンターを訪おとずれた32歳さいの男性だんせいは「自分じぶんがどの部隊ぶたいに入いれるかを知しるためにきました。動員どういんされると自分じぶんがどこに行いくかもわからず何なにの選択せんたくもできませんが、ある程度あるていど選択せんたくできるということは入隊にゅうたいを決断けつだんする後押あとおしになります」と話はなしていました。

ウクライナ国防省こくぼうしょうとしては戦闘せんとう要員よういんに限かぎらず多おおくの国民こくみんが軍ぐんに貢献こうけんするよう促うながし、少すこしでも社会しゃかいの不公平ふこうへい感かんを和やわらげたいと考かんがえています。

ウクライナ国防省こくぼうしょうの担当たんとう者しゃは「特とくに戦争せんそうという危機きき的てきな状況じょうきょうにおいて社会しゃかいの公平こうへい性せいを保たもつというのは非常ひじょうに難むずかしいことだ。すべての問題もんだいのバランスをとることが政府せいふと国防省こくぼうしょうの重要じゅうような仕事しごとだ」と話はなしていました。