【単独たんどくインタ】母ははへの思おもい、めぐみさんとの会話かいわの内容ないようも

一緒いっしょに拉致らちされ、いまも行方ゆくえがわからない母親ははおやはことし93歳さい。

母ははへの思おもいを語かたるとともに、北朝鮮きたちょうせんで一いち時期じき、一緒いっしょに暮くらした横田よこためぐみさんとのやりとりも明あかし、すべての拉致らち被害ひがい者しゃの早期そうき帰国きこくの実現じつげんを求もとめました。

「時間じかんがない」 ひしひしと

曽我そがひとみさんは46年ねん前まえの1978年ねん8月つき12日にち新潟にいがた県けん佐渡さど市しで買い物かいものから帰かえる途中とちゅう、母親ははおやのミヨシさんとともに北朝鮮きたちょうせんに拉致らちされました。

当時とうじ19歳さいでした。

曽我そがさんは24年ねん後ごの2002年ねん10月つきに帰国きこくを果はたしましたが、ミヨシさんの行方ゆくえは今いまもわかっていません。

曽我そがさんは23日にち、初はじめてNHKの単独たんどくインタビューに応おうじました。

曽我そがさんがテレビのインタビューに応おうじるのは初はじめてで、冒頭ぼうとう、その理由りゆうについて,次じのように話はなしました。

「被害ひがい者しゃもその家族かぞくも高齢こうれいになられて、もう時間じかんがないとひしひしと最近さいきん感かんじるようになり、微力びりょくではありますが、1日にちも早はやく解決かいけつするように活動かつどうしたいと思おもった」

「何なにも悪わるいことをしていないのに」

そして、ことし93歳さいになる母親ははおやのミヨシさんについては。

「世界せかいで一番いちばん大好だいすきなかけがえのない母ははだと思おもっています。拉致らちという事件じけんにあわなければ、ずっとそばにいて、いろいろ教おしえてくれたと思おもいます。本当ほんとうに働き者はたらきもので優やさしくて母ははというより親友しんゆうみたいな何なにでも相談そうだんできる母ははでした。私わたしたち親子おやこは何なにも悪わるいことをしていないのに許ゆるせない事件じけんに巻き込まきこまれて、人生じんせいが狂くるってしまいました」

曽我そがさんは准じゅん看護かんご師しを目指めざしていたときにミヨシさんに買かってもらったという腕うで時計とけいを身みにつけてインタビューに臨のぞみました。

「時計とけいは患者かんじゃさんの脈みゃくを測はかるなどとても大切たいせつなので『どうしてもこれ買かって』とおねだりをして買かってもらった時計とけいです。母ははは私わたしの心こころに、そしてこの腕うでにいつもずっといる、そばにはいないけどいつも見みていてくれる、そんな思おもいで毎日まいにちを過すごしています。母ははにはとにかく元気げんきでいてほしい。諦あきらめないでほしい」

横田よこためぐみさんとのやりとりは

また、曽我そがさんは北朝鮮きたちょうせんの施設しせつで8か月かげつほど一緒いっしょに暮くらした横田よこためぐみさんとのやりとりについても明あかしました。

「本当ほんとうに心こころの支ささえになりました。めぐみさんの方ほうが年下とししたですが、しっかりしたところがあり、こっそり日本にっぽんにいたときの話はなしをしたり優やさしく話はなしを聞きいてくれたり絶対ぜったいに生涯しょうがい忘わすれることはありません」

そのうえでお互おたがい拉致らちされた状況じょうきょうについて話はなしたときのことを振り返ふりかえり、次つぎのように明あかしました。

「初はじめて会あった日ひの夜よる、私わたしのひざのけがを見みて『どうしたの』と聞きいてくれて『お母おかあさんと一緒いっしょだったんだけど、会あえていないんだ』という話はなしをしました。めぐみさんは『部活ぶかつの帰かえりにうちの近ちかくまできたときに曲がり角まがりかどで襲おそわれた』と話はなしていました。お互おたがいに思い出おもいだしたくないことなので1度どだけ話はなし、2度どはありませんでした」

曽我そがさんは、めぐみさんと1980年ねんの5月つきに別わかれましたが、このときめぐみさんから手渡てわたされた赤あかいかばんについても触ふれました。

「めぐみさんに『このかばんを私わたしだと思おもって持もって行いって』と言いわれました。別わかれたあともいつも買い物かいものに出でかけるときには必かならずかばんを持もって店みせに行いっていました。『あ、このかばん、私わたしがあげたかばんだ』ってどこかで見みてくれたらいいなと思おもいながら、買い物かいもののたびに持もって行いっていました」

「家族かぞくが高齢こうれい化かするばかり 1日にちも早はやい解決かいけつを」

そして、拉致らち問題もんだいの進展しんてんが見みられない現状げんじょうについては、次つぎのように述のべました。

「半はん世紀せいき以上いじょうたった今たったいまも解決かいけつしておらず、ご家族かぞくが高齢こうれい化かするばかりです。あまりにも長なが過すぎます。歯はがゆいというか何なにで進すすまないんだろうと思おもいます。ずっと母ははも元気げんきでいてくれていると思おもっていますが、心配しんぱいはつきません」

そのうえで、政府せいふに対にたいして次つぎのように訴うったえました。

「被害ひがい者しゃの方ほう、待まっている家族かぞくが元気げんきなうちにみんなが帰かえってきてほしいと心こころから願ねがっているし、元気げんきなうちに会あわせてあげたいです。被害ひがい者しゃは自分じぶんの家族かぞくなんだという思おもいを持もって、1日にちも早はやい解決かいけつのために交渉こうしょうしてもらいたい」