松山まつやま 土砂崩どしゃくずれ 現場げんばで見みつかった男女だんじょ3人にんの死亡しぼう確認かくにん

12日にち午前ごぜん4時じ前まえ、松山まつやま市し緑町みどりちょうで頂上ちょうじょうに松山まつやま城じょうがある山やまの斜面しゃめんが幅はば50メートル、高たかさ100メートルにわたって崩れ落くずれおち、複数ふくすうの住宅じゅうたくやマンションに土砂どしゃが流れ込ながれこみました。

このうち木造もくぞう住宅じゅうたくに住すんでいる90代だいの夫おっとと80代だいの妻つま、それに40代だいの息子むすこの3人にんと連絡れんらくがとれなくなっています。

消防しょうぼうと警察けいさつは1日にち余あまりにわたって現場げんばで捜索そうさく活動かつどうを続つづけ、県けんによりますと13日にち午後ごご、男性だんせい2人にんと女性じょせい1人にんのあわせて3人にんが見みつかり、その後そのご、3人にんの死亡しぼうが確認かくにんされたということです。警察けいさつが身元みもとの確認かくにんを急いそいでいます。

松山まつやま市し清水しみず地区ちくでは引き続ひきつづき「緊急きんきゅう安全あんぜん確保かくほ」

土砂崩どしゃくずれが起おきたことを受うけて現場げんば周辺しゅうへんの松山まつやま市し清水しみず地区ちくでは、引き続ひきつづき1万まん3226世帯せたい、2万まん2062人にんに「緊急きんきゅう安全あんぜん確保かくほ」が出だされています。

松山まつやま市しは少すこしでも安全あんぜんな場所ばしょで命いのちが助たすかる可能かのう性せいの高たかい行動こうどうをとるよう呼よびかけていて、市しによりますと13日にち午後ごご4時半じはんの時点じてんで、3か所かしょの避難ひなん所しょにあわせて31世帯せたい55人にんが避難ひなんしています。

松山まつやま地方ちほう気象台きしょうだいによりますと、県内けんないでは14日にちにかけても断続だんぞく的てきに雷かみなりを伴ともなった雨あめが降ふる見込みこみで、これまでの大雨おおあめで地盤じばんが緩ゆるんでいるところや、ことし4月つきの地震じしんで揺ゆれが大おおきかった地域ちいきでは、少すこしの雨あめでも土砂どしゃ災害さいがいが起おきるおそれがあります。

気象台きしょうだいは14日にち夕方ゆうがたにかけて県内けんない全域ぜんいきで土砂どしゃ災害さいがいに十分じゅうぶん注意ちゅういするよう呼よびかけています。また、落雷らくらいや竜巻たつまきなどの激はげしい突風とっぷうにも注意ちゅういしてください。

捜索そうさくに参加さんかの消防しょうぼう団だん員いん「亡なくなられて残念ざんねん」

12日にちから13日にちにかけて土砂崩どしゃくずれの現場げんばの捜索そうさく活動かつどうに消防しょうぼう団だん員いんとして参加さんかした40代だいの男性だんせいは、「住宅じゅうたくがあった場所ばしょは、跡形あとかたもない状態じょうたいになっていて、一瞬いっしゅんで流ながされてしまったのだと思おもった。早はやく見つけ出みつけだしてあげたいという思おもいで捜索そうさくにあたっていたが、土砂どしゃだけでなく、大おおきな木きも流れ込ながれこんでいて、雨あめが降ふる中なか、とても難航なんこうした」と話はなしていました。

また50代だいの消防しょうぼう団だん員いんの男性だんせいは、「膝下ひざもとくらいまで土砂どしゃがあって非常ひじょうに歩あるきにくい状況じょうきょうだった。行方ゆくえ不明ふめいになっている方ほうを少すこしでも早はやく救出きゅうしゅつしたいという思おもいで活動かつどうしていたが、亡なくなられて残念ざんねんだ」と話はなしていました。

「土砂崩どしゃくずれは3回かい発生はっせい」証言しょうげんも

現場げんば近ちかくの住民じゅうみんからは「土砂崩どしゃくずれは3回かい、発生はっせいした」といった証言しょうげんが相次あいついでいます。

現場げんば向むかいのマンションに住すむ大学生だいがくせいは、「土砂崩どしゃくずれは全部ぜんぶで3回かい起おきた。1回かい目めは午前ごぜん4時じ前まえで、突然とつぜん、雷かみなりが落おちたような大おおきな音おとで外そとをみると、土どの臭においが立たちこめ、山やまが崩くずれたことに気きづいた。2回かい目めは午前ごぜん5時じ前まえ、木きが倒たおれるような音おとで、再ふたたび土砂どしゃが流れ込ながれこんだ。その際さいに、住宅じゅうたくは押おしつぶされ屋根やねが見みえなくなった。さらに30分ふん後ごの3回かい目め、山やまから道路どうろに向むかい泥どろを含ふくんだ大量たいりょうの水みずが一気いっきに流れ出ながれでてきた」と話はなしていました。

また近ちかくに住すむ大学生だいがくせいは、「午前ごぜん4時じごろに1回かい目めの土砂崩どしゃくずれが起おきて、家いえが崩くずれそうになっていた。そのあと午前ごぜん5時じぐらいに2回かい目めがきて、住宅じゅうたくの屋根やね瓦かわらとかがほとんど落おちていた」と話はなしていました。

現場げんばに隣接りんせつするマンションの60代だいの男性だんせいは、「午前ごぜん4時じごろ1回かい目めの土砂崩どしゃくずれが起おきて消防しょうぼうや警察けいさつが駆かけつけてきた。その後そのご、しばらくして2回かい目め、3回かい目めの土砂崩どしゃくずれがあった。その際さい、住宅じゅうたくに土砂どしゃが流れ込ながれこんできて、大おおきな被害ひがいになっていた」と話はなしました。

現場げんば視察しさつの専門せんもん家か「過去かこに土石流どせきりゅう起おきた跡地あとちと思おもわれる」

土砂崩どしゃくずれの現場げんばを視察しさつした地盤じばん工学こうがくが専門せんもんの香川かがわ大学だいがく 長谷川はせがわ修一しゅういち特とく任にん教授きょうじゅは「現場げんばは谷たにのような地形ちけいで、過去かこに土石流どせきりゅうが起おきた跡地あとちだと思おもわれ、土砂どしゃ災害さいがいが起おきやすい地形ちけいだった」と説明せつめいしました。

松山まつやま城じょうの周辺しゅうへんの斜面しゃめんの多おおくは、土砂どしゃ災害さいがい警戒けいかい区域くいきなどに指定していされていましたが、今回こんかい、被害ひがいが起おきた住宅じゅうたくの一部いちぶは指定していされていませんでした。

理由りゆうについて長谷川はせがわ特とく任にん教授きょうじゅは、「次第しだいに谷たに底そこに土どがたまり、斜面しゃめんがなだらかになったため、結果けっか的てきに土砂どしゃ災害さいがいのリスクが低ひくいと判断はんだんされたとみられる。同おなじような地形ちけいは各地かくちにあり、土砂どしゃ災害さいがい警戒けいかい区域くいきの指定していのあり方ありかたや対策たいさくを見直みなおす必要ひつようがある」と指摘してきしています。