Báo tiếng Nhật: 三合ばばのお話

昔むかし、三重県みえけんに、山之平やまのひらという大おおきな村むらと、刑部おさかべという小ちいさな村むらがありました。刑部村おさかべむらの人ひとたちは、山やまでとった木きや、少すこしだけできたひえやあわを持もって山之平やまのひらに行いって、塩しおや魚さかななどと交換こうかんしていました。険けわしい山道やまみちが続つづいて、とても危あぶない道みちでした。
刑部村おさかべむらの森もりに、１人にんのおばあさんが住すんでいました。あるとき、{おばあさん}は、山之平やまのひらまで行いく抜ぬけ道みちの穴あなを見みつけました。{おばあさん}は、毎日まいにち穴あなを通とおって山之平やまのひらに行いって、おいしい食たべ物ものと交換こうかんしていました。
ある日ひ、隣となりの家いえのおじいさんが、{おばあさん}が穴あなから出でてくるところを見みました。{おばあさん}は、あわを１合ごうもらって、抜ぬけ道みちを使つかわせることにしました。ほかの村人むらびとも、あわを１合ごう払はらって抜ぬけ道みちを使つかいました。{おばあさん}は、あわを２合ごうに上あげました。村人むらびとの中なかには、払はらわないで抜ぬけ道みちを使つかう人ひともいました。
{おばあさん}は、３合ごうに上あげて、抜ぬけ道みちの前まえに座すわって見張みはりました。村人むらびとは、３合ごうも払はらえないので、抜ぬけ道みちを使つかう人ひとは少すくなくなりました。{おばあさん}は、髪かみがボサボサで目めだけが光ひかって、まるで化け物ばけもののようになりました。村人むらびとは「３合ごうババ」と呼よぶようになりました。
何年なんねんかあと、村むらの人ひとたちは、工事こうじが難むずかしい隣となりの村むらまでの近道ちかみちを、やっと作つくりました。村人むらびとたちは、この安全あんぜんな近道ちかみちを通とおるようになりましたが、３合ごうババはまだ穴あなの前まえで見張みはっていました。

三合さんごうばばのお話おはなし

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