秋田あきた 倉庫そうこにクマ入り込はいりこみ丸まる2日にち 24時間じかん態勢たいせいで警戒けいかい続つづく

こうした中なか、クマによる被害ひがいが過去かこ最悪さいあくとなる中なか、北海道ほっかいどうや東北とうほくの自治体じちたいは国くにに対にたいし、クマをニホンジカやイノシシと同様どうように「指定してい管理かんり鳥獣ちょうじゅう」に追加ついかし、捕獲ほかくや調査ちょうさなどにかかる費用ひようを国くにが支援しえんする対象たいしょうにしてほしいと要望ようぼうしました。要望ようぼうを受うけて環境省かんきょうしょうの検討けんとう会かいが8日にち「指定してい管理かんり鳥獣ちょうじゅう」に追加ついかするかどうかについて、検討けんとう会かいとしての対策たいさく方針ほうしんを提示ていじすることにしています。

倉庫そうこに入り込はいりこみ丸まる2日にち…

6日にち午前ごぜん11時半じはんごろ、秋田あきた市し御所野ごしょのにある運送うんそう会社かいしゃの倉庫そうこの中なかで体長たいちょう1メートルほどのクマが見みつかり、秋田あきた市しなどは倉庫そうこの出入り口でいりぐちを運搬うんぱん用ようの資材しざいを積み上つみあげてふさぐとともに、倉庫そうこの中なかに箱はこわなとカメラを設置せっちしました。

市しによりますと、8日にち午前ごぜん8時半じはんごろにカメラの電池でんちを交換こうかんするため職員しょくいんが倉庫そうこに入はいったところ、クマはわなにかかっておらず、クマのものと思おもわれる物音ものおとがしたということです。

警察けいさつはこれまでにのべおよそ50人にんの警察官けいさつかんを出だして24時間じかん態勢たいせいで周囲しゅういの警戒けいかいにあたっていて、秋田あきた市しもカメラを通をつうじて監視かんしを続つづけています。

現場げんばはJR秋田あきた駅えきから南東なんとうに7.5キロほど離はなれた物流ぶつりゅうセンターや倉庫そうこなどが並ならぶ地域ちいきで、近ちかくには住宅じゅうたく地ちが広ひろがっています。

この倉庫そうこを使用しようする2つの運送うんそう会社かいしゃによりますと、クマが入り込はいりこんでいるのは倉庫そうこの一部いちぶで、これまでに配送はいそうが遅おくれるなどの影響えいきょうは出でていないということです。

◇秋田あきた “冬眠とうみんする”とされる12月つき以降いこうもクマの目撃もくげきが

一般いっぱん的てきにクマが冬眠とうみんするとされる12月つき以降いこうも秋田あきた県内けんないではクマの目撃もくげきが相次あいつぎ、ことしは7日にちまでに16件けんの目撃もくげき情報じょうほうが寄よせられているということです。

1月つき17日にち、体長たいちょうおよそ50センチのクマ1頭とうが千畑せんはた小学校しょうがっこうのグラウンドの木きに登のぼっていたのを町まちの職員しょくいんが確認かくにんしました。クマが見みつかったのが下校げこう時間じかんと重かさなっていたため、学校がっこうは徒歩とほで帰宅きたくする児童じどうの保護ほご者しゃに迎むかえに来くるよう依頼いらいするなどの対応たいおうに追おわれましたが、けがなどの被害ひがいはありませんでした。クマはおよそ4時間じかん、木きの上うえにとどまり、その場ばから去さったということです。

学校がっこうでは今いまも車くるまで児童じどうを送迎そうげいしている保護ほご者しゃもいて、母親ははおやのひとりは「学校がっこうから自宅じたくまで歩あるくと30分ふんほどかかり、学校がっこうにもクマが出でて怖こわいので、毎日まいにちは大変たいへんですが、いまも車くるまでの送迎そうげいを続つづけています」と話はなしていました。

去年きょねん12月つきには大館おおだて市しで吹雪ふぶきのなか木きに登のぼって柿かきを食たべるクマの様子ようすが撮影さつえいされました。去年きょねん12月つき17日にちに大館おおだて市しの民家みんかの近ちかくで吹雪ふぶきのなか、柿の木かきのきに登のぼるクマをNHKのディレクターが偶然ぐうぜん見みつけ、車くるまの中なかから撮影さつえいしました。撮影さつえいしたディレクターによりますとクマは50センチほどで、住宅じゅうたくの裏うらにある柿の木かきのきを登のぼって柿かきを食たべていて少すくなくとも5分ふん以上いじょう、柿かきを食たべたあと木きから下おりてその場ばから去さったということです。

◇クマに襲おそわれた人ひと“重傷じゅうしょう者しゃの9割わりは顔かおにけが”

秋田あきた県内けんないでは今年度こんねんど、クマに襲おそわれるなどしてけがをした人ひとは1月つき末まつまでで70人にんにのぼり、これまでで最もっとも多おおかった年としの3倍ばい以上いじょうと過去かこ最悪さいあくとなりました。

このうち、重傷じゅうしょうを負おった20人にんの治療ちりょうにあたった秋田あきた市しの秋田あきた大学だいがく医学部いがくぶ附属ふぞく病院びょういんによりますと、負傷ふしょうの部位ぶいは、を占しめました。

次ついで

▽上半身じょうはんしんの腕うでや肩かたなどの上肢じょうしが14人にん

▽頭あたまが11人にん

▽下半身かはんしんのひざやももなどの下肢かしが8人にんと、

傷きずは顔かおや頭あたまが中心ちゅうしんだったということです。

顔かおにけがをした18人にんを詳くわしく見みると

▽3人にんが片目かためを失明しつめいしたほか

▽9人にんが骨折こっせつと診断しんだんされたということです。

このほか、傷口きずぐちに細菌さいきんが残のこり感染かんせん症しょうを発症はっしょうした人ひとが4人にんとなり、完治かんじするまでに2か月かげつ近ちかく入院にゅういんした人ひともいたということです。

また、襲おそわれたときの記憶きおくを思い出おもいだす「フラッシュバック」に苦くるしむなど急性きゅうせいストレス障害しょうがいを発症はっしょうする人ひともいて、心こころのケアが必要ひつような人ひともいたということです。

治療ちりょうにあたった土田つちた英臣ひでおみ 医師いし

「クマによる被害ひがいは全身ぜんしんにわたり、複数ふくすうの診療しんりょう科かで治療ちりょうにあたる必要ひつようがあるが、特とくに顔かおがねらわれやすく重傷じゅうしょうとなりやすいことが患者かんじゃの傾向けいこうからもわかった。治療ちりょうが長期ちょうき化かしやすく元もとの生活せいかつに戻もどるのが困難こんなんになる場合ばあいもあるため、クマと出会であったら顔かおと頭あたまは必かならず守まもってほしい」

◇クマの被害ひがい 全国ぜんこくでも初はつの200人にん超ちょう 過去かこ最悪さいあくに

クマの被害ひがいは全国ぜんこく的てきにも増ふえています。今年度こんねんど、クマの被害ひがいにあった人ひとは国くにのまとめでは1月つき末まつまでで218人にんにのぼり、統計とうけいを取とり始はじめてから初はじめて200人にんを超こえる過去かこ最悪さいあくの被害ひがいとなっています。

都道とどう府県ふけん別べつにみると、死亡しぼうした人ひとは

▽北海道ほっかいどうと岩手いわてで、それぞれ2人にん

▽富山とやまと長野ながので、それぞれ1人にんで、あわせて6人にんにのぼりました。

また、けがをしたのは

▽秋田あきたで70人にん

▽岩手いわてで47人にん

▽福島ふくしまで15人にん

▽青森あおもりと長野ながので11人にんとなり、

東北とうほく地方ちほうでの被害ひがいが7割わりを占しめています。

クマが冬眠とうみんするとされる12月つき以降いこうも被害ひがいは出でていて

▽石川いしかわで3人にん▽岩手いわてで2人にん▽福島ふくしまで1人にんのあわせて6人にんがけがをしました。

秋田あきた県内けんないでこの時期じきにクマが相次あいついで目撃もくげきされていることについて、クマの生態せいたいに詳くわしい東京とうきょう農工のうこう大学だいがく大学院だいがくいんの小池こいけ伸介しんすけ教授きょうじゅは「クマは基本きほん的てきに冬眠とうみんするが、冬眠とうみんする穴あなの周辺しゅうへんで人ひとが騒さわぐなどして環境かんきょうが悪わるい場合ばあい、途中とちゅうで場所ばしょを変かえることがあるので、その途中とちゅうで目撃もくげきされた可能かのう性せいがある」と指摘してきしています。

また、秋田あきた県内けんないでは子グマこぐまとみられる体長たいちょうの比較的ひかくてき小ちいさいクマが多おおく目撃もくげきされているということで「子グマこぐまは冬眠とうみん中ちゅうに生うまれ、その後そのご1年ねん半はんほど母ははグマと過すごしたあともう一度もういちど母ははグマと一緒いっしょに冬眠とうみんするが、母ははグマが死しぬなどしてはぐれてしまった場合ばあいに、子グマこぐまが冬眠とうみんの方法ほうほうがわからずさまよっている状況じょうきょうも考かんがえられる」としたうえで「冬眠とうみんの方法ほうほうがわからないクマは食べ物たべものを探さがす必要ひつようがあり、去年きょねん秋あきに集落しゅうらくで柿かきなどを食たべていた場合ばあい、この時期じきに集落しゅうらくに出でて雪の下ゆきのしたに柿かきなどが落おちていないか探さがすことも考かんがえられる」として、クマを見みかけたら刺激しげきしないようゆっくり距離きょりをとり、建物たてものや車くるまの中なかに避難ひなんしてほしいと話はなしていました。

環境省かんきょうしょうの検討けんとう会かい 対策たいさく方針ほうしんを提示ていじへ

クマによる被害ひがいが過去かこ最悪さいあくとなる中なか、去年きょねん11月つき、北海道ほっかいどうや東北とうほくの自治体じちたいは国くにに対にたいし、クマをニホンジカやイノシシと同様どうようにに追加ついかし、捕獲ほかくや調査ちょうさなどにかかる費用ひようを国くにが支援しえんする対象たいしょうにしてほしいと要望ようぼうしました。

こうした要望ようぼうを受うけて環境省かんきょうしょうは去年きょねん12月つきに専門せんもん家かによる検討けんとう会かいを立たち上あげ、8日にち、指定してい管理かんり鳥獣ちょうじゅうに追加ついかするかどうかについて、検討けんとう会かいとしての対策たいさく方針ほうしんを提示ていじすることにしています。