フィリピンで、
太平洋戦争末期に
旧日本軍とアメリカ
軍による
市街戦に
巻き込まれて10
万人が
犠牲になったとされる「マニラ
市街戦」の
歴史を
語り継ごうと、17
日、
現地で
遺族たちが
講演会を
開き、
記憶を
風化させてはならないと
訴えました。
この講演会は、太平洋戦争末期にフィリピンで起きた「マニラ市街戦」の歴史を語り継ごうと犠牲者の遺族らでつくる団体が17日、マニラ市で開きました。
マニラ市内では1945年2月から3月にかけて旧日本軍とアメリカ軍の間で激しい市街戦が繰り広げられ、フィリピン当局はおよそ10万人の市民が戦闘に巻き込まれたり旧日本軍に殺害されたりして死亡したとしています。
79年がたち、当時を知る生存者がほとんどいない中、講演会では遺族たちが残された証言を語り聞かせました。
このうち、84歳の女性は、祖父母が自宅で旧日本軍の兵士に殺害され、家屋とともに燃やされたとする目撃者の証言を読み上げました。
女性は、「遺体は見つからないままで、私の家族に行われた地獄のような残虐な行為の痕跡も残されてはいません。私たちや未来の世代に、二度とこのようなことが起こらないことを願っています」と話し、記憶を風化させてはならないと訴えました。
日本から訪れ参加した19歳の女子学生は、「すごいショックだったし、日本人として申し訳ない。家族とか友達とかに少しでも伝えたいと思う」と話していました。