日本新聞: 象牙を使わない箏の爪できるバイオマス素材で象牙に近い響き

象牙ぞうげを使つかわない箏そうの爪つめできるバイオマス素材そざいで象牙ぞうげに近ちかい響ひびき

Nov 14, 2022 18:11

Furigana

ワシントン条約じょうやくで国際こくさい的てきな取り引とりひきが原則げんそく、禁止きんしされている象牙ぞうげを使つかわない箏そうの爪つめが新あらたに開発かいはつされました。植物しょくぶつ由来ゆらいのバイオマス素材そざいで作つくられ、象牙ぞうげに近ちかい音おとの響ひびきを実現じつげんしたということです。

開発かいはつされたのは、植物しょくぶつの繊維せんいを細こまかくほぐしたバイオマス素材そざい、セルロースナノファイバーで作つくられた箏そうの爪つめで、大手おおて商社しょうしゃや和楽わらく器きメーカーなどが14日にちから販売はんばいを開始かいししました。

箏そうの爪つめに使つかわれる象牙ぞうげは、1990年ねんにワシントン条約じょうやくで国際こくさい的てきな取り引とりひきが原則げんそく、禁止きんしされましたが、音おとの響ひびきに影響えいきょうする和楽わらく器きの部材ぶざいとしては、法律ほうりつに基もとづく管理かんりのもとで、限定げんてい的てきに国内こくないでの取り引とりひきが認みとめられてきました。

今回こんかい開発かいはつされた箏そうの爪つめは、プラスチックを使つかった代替だいたい品ひんより価格かかくは5倍ばい以上いじょう高たかくなりますが、象牙ぞうげに近ちかい音おとの響ひびきや指ゆびへのなじみ方かたを実現じつげんしたということです。

今後こんごは三味しゃみ線せんのバチなどの開発かいはつも検討けんとうしているということです。

実演じつえんしたプロの箏そう奏者そうしゃのLEOさんは「素材そざいの吸水きゅうすい性せいや密度みつどが象牙ぞうげに近ちかい」などと話はなしていました。

象牙ぞうげの取り引とりひきをめぐっては、14日にちからパナマで始はじまったワシントン条約じょうやくの締約ていやく国こく会議かいぎで、日本にっぽんなど国内こくないでの取り引とりひきが限定げんてい的てきに認みとめられている国くにの管理かんり状況じょうきょうなどが議題ぎだいとなる予定よていで、開発かいはつした大手おおて商社しょうしゃなどでは象牙ぞうげの代替だいたい品ひんの普及ふきゅうを進すすめていきたいとしています。