日本新闻: 中国軍事パレードプーチン大統領やキム総書記出席へ

中国ちゅうごくは日本にっぽんとの戦争せんそうに勝利しょうりして80はちじゅう年ねんの記念きねん日びだとして、3みっ日か、首都しゅと・北京ぺきんで軍事ぐんじパレードを行おこないます。ロシアのプーチン大統領だいとうりょうや北朝鮮きたちょうせんのキム・ジョンウン（金きん正恩しょうおん）総そう書記しょきも出席しゅっせきする予定よていで、欧米おうべい主導しゅどうの国際こくさい秩序ちつじょに対抗たいこうし、結束けっそくを示しめすものとみられます。

中国ちゅうごくは、9く月がつ3みっ日かを日本にっぽんとの戦争せんそうに勝利しょうりした80はちじゅう年ねんの記念きねん日びだとして、北京ぺきんの天安門てんあんもん広場ひろばで大だい規模きぼな式典しきてんを開ひらきます。

国営こくえいメディアによりますと、日本にっぽん時間じかんの午前ごぜん10じゅう時じから始はじまる式典しきてんでは、習近平しゅうきんぺい国家こっか主席しゅせきが演説えんぜつし、軍事ぐんじパレードが行おこなわれる予定よていだということです。

1いち万まん人にん以上いじょうを動員どういんするパレードでは、極ごく超ちょう音速おんそく兵器へいきや無人むじん機きなど最新さいしんの兵器へいきを登場とうじょうさせ、軍備ぐんびの増強ぞうきょうを誇示こじして国威こくいの発揚はつようを図はかるとともに、共産党きょうさんとうによる統治とうちの正統せいとう性せいを強調きょうちょうするとみられます。
また、ロシアのプーチン大統領だいとうりょうや北朝鮮きたちょうせんのキム・ジョンウン総そう書記しょきなど20にじゅっか国こく以上いじょうの首脳しゅのうが出席しゅっせきする予定よていです。

2ふつ日かは、習しゅう主席しゅせきとプーチン大統領だいとうりょうが会談かいだんし連携れんけいの強化きょうかを確認かくにんしたほか、列車れっしゃで北京ぺきんに到着とうちゃくしたキム総そう書記しょきを中国ちゅうごく共産きょうさん党とうの最高さいこう指導しどう部ぶのメンバーが出迎でむかえました。

ロシアの高官こうかんによりますと、パレードでは、習しゅう主席しゅせきの両隣りょうどなりにプーチン大統領だいとうりょうとキム総そう書記しょきが座すわる予定よていだということです。

中国ちゅうごくとしては、戦後せんご80はちじゅう年ねんにあわせて戦勝せんしょう国こくとしての立場たちばを誇示こじするとともに、欧米おうべい主導しゅどうの国際こくさい秩序ちつじょに対抗たいこうし、結束けっそくを示しめすものとみられます。
中国ちゅうごく過去かこの軍事ぐんじパレード
中国ちゅうごくでは建国けんこく記念きねん日びや共産きょうさん党とうの重要じゅうような記念きねん日びに合あわせて大だい規模きぼな軍事ぐんじパレードが行おこなわれ、国家こっかの威信いしんや軍ぐんの近代きんだい化かを示しめす場ばとなってきました。

初はじめてのパレードは中華ちゅうか人民じんみん共和きょうわ国こくが成立せいりつした1949せんきゅうひゃくよんじゅうきゅう年ねんに首都しゅと・北京ぺきんの天安門てんあんもん広場ひろば周辺しゅうへんで行おこなわれ、1950せんきゅうひゃくごじゅう年代ねんだいは毎年まいとし行おこなわれてきました。

国内こくないの混乱こんらんなどを背景はいけいに1960せんきゅうひゃくろくじゅう年ねん以降いこうは中断ちゅうだんされましたが、1984せんきゅうひゃくはちじゅうよ年ねんの建国けんこく35さんじゅうご年ねんの節目ふしめで改革かいかく開放かいほう政策せいさくを進すすめた当時とうじの最高さいこう実力じつりょく者しゃ、※トウ小平しょうへい氏しのもとで軍事ぐんじパレードが復活ふっかつしました。

その後ごは、建国けんこく50ごじゅう年ねんの1999せんきゅうひゃくきゅうじゅうきゅう年ねん、建国けんこく60ろくじゅう年ねんの2009にせんきゅう年ねんと10じゅう年ねんごとの節目ふしめの年としに歴代れきだいの最高さいこう指導しどう者しゃが閲兵えっぺいしてパレードが行おこなわれています。習近平しゅうきんぺい国家こっか主席しゅせきが就任しゅうにんしてからは、2015にせんじゅうご年ねんに「抗日こうにち戦争せんそう勝利しょうり70ななじゅう年ねん」を記念きねんするパレードが開ひらかれたほか、2017にせんじゅうしち年ねんには人民じんみん解放かいほう軍ぐんの創設そうせつ90きゅうじゅう年ねんを記念きねんして内うちモンゴル自治じち区くの訓練くんれん基地きちでパレードが行おこなわれました。このほか2019にせんじゅうきゅう年ねんにも建国けんこく70ななじゅう年ねんを記念きねんしてパレードが行おこなわれています。
※トウは「登とう」におおざと
軍備ぐんび増強ぞうきょう国防こくぼう費ひは10じゅう年ねん前まえの約やく2に倍ばいに
中国ちゅうごくの国防こくぼう費ひは年々ねんねん、増ふえていて、ことしの国防こくぼう費ひの予算よさんはおよそ1いっ兆ちょう7800ななせんはっぴゃく億おく人民元じんみんげん、日本にっぽん円えんで36さんじゅうろく兆ちょう円えん余あまりで、去年きょねんより7.2ななてんにぱーせんと％増ぞう増ふえました。防衛ぼうえい白書はくしょによりますと、これは10じゅう年ねん前まえのおよそ2に倍ばいに増ふえています。

また日本にっぽんの今年度こんねんどの防衛ぼうえい関係かんけい費ひは8はっ兆ちょう4700よんせんななひゃく億おく円えん余あまりで、中国ちゅうごくは日本にっぽんの4よん倍ばい以上いじょうとなっています。

こうした国防こくぼう費ひの拡大かくだいを背景はいけいに、中国ちゅうごくは空母くうぼや戦闘せんとう機き、極ごく超ちょう音速おんそく兵器へいきなどの開発かいはつや配備はいびを加速かそくさせています。

また国防こくぼう費ひの詳細しょうさいな内訳うちわけは公表こうひょうされておらず、実際じっさいの額がくはさらに多おおいとも指摘してきされていて、欧米おうべいからは「透明とうめい性せいが不十分ふじゅうぶんだ」などと懸念けねんする声こえも出でています。

一方いっぽうで中国ちゅうごく政府せいふは「国防こくぼう費ひがGDP＝国内こくない総そう生産せいさんに占しめる割合わりあいは、長年ながねんにわたり1.5いってんご％以下いかを保たもっていて、世界せかいの平均へいきんを下回したまわっている」としています。
戦後せんご80はちじゅう年ねん歴史れきしに焦点しょうてん当あてる中国ちゅうごくのねらいは
中国ちゅうごく政府せいふは、戦後せんご80はちじゅう年ねんのことしを「抗日こうにち戦争せんそうと反はんファシズム戦争せんそうの勝利しょうりから80はちじゅう年ねん」と位置いちづけています。

中国ちゅうごくは日本にっぽんとの戦争せんそうについて中国ちゅうごく共産党きょうさんとうが「中核ちゅうかく的てきな役割やくわりを果はたした」と主張しゅちょうしていて、戦後せんご80はちじゅう年ねんの節目ふしめにその歴史れきしに焦点しょうてんを当あてることで、共産党きょうさんとうによる統治とうちの正統せいとう性せいを強調きょうちょうするねらいがあるとみられます。

軍事ぐんじパレードを行おこなう9く月がつ3みっ日かは第だい2に次じ世界せかい大戦たいせんで日本にっぽんが降伏こうふく文書ぶんしょに署名しょめいした翌日よくじつにあたり、習近平しゅうきんぺい国家こっか主席しゅせきが就任しゅうにんしたあとの2014にせんじゅうよ年ねんに「抗日こうにち戦争せんそう勝利しょうり記念きねん日び」と定さだめました。

この日ひにあわせて軍事ぐんじパレードを行おこなうのは10じゅう年ねん前まえの2015にせんじゅうご年ねん以来いらい、今回こんかいが2に回かい目めで、最新さいしんの兵器へいきを公開こうかいし軍備ぐんびの増強ぞうきょうを誇示こじすることで国威こくい発揚はつようにつなげたい考かんがえもあるとみられます。
抗日こうにち戦争せんそうの宣伝せんでんも相次あいつぐ
中国ちゅうごく政府せいふは戦後せんご80はちじゅう年ねんのことし、日本にっぽんとの戦争せんそうの歴史れきしに関かんする大々的だいだいてきなキャンペーンを展開てんかいしています。

北京ぺきんにある「抗日こうにち戦争せんそう記念きねん館かん」では展示てんじ品ひんを入いれ替かえるリニューアルが行おこなわれ、日中にっちゅう戦争せんそうの発端ほったんとなった盧溝橋ろこうきょう事件じけんが起おきた7しち月がつ7なな日のかには中国ちゅうごく共産きょうさん党とうの最高さいこう指導しどう部ぶのメンバーも参加さんかして大だい規模きぼな式典しきてんが行おこなわれました。

「記念きねん館かん」では特別とくべつ展てんも始はじまり、国営こくえいメディアによりますと、各地かくちの学校がっこうの生徒せいとたちが見学けんがくに訪おとずれるなど先月せんげつ下旬げじゅんの時点じてんで、来場らいじょう者しゃは60ろくじゅう万まん人にんを超こえたということです。

また、関連かんれんする映画えいがも国内こくないで相次あいついで上映じょうえいされていて、旧きゅう日本にっぽん軍ぐんが多おおくの市民しみんを殺害さつがいしたなどとされる「南京なんきん事件じけん」を題材だいざいにした「南京なんきん写真しゃしん館かん」という映画えいがは大おおきな話題わだいを呼よんでいます。

映画えいがはフィクションを交まじえたストーリーで、残虐ざんぎゃくな場面ばめんも描えがかれていますが、中国ちゅうごくメディアはこの夏なつ、最もっとも人気にんきの映画えいがだとして、連日れんじつのようにニュースで伝つたえています。

このほか、9く月がつ18じゅうはち日にちには旧きゅう日本にっぽん軍ぐんで細菌さいきん戦せんなどの研究けんきゅうを行おこなっていたとされる「731ななさんいち部隊ぶたい」を題材だいざいにした映画えいがの上映じょうえいも予定よていされています。

9く月がつ18じゅうはち日にちは満州まんしゅう事変じへんの発端ほったんとなった柳やなぎ条じょう湖みずうみ事件じけんが起おきた日ひにあたり中国ちゅうごくでは「国くにの恥はじを忘わすれてはならない日ひ」とされています。

日本にっぽん大使館たいしかんはこうしたキャンペーンについて反日はんにち感情かんじょうの高たかまりに注意ちゅういする必要ひつようがあるとして、外出がいしゅつの際さいには大おおきな声こえでの日本語にほんごの会話かいわを控ひかえることなどを呼よびかけています。
市民しみんの声こえ冷静れいせいな意見いけんも

日本にっぽんとの戦争せんそうの歴史れきしに関かんして中国ちゅうごく政府せいふが主導しゅどうする一連いちれんのキャンペーンについて、首都しゅと・北京ぺきんで話はなしを聞きくとさまざまな声こえが聞きかれました。
市民的聲音冷靜的意見也有關於中國政府主導的一系列針對與日本戰爭歷史的宣傳活動，在首都北京採訪時，聽到了各種不同的聲音。

このうち「南京なんきん事件じけん」を題材だいざいにした映画えいがを見みたという男性だんせいは「映画えいがを見みたあと心こころが高揚こうようし、祖国そこくへの愛あいが深ふかまりました」と話はなしていました。
在這之中，看過以「南京事件」為題材電影的男性表示：「看完電影後，我的心情變得激昂，對祖國的愛也更加深厚了。」
また、40よんじゅっ歳さいの会社かいしゃ員いんの男性だんせいは「仕事しごとが忙いそがしくて関心かんしんを持もつ時間じかんがないが、歴史れきしはみんなが学まなぶ必要ひつようがあると思おもう」と話はなしていました。
此外，一位40歲的上班族男性表示：「因為工作很忙，沒有時間關心這些事，但我認為歷史是每個人都必須學習的。」

中国ちゅうごくのネット上じょうには一部いちぶで日本にっぽんに批判ひはん的てきな意見いけんも書かき込こまれていますが、28にじゅうはっ歳さいの女性じょせいは「過激かげきな発言はつげんについては歴史れきしについての感情かんじょうを発散はっさんさせているだけだと思おもう。
在中國的網路上，雖然有部分對日本持批判意見的言論，但28歲的女性表示：「我認為那些過激的發言只是發洩對歷史的情感而已。」
みんなが歴史れきしを重おもく受うけ止とめていますが、日本人にっぽんじんに対たいして、憎にくしみを持もっているような人ひとは私わたしの周まわりにはいません」と話はなしていました。
大家都很重視歷史，但在我身邊，並沒有對日本人懷有憎恨的人。

専門せんもん家か一連いちれんの宣伝せんでん「中華ちゅうか民族みんぞくの求心力きゅうしんりょくと結束けっそく力りょく強化きょうかに効果こうか」

中国ちゅうごくの政府せいふ系けいシンクタンクの中国ちゅうごく社会しゃかい科学かがく院いん日本にっぽん研究所けんきゅうじょの楊伯江ようはくこう所長しょちょうは日本にっぽんとの戦争せんそうの歴史れきしをめぐる一連いちれんのキャンペーンについて「歴史れきしを振ふり返かえることで、なぜ戦争せんそうが起おきたのか、深ふかい問題もんだいを考かんがえることができる。中華ちゅうか民族みんぞくの求心力きゅうしんりょくと結束けっそく力りょくを強化きょうかし、国家こっかの建設けんせつを推進すいしんする上うえで、鼓舞こぶする重要じゅうような効果こうかがある」と述のべています。
「強化中華民族的向心力與凝聚力，對於推動國家建設具有激勵的重要作用。」

また、中国ちゅうごくでの反日はんにち感情かんじょうの高たかまりを懸念けねんする見方みかたがあることについては「中国ちゅうごく国民こくみんは、軍国ぐんこく主義しゅぎの日本にっぽんと戦後せんごの日本にっぽんを区別くべつする必要ひつようがある。
此外，對於有人擔憂中國國內反日情緒高漲一事，他表示：「中國國民有必要區分軍國主義時代的日本與戰後的日本。」
中国ちゅうごくが批判ひはんしているのは軍国ぐんこく主義しゅぎの日本にっぽんだ。
中國所批評的是軍國主義的日本。
多おおくの中国人ちゅうごくじんがその点てんを理解りかいしていると思おもう」と述のべています。
我認為很多中國人都理解這一點。

その上うえで中国ちゅうごくと日本にっぽんとの関係かんけいについては「ともに世界せかい経済けいざいと国際こくさい政治せいじの重要じゅうような国くにでアジア太平洋たいへいよう地域ちいきの大国たいこくだ。
在此基礎上，關於中國與日本的關係，他表示：「兩國同為世界經濟和國際政治的重要國家，也是亞太地區的強國。」
中国ちゅうごくと日本にっぽんの政治せいじ的てきな基礎きそを堅持けんじするという前提ぜんていの上うえで、両国りょうこくの間まにはより多おおくの接触せっしょく、対話たいわ、交流こうりゅう、協力きょうりょくが必要ひつようだ」と述のべています。
在堅持中日政治基礎的前提下，兩國之間需要有更多的接觸、對話、交流與合作。