フィリピンに
ある洞窟から
小型の
人類の
化石が
見つかり、
歯の
形などの
特徴が
これまでに
見つかっている
ほかの
人類とは
異なることから、
研究グループは、
およそ5万年前に
姿を
消した
新種の
人類だとしています。フランスの
国立自然史博物館やフィリピン
大学などの
研究チームは、フィリピン
北部の
ルソン島に
ある「カラオ
洞窟」で
行った
発掘調査の
結果を、10
日、イギリスの
科学雑誌、「ネイチャー」に
発表しました。
それによりますと、洞窟の石灰岩の地層からは、2007年以降、人類のものとみられる歯や足の指の骨、それに太ももの部分とみられる骨の化石が見つかっていて、分析の結果、身長1メートルほどの人類のものであることが分かりました。
そして、特徴を調べると、足の指の骨は300万年ほど前にアフリカに生息していた初期の人類「アウストラロピテクス」と同じように曲がり、木登りしやすいようになっている一方で、歯の根の部分の形が、現在の人類「ホモ・サピエンス」を含めたこれまでに知られているすべての人類と異なっているということです。
このため研究グループは、見つかった化石を新種の人類だとして、「ホモ・ルゾネンシス」=ルソン島の人と名付けました。
年代測定の結果、およそ5万年前に姿を消した小型の人類だとみられるということで、研究グループは人類の進化を考えるうえで重要な発見だとしています。