日本新聞: 星野富弘さん死去 78歳手足の自由失い口に筆くわえ創作活動

星野ほしの富とみ弘ひろしさん死去しきょ 78歳さい手足てあしの自由じゆう失うしない口くちに筆ふでくわえ創作そうさく活動かつどう

Apr 30, 2024 18:04

Furigana

事故じこで手足てあしの自由じゆうを失うしない、口くちに筆ふでをくわえて絵画かいがや詩しの創作そうさく活動かつどうを続つづけていた群馬ぐんま県けん出身しゅっしんの星野ほしの富とみ弘ひろしさんが、28日にち、呼吸こきゅう不全ふぜんのため亡なくなりました。78歳さいでした。

星野ほしの富とみ弘ひろしさんは1946年ねん（昭和しょうわ21年ねん）、現在げんざいの群馬ぐんま県けんみどり市し、旧東きゅうとう村むらで生うまれました。

群馬ぐんま大学だいがくを卒業そつぎょう後ご、中学校ちゅうがっこうの教員きょういんだった20代だいの時とき、部ぶ活動かつどうの指導しどう中ちゅうの事故じこで手足てあしの自由じゆうを失うしないました。

入院にゅういん中ちゅうに口くちに筆ふでをくわえて文字もじや絵えを書かき始はじめたのをきっかけに創作そうさく活動かつどうをスタートさせ、一ひとつの作品さくひんの中なかに絵えと詩しが盛り込もりこまれた「詩し画が」と呼よばれる作品さくひんを生み出うみだしてきました。

作品さくひんをまとめた「花はなの詩し画展がてん」は全国ぜんこく各地かくちで開ひらかれて話題わだいとなり、その後そのご、ニューヨークやサンフランシスコなどでも作品さくひん展てんが開ひらかれました。

また、みどり市しにある「富とみ弘ひろ美術館びじゅつかん」は開館かいかんからことしで33年ねん目めを迎むかえ、これまでの入館にゅうかん者しゃは700万まん人にんを超こえています。

「富とみ弘ひろ美術館びじゅつかん」によりますと、星野ほしのさんは1年ねんほど前まえまで創作そうさく活動かつどうを続つづけていたということですが、28日にち、呼吸こきゅう不全ふぜんのため、みどり市内しないの病院びょういんで亡なくなりました。

78歳さいでした。

葬儀そうぎは近親きんしん者しゃのみで行おこない、後日ごじつ、お別わかれの会かいが開ひらかれる予定よていです。

また、「富とみ弘ひろ美術館びじゅつかん」には5月つき1日にちから記帳きちょう所しょが設もうけられるということです。

富とみ弘ひろ美術館びじゅつかん聖きよし生なま館長かんちょう「優やさしさや強つよさが自然しぜんと作品さくひんに反映はんえい」

星野ほしの富とみ弘ひろしさんが亡なくなったことについて、「富とみ弘ひろ美術館びじゅつかん」の館長かんちょうで星野ほしのさんと幼おさななじみだという聖きよし生なま清重きよしげさんはNHKの取材しゅざいに対にたいし、「長ながいつきあいで、自分じぶんが館長かんちょうになってからは富とみ弘ひろしさんと美術館びじゅつかんのことが頭あたまのほとんどを占しめていた。落ち着おちついたら頭あたまが空からっぽになってしまいそうだ」と話はなしていました。

また、星野ほしのさんのこれまでの歩あゆみや作品さくひんについては「事故じこで手足てあしが不自由ふじゆうになって絶望ぜつぼうに突き落つきおとされても、創作そうさく活動かつどうで生いきる希望きぼうをつかんでいた。彼かれが持もつ優やさしさや強つよさが自然しぜんと作品さくひんに反映はんえいされて、見みた人ひとが共感きょうかんしたり励はげまされたりして生いきる力ちからをもらったと思おもう」と評価ひょうかしていました。