琴きんノ若わか 大関おおぜき昇進しょうしん決定けってい 千葉ちば県けん出身しゅっしんの力士りきしでは69年ねんぶり

琴きんノ若わかは新しん関脇せきわけで迎むかえた去年きょねんの秋場所あきばしょで9勝しょう、続つづく九州きゅうしゅう場所ばしょで11勝しょう、そして今月こんげつ28日にちまで行おこなわれた初はつ場所ばしょでは優勝ゆうしょう争あらそいに加くわわって13勝しょうを挙あげ、三さん役やくで臨のぞんだ直近ちょっきんの3場所ばしょの勝ち星かちぼしの合計ごうけいを大関おおぜき昇進しょうしんの目安めやす「33」に届とどかせていました。

日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいは31日にち次じの春場所はるばしょに向むけた番付ばんづけ編成へんせい会議かいぎと臨時りんじの理事りじ会かいを開ひらき、琴きんノ若わかの大関おおぜき昇進しょうしんを正式せいしきに決きめました。

新しん大関おおぜきが誕生たんじょうするのは去年きょねんの名古屋なごや場所ばしょ後ごに昇進しょうしんした豊昇ほうしょう龍りゅう以来いらいで、日本にっぽん出身しゅっしんの力士りきしではおととしの初はつ場所ばしょ後ごに昇進しょうしんした御嶽みたけ海うみ以来いらい、2年ねんぶりとなります。

また、千葉ちば県けん出身しゅっしんの力士りきしでは昭和しょうわ30年ねんの秋場所あきばしょ後ごに昇進しょうしんした松まつ登のぼる以来いらい、69年ねんぶりです。

このあと、協会きょうかいの使者ししゃが千葉ちば県けん松戸まつど市しの佐渡さどヶ嶽たけ部屋へやに向むかい、大関おおぜき昇進しょうしんの伝達でんたつ式しきが行おこなわれる予定よていです。

琴きんノ若わかがどのようなことばで大関おおぜきとしての決意けついを述のべるのか「口上こうじょう」が注目ちゅうもくされます。

また、琴きんノ若わかは、祖父そふの元もと横綱よこづな 琴きん櫻さくらから生前せいぜん、大関おおぜきに昇進しょうしんすればしこ名しこなを襲名しゅうめいすることを許ゆるされています。

一方いっぽうで師匠ししょうで父ちちの佐渡さどヶ嶽たけ親方おやかたによりますと、琴きんノ若わかは大関おおぜきに昇進しょうしんしても、当面とうめんはしこ名しこなを変かえずに土俵どひょうに上あがりたい意向いこうを持もっているということで、しこ名しこなを改あらためるのか、その判断はんだんも注目ちゅうもくされます。

千葉ちば県けん松戸まつど市し出身しゅっしんの26歳さい 祖父そふは元もと横綱よこづな 父ちちは元もと関脇せきわけ

祖父そふは元もと横綱よこづな 琴きん櫻さくら、父ちちは師匠ししょうである元もと関脇せきわけ 琴きんノ若わかの佐渡さどヶ嶽たけ親方おやかたと、3代だい続つづけての幕内まくうち力士りきしです。

埼玉さいたま栄さかえ高校こうこうを卒業そつぎょう後ご、佐渡さどヶ嶽たけ部屋へやに入門にゅうもんし、平成へいせい27年ねんの九州きゅうしゅう場所ばしょで初はつ土俵どひょうを踏ふみました。

恵めぐまれた体格たいかくを生いかした四つ相撲よつずもうを持ち味もちあじに令りょう和わ元年がんねんの名古屋なごや場所ばしょで新しん十じゅう両りょうに昇進しょうしんして師匠ししょうの父ちちからしこ名しこなを譲り受ゆずりうけ、次つぎの年としには新しん入幕にゅうまくを果はたしました。

そして、去年きょねんの初はつ場所ばしょで新しん三さん役やくとなる小結こむすびに昇進しょうしんし、名古屋なごや場所ばしょでは11勝しょう4敗はいの成績せいせきを残のこして続つづく秋場所あきばしょでは関脇せきわけに番付ばんづけを上あげて、父ちちの最高さいこう位いに並ならびました。

三さん役やく昇進しょうしん後ごの去年きょねん1年間ねんかんはすべて勝ち越かちこすなど安定あんてい感かんが増まし、迎むかえた初はつ場所ばしょでは得意とくいの右みぎ四よっつに加くわえて祖父そふの相撲すもうの映像えいぞうを見みて磨みがいた押おし相撲すもうでも力ちからを発揮はっきし、初はつ優勝ゆうしょうこそ逃のがしたものの、13勝しょう2敗はいの好こう成績せいせきを収おさめました。

伝達でんたつ式しきでの口上こうじょう これまでの力士りきしたちは

大関おおぜき昇進しょうしんは日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいの使者ししゃが新しん大関おおぜきと師匠ししょうのもとを訪おとずれて直接ちょくせつ伝達でんたつし、新しん大関おおぜきは受諾じゅだくする意思いしを示しめすとともに大関おおぜきとしての決意けついを込こめた「口上こうじょう」を述のべます。

過去かこの口上こうじょうでは四よん字じ熟語じゅくごを用もちいる例れいが多おおく、平成へいせいの大だい横綱よこづな 貴乃花たかのはなが平成へいせい5年ねんに大関おおぜきに昇進しょうしんした際さいには「今後こんごも不撓ふとう不屈ふくつの精神せいしんで相撲すもう道どうに精進しょうじんします」と述のべました。

「不撓ふとう不屈ふくつ」は「どんな苦労くろうや困難こんなんにもくじけないこと」という意味いみで、貴乃花たかのはなは横綱よこづな昇進しょうしんの際さいにも用もちいていました。

また、元もと横綱よこづな・白はく鵬ほうが大関おおぜきに昇進しょうしんした際さいには「大関おおぜきの地位ちいを汚よごさぬよう全身ぜんしん全霊ぜんれいをかけて努力どりょくします」と口上こうじょうを述のべました。

そして、琴きんノ若わかの兄弟子あにでしの元もと大関おおぜき・琴きん奨すすむ菊きくが平成へいせい23年ねんに昇進しょうしんした際さいには「万里ばんり一いち空そらの境地きょうちを求もとめて日々ひび精進しょうじん努力どりょくします」と決意けついを示しめしました。

「万里ばんり一いち空そら」とは剣豪けんごう・宮本みやもと武蔵むさしのことばで、琴きん奨すすむ菊きくは「どんな努力どりょくも目指めざす先さきは1つ、目標もくひょうを見失みうしなわずに努力どりょくを続つづけるという意味いみで使つかった」と説明せつめいしていました。

このほか、去年きょねんの名古屋なごや場所ばしょのあとに昇進しょうしんした豊昇ほうしょう龍りゅうは「気魄きはく一閃いっせん」（きはくいっせん）ということばで「どんなことがあっても力強ちからづよく立ち向たちむかう」決意けついを表現ひょうげんしました。

一方いっぽうで四よん字じ熟語じゅくごなどを使つかわない口上こうじょうもあり、元もと横綱よこづな・稀まれ勢ぜいの里さとが平成へいせい23年ねんに昇進しょうしんした時ときは「大関おおぜきの名なを汚よごさぬよう精進しょうじんします」と述のべました。

また、去年きょねんの夏場なつば所しょ後ごに昇進しょうしんした霧島きりしまも「大関おおぜきの名なを汚よごさぬよう今いままで以上いじょうに稽古けいこして頑張がんばります」と決意けついを示しめしていました。