英語えいごなどで授業じゅぎょうの小中しょうちゅう学校がっこう この5年ねんで2倍ばい近ちかくに 人気にんきの理由りゆうは

義務ぎむ教育きょういくの学校がっこうは原則げんそく、学習がくしゅう指導しどう要領ようりょうに基もとづいて授業じゅぎょうが行おこなわれますが、国くにの認可にんかを受うければ、数学すうがくや社会しゃかいなどの授業じゅぎょうを英語えいごなどの外国がいこく語ごで行おこなうことができます。

文部もんぶ科学かがく省しょうによりますと、国くにの認可にんかを受うけてこうした特例とくれい的てきな教育きょういくを行おこなっている学校がっこうがことし4月つき時点じてんでいずれも私立しりつの小中しょうちゅう学校がっこうで、16の都道とどう府県ふけんの49校こうにのぼっていることがわかりました。

内訳うちわけをみますと、小学校しょうがっこう26校こうと中学校ちゅうがっこう23校こうで2020年ねんの27校こうと比くらべて2倍ばい近ちかくに増ふえています。

近年きんねん、同おなじように英語えいごなどで授業じゅぎょうを行おこなうインターナショナルスクールが人気にんきですが、学費がくひが高額こうがくなところもあるうえ、多おおくが法律ほうりつで規定きていされる学校がっこう、いわゆる「一条いちじょう校こう」ではありません。

そのため保護ほご者しゃが子こどもを通かよわせた場合ばあい、学校がっこう教育きょういく法ほうにより就学しゅうがく義務ぎむ違反いはんとなるおそれがあるほか、小学校しょうがっこうなどを卒業そつぎょうしたと認みとめられないことがあります。

“6割わり以上いじょうの授業じゅぎょうを英語えいごで” 国際こくさいコース新設しんせつで倍率ばいりつ4倍ばい以上いじょうに

義務ぎむ教育きょういくの学校がっこうで去年きょねん、新あらたに国際こくさいコースを設もうけた都内とないの私立しりつ小学校しょうがっこうでは授業じゅぎょうの6割わり以上いじょうを英語えいごで行おこなっていて、人気にんきを集あつめています。

東京とうきょう・世田谷せたがや区くにある私立しりつの小学校しょうがっこうではグローバルに活躍かつやくできる人材じんざいを育そだてようと国くにの認可にんかを受うけて去年きょねん、新あらたに定員ていいん36人にんの「国際こくさいコース」を設もうけました。

「国際こくさいコース」では算数さんすうや理科りか、音楽おんがくなど全体ぜんたいの6割わり以上いじょうの授業じゅぎょうを英語えいごだけで教おしえています。

日本人にっぽんじんの担任たんにんに加くわえて2人にんの外国がいこく人じんの先生せんせいも授業じゅぎょうに加くわわり、日本にっぽん語ごの教科書きょうかしょを英語えいごに訳やくした教科書きょうかしょを使つかってより英語えいごに触ふれられる環境かんきょうを整ととのえています。

取材しゅざいした日ひの算数さんすうの授業じゅぎょうでは児童じどうが足し算たしざんの答こたえを英語えいごで発表はっぴょうしたり、3人にんグループを作つくって互たがいに英語えいごで質問しつもんしあったりしていました。

学校がっこうでは、提携ていけいする海外かいがいの学校がっこうの児童じどうとの交流こうりゅうや海外かいがいでの体験たいけん学習がくしゅうも取り入とりいれることにしていて、卒業そつぎょうまでの6年間ねんかんで高校こうこう卒業そつぎょう程度ていどのレベルとされる英えい検けん2級きゅう相当そうとうの英語えいご力りょくを身みにつけさせることを目指めざしています。

学校がっこうによりますと年間ねんかんの授業じゅぎょう料りょうは100万まん円えん余あまりで、300万まん円えん台だいの所ところもあるインターナショナルスクールと比くらべても低ひくく抑おさえられているとしています。

保護ほご者しゃからの反響はんきょうは大おおきく、去年きょねんの志願しがん者しゃは定員ていいんの3倍ばいを超こえる100人にん以上いじょうだったほか、ことしはさらに定員ていいんの4倍ばい以上いじょうの志願しがんがあったということです。

昭和しょうわ女子じょし大学だいがく附属ふぞく昭和しょうわ小学校しょうがっこうの前田まえだ崇たかし司つかさ校長こうちょうは「子こどもの英語えいご力りょくを高たかめたいというニーズがある一方いっぽうで、いわゆる一条いちじょう校こうとして『通常つうじょうの学校がっこう』で日本語にほんごもしっかり学まなばせたいというニーズもある。

保護ほご者しゃ “義務ぎむ教育きょういくで安心あんしん感かん”

この小学校しょうがっこうの「国際こくさいコース」に子こどもを通かよわせている保護ほご者しゃは義務ぎむ教育きょういくの学校がっこうのカリキュラムで英語えいごが学まなべる環境かんきょうに魅力みりょくを感かんじています。

小学しょうがく2年生ねんせいの娘むすめを「国際こくさいコース」に通かよわせている篠田しのださん夫婦ふうふは、小ちいさいころから英語えいごに慣れ親なれしたしんでほしいと、娘むすめが幼稚園ようちえんの時ときから英語えいごの教育きょういくに力ちからを入いれる施設しせつに通かよわせてきました。

小学校しょうがっこうに上あがるにあたり、インターナショナルスクールも選択せんたく肢しの1つに入いれたといいますが、ネックとなったのが、多おおくが義務ぎむ教育きょういくの学校がっこうと認みとめられていないことでした。

子こどもの将来しょうらいの進路しんろ先さきを海外かいがいに絞しぼり込こんでいるわけではないため、インターナショナルスクールだと特別とくべつな事情じじょうがないかぎりは国内こくないの中学校ちゅうがっこうに進学しんがくできないことに不安ふあんを感かんじたといいます。

一方いっぽうで、この学校がっこうでは英語えいごだけではなく、学習がくしゅう指導しどう要領ようりょうに沿そう形かたちで国語こくごや道徳どうとくの授業じゅぎょうを日本語にほんごで学まなべることも決め手きめてになったといいます。

母親ははおやの篠田しのだ菜摘なつみさんは「インターナショナルスクールに通かよわせることにはハードルがあるなかで、日本にっぽんの学校がっこうのカリキュラムの中なかで英語えいごを学まなべることは非常ひじょうに大おおきな魅力みりょくだと思おもう」と話はなしていました。

専門せんもん家か “今後こんごも開校かいこう 増ふえるとみられる”

インターナショナルスクールや外国がいこく語ご教育きょういくなどに詳くわしい国際こくさい教育きょういく評論ひょうろん家かの村田むらた学まなぶさんは「義務ぎむ教育きょういくを英語えいごで学まなばせたい保護ほご者しゃが増ふえていて、人気にんきとなっている。

授業じゅぎょうを外国がいこく語ごで行おこなう義務ぎむ教育きょういくの小中しょうちゅう学校がっこうが増加ぞうかしていることについて、村田むらたさんは英語えいごを学まなべる幼児ようじ施設しせつの急増きゅうぞうが背景はいけいにあるとし、「幼よう保ほ無償むしょう化かにより保護ほご者しゃの負担ふたんが少すくなくなったことを追い風おいかぜに施設しせつ数すうは700以上いじょうに増加ぞうかし、卒そつ園えん後ごも英語えいごで学まなべる小学校しょうがっこうに進学しんがくしたい家庭かていが増ふえている」と指摘してきします。

そのうえで「インターナショナルスクールに通かよう場合ばあい、多おおくが義務ぎむ教育きょういくを受うけたとみなされないため、義務ぎむ教育きょういくを英語えいごで学まなばせたい保護ほご者しゃも増ふえていて、人気にんきとなっている」と分析ぶんせきしています。

さらにこうした義務ぎむ教育きょういくの学校がっこうは、インターナショナルスクールより学費がくひが安やすい場合ばあいが多おおく、教育きょういく熱ねつが高たかい共働ともばたらき世帯せたいの増加ぞうかなども後押あとおししているということです。

村田むらたさんは「現状げんじょうでは英語えいごで学まなべる義務ぎむ教育きょういくの学校がっこうの数かずがまだ少すくない状況じょうきょうで、住すんでいる地域ちいきにないためインターナショナルスクールに通かよわせているケースもある。