愛媛えひめ・高知こうち 被害ひがいを受うけた地域ちいきは 今後こんごの課題かだいは

気象庁きしょうちょうは地震じしん活動かつどうが活発かっぱつな状態じょうたいが続つづいているとして、引き続ひきつづき注意ちゅういを呼よびかけています。

愛媛えひめ 宇和島うわじま 飲食いんしょく店てんが営業えいぎょう再開さいかい

4月つき17日にちの地震じしんで震度しんど5強きょうの揺ゆれを観測かんそくした愛媛えひめ県けん宇和島うわじま市しでは被災ひさいした飲食いんしょく店てんが営業えいぎょうを再開さいかいするなど、日常にちじょうを取り戻とりもどしつつあります。

このうち宇和島うわじま市し恵美須えびす町まちの繁華はんか街がいにある居酒屋いざかやでは、地震じしんで建物たてものの雨あめどいが壊こわれたほか、店内てんないの棚たなからコップや皿さらが落おちて割われるなどの被害ひがいが出でました。

店みせでは散乱さんらんしたガラス片へんの片かたづけにあたるとともに、業者ぎょうしゃに依頼いらいして修繕しゅうぜんを行おこなうなどして、営業えいぎょうを再開さいかいしています。

23日にちも開店かいてんとともに常連じょうれん客きゃくが訪おとずれ、いつものように酒さけや料理りょうりを楽たのしんでいました。

店主てんしゅの佐藤さとう福ふくさんは、「多おおくの方ほうにご心配しんぱいおかけしました。余震よしんは怖こわいですが、営業えいぎょうを再開さいかいできました」と話はなしていました。

愛媛えひめ 愛あい南町みなみまちの温泉おんせん施設しせつ 営業えいぎょう再開さいかいの見通みとおし立たたず

震度しんど6弱じゃくの揺ゆれを観測かんそくした愛媛えひめ県けん愛あい南町みなみまちにある温泉おんせん施設しせつでは、地震じしんの後のち、湧き出わきでるお湯おゆに濁にごりがある状態じょうたいが続つづいたということで、地震じしんの発生はっせいから1週間しゅうかんとなる今いまも、営業えいぎょう再開さいかいの見通みとおしが立たっていません。

愛あい南町みなみまち緑乙みどりおつの「山出やまで憩いこいの里さと温泉おんせん」は、レストランや宿泊しゅくはく施設しせつを併設へいせつする温泉おんせん施設しせつで、地元じもとの人ひとたちに親したしまれています。

施設しせつによりますと地震じしんの前まえは透明とうめいだったお湯おゆは、町内ちょうないで震度しんど6弱じゃくを観測かんそくした4月つき17日にちの地震じしんの後のち、白しろく濁にごった状態じょうたいが続つづいていたということです。

濁にごりは徐々じょじょに解消かいしょうに向むかい、地震じしんの発生はっせいから1週間しゅうかんがたった24日にちの時点じてんでは見た目みためではほぼ透明とうめいになっていますが、濁にごった原因げんいんがわからないこともあり、営業えいぎょう再開さいかいの見通みとおしは立たっていません。

施設しせつはお湯おゆのサンプルを採取さいしゅして専門せんもんの機関きかんに送おくり、泉いずみ質ただしに問題もんだいがないか調しらべることにしていて、調査ちょうさ結果けっかを踏ふまえたうえで再開さいかいのめどを判断はんだんしたいとしています。

今いまも大おおきな地震じしんに不安ふあん募つのらせる住民じゅうみんも

再ふたたび大おおきな地震じしんが起おきないか不安ふあんを募つのらせている人ひともいます。

宇和島うわじま市しの石応こくぼ地区ちくで、1人にん暮くらしをしている島田しまだヨシコさん（73）は、4月つき17日にち、自宅じたくでテレビを見みていたところ強つよい揺ゆれを感かんじました。

これまで地域ちいきの避難ひなん訓練くんれんには欠かかさず参加さんかしていましたが、今回こんかいの地震じしんでは、パニック状態じょうたいとなって避難ひなんもままならず、布団ふとんのなかでおびえていたということです。

その後そのご、自宅じたくに訪たずねてきてくれた近所きんじょの人ひとの付き添つきそいで、近ちかくの公民館こうみんかんに避難ひなんできましたが今後こんごも大おおきな地震じしんが起おきないかと夜よるも眠ねむれないほど不安ふあんを募つのらせているといいます。

島田しまださんは「とにかく、怖こわくて逃にげようという考かんがえも思おもい浮うかず足あしが動うごかなかった。実際じっさいの災害さいがいは訓練くんれんとは違ちがって何なにをしたらよいのか判断はんだんができなくなるものだと感かんじました」と話はなしていました。

愛媛えひめ沿岸えんがん部ぶ 地震じしん発生はっせい時じの避難ひなんの状況じょうきょうは

南海なんかいトラフ巨大きょだい地震じしんを想定そうていした津波つなみからの避難ひなん訓練くんれんを行おこなってきた愛媛えひめ県けんの沿岸えんがん部ぶの地域ちいきでは、4月つき17日にちの地震じしんで、自主じしゅ防災ぼうさい会かいの活動かつどうもあって多おおくの住民じゅうみんが高台たかだいや近ちかくの公民こうみん館かんなどに避難ひなんしました。

一方いっぽう、散乱さんらんする屋根やね瓦かわらなどが避難ひなんの妨さまたげになるとの懸念けねんも浮上ふじょうし、対策たいさくの見直みなおしを進すすめる地域ちいきもあります。

愛媛えひめ県けん宇和島うわじま市し沿岸えんがん部ぶの500人にんほどが住すむ石応こくぼ・白浜しらはま地区ちくは、南海なんかいトラフ巨大きょだい地震じしんで最大さいだいで6.5メートルの津波つなみが予想よそうされています。

この地区ちくでは、自主じしゅ防災ぼうさい会かいが中心ちゅうしんとなって、災害さいがい時じのマニュアルを作成さくせいし、地震じしんの際さいの役割やくわり分担ぶんたんや高台たかだいへの避難ひなんなどを決きめています。

自主じしゅ防災ぼうさい会かいの脇田わきた源一げんいち会長かいちょう（68）は、今月こんげつ17日にちの地震じしんが起おきた直後ちょくご、ほかのメンバーと手分てわけをして見回みまわりや避難ひなんの呼よびかけを行おこないました。

また、近ちかくの公民館こうみんかんを拠点きょてんとして地区ちくの被害ひがい状況じょうきょうなどをとりまとめ、市しに報告ほうこくするなどの対応たいおうにあたりました。

浮上ふじょうした課題かだい 崩くずれた屋根やね瓦かわらなどが避難ひなんの妨さまたげになる懸念けねん

一方いっぽうで、今回こんかいの地震じしんで浮上ふじょうした課題かだいもありました。

地区ちくでは住民じゅうみんの半数はんすうを高齢こうれい者しゃが占しめていて足腰あしこしが不自由ふじゆうな要よう支援しえん者しゃは、リヤカーに乗のせて避難ひなんさせることを計画けいかくしています。

しかし地区ちくには古ふるい家屋かおくが多おおく、今回こんかいの地震じしんでも屋根やね瓦かわらや壁かべが壊こわれる被害ひがいが相次あいついだことから、今後こんご、崩くずれた屋根やね瓦かわらなどが避難ひなんの妨さまたげになる懸念けねんがあるということです。

自主じしゅ防災ぼうさい会かいでは、今回こんかいの地震じしんを教訓きょうくんにして、避難ひなんルートやマニュアルを見直みなおすなど、対策たいさくを進すすめることにしています。

自主じしゅ防災ぼうさい会かい「避難ひなんルートの見直みなおしなど対策たいさくを検討けんとう」

自主じしゅ防災ぼうさい会かいの脇田わきた会長かいちょうは「今回こんかいの地震じしんで被害ひがいが出でたので、南海なんかいトラフ巨大きょだい地震じしんが起おきたらどうなるのか危機きき感かんを感かんじた。避難ひなんルートの見直みなおしなど早急そうきゅうに対策たいさくを検討けんとうしないといけない」と話はなしていました。

専門せんもん家か「避難ひなんの実効じっこう性せいを高たかめることが大切たいせつ」

住民じゅうみんの避難ひなん行動こうどうに詳くわしい愛媛えひめ大学だいがく防災ぼうさい情報じょうほう研究けんきゅうセンターの二神にかみ透とおる副ふくセンター長ちょうに話はなしを聞ききました。

「津波つなみが想定そうていされる沿岸えんがん地域ちいきでは複数ふくすうの避難ひなん経路けいろを想定そうていしたり、夜間やかんの訓練くんれんを行おこなったりして、避難ひなんの実効じっこう性せいを高たかめることが大切たいせつだ。今回こんかいの地震じしんを教訓きょうくんにそれぞれの地域ちいきで南海なんかいトラフ地震じしんへの備そなえを進すすめてほしい」