福井ふくい再審さいしん前川まえかわあきらつかささんに無罪むざい判決はんけつ今後こんご検察けんさつ上告じょうこくするか焦点しょうてん


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N1 Jul 19, 2025 05:07 308
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39さんじゅうきゅうねんまえ福井ふくい女子じょし中学生ちゅうがくせい殺害さつがいされた事件じけん再審さいしん=やりしの裁判さいばん18じゅうはちにち前川まえかわあきらつかささんに無罪むざい判決はんけつわたされました。判決はんけつ関係かんけいしゃ証言しょうげん誘導ゆうどうしたなど捜査そうさ機関きかんきびしく批判ひはんしていて、今後こんご検察けんさつ上告じょうこくするかどうかが焦点しょうてんとなります。

39さんじゅうきゅうねんまえ1986せんきゅうひゃくはちじゅうろくねん福井ふくい中学ちゅうがく3さんねん女子じょし生徒せいと殺害さつがいされた事件じけん再審さいしんで、18じゅうはちにち名古屋なごや高等こうとう裁判所さいばんしょ金沢かなざわ支部しぶ前川まえかわあきらつかささんに無罪むざいわたしました。

判決はんけつは、有罪ゆうざいとされてきた知人ちじんらの目撃もくげき証言しょうげんについて、「捜査そうさまった捜査そうさ機関きかん誘導ゆうどうなどの不当ふとうはたらきかけをおこない、関係かんけいしゃそれ迎合げいごうした証言しょうげんをした結果けっか形成けいせいされたうたがいが払拭ふっしょくできず、いずれ信用しんようできない」などと指摘してきしたうえで、「検察けんさつ警察けいさつ不正ふせい不当ふとう活動かつどう刑事けいじ司法しほう全体ぜんたいたいする信頼しんらいるがしかねない深刻しんこくなものだ」ときびしく批判ひはんしました。

事件じけん発生はっせいから40よんじゅうねんちかくがたち、逮捕たいほ当時とうじ21にじゅういっさいだった前川まえかわさんは60ろくじゅっさいとなっていて、弁護べんごだん審理しんりこれ以上いじょう長引ながびかせるべきではないとして、検察けんさつたいして最高さいこう裁判所さいばんしょへの上告じょうこく断念だんねんするようもうれました。

名古屋なごや高等こうとう検察庁けんさつちょう取材しゅざいたいし、「判決はんけつ内容ないよう精査せいさ上級じょうきゅうちょうとも協議きょうぎのうえ、対応たいおう検討けんとうしたい」としています。

上告じょうこく期限きげん8はちがつ1ついたちで、今後こんご検察けんさつ上告じょうこくするか、上告じょうこくせずに前川まえかわさんの無罪むざい確定かくていするかが焦点しょうてんとなります。
判決はんけつ検察けんさつ警察けいさつ対応たいおうきびしく批判ひはん
名古屋なごや高裁こうさい金沢かなざわ支部しぶ判決はんけつは、検察けんさつ警察けいさつ捜査そうさ裁判さいばんでの対応たいおうきびしく批判ひはんしました。

目撃もくげき証言しょうげん誘導ゆうどうしたと認定にんてい
もとの裁判さいばんでは「テレビ音楽おんがく番組ばんぐみているときされ、前川まえかわさんをむかえにった。むねのあたりにいた前川まえかわさんをた」という前川まえかわさんの知人ちじん目撃もくげき証言しょうげん有罪ゆうざい根拠こんきょひとつとされました。

これについて判決はんけつでは、おととし検察けんさつ開示かいじした警察けいさつ捜査そうさ報告ほうこくしょによって、この知人ちじんが「事件じけん当日とうじつた」とはなしていた音楽おんがく番組ばんぐみ印象いんしょうてきなシーンが、実際じっさいには事件じけん当日とうじつ放送ほうそうされていなかったことがあきらかになったとして、「警察けいさつあやまった放送ほうそう日時にちじ内容ないようをもとに知人ちじん誘導ゆうどうして、事件じけん当日とうじつ音楽おんがく番組ばんぐみたという証言しょうげんたことがみとめられる。警察官けいさつかん誘導ゆうどうにより、ありもしない体験たいけんについての証言しょうげんつくされていることがあきらかになった」と指摘してきしました。

さらに、この知人ちじん裁判さいばん証言しょうげんしたあと、警察官けいさつかん結婚けっこんいわいとして現金げんきんわたしたことについて、「捜査そうさ段階だんかい調書ちょうしょどおりに証言しょうげんするようはたらきかけ、知人ちじんがこれにおうじて裁判さいばん証言しょうげんしたことへの謝礼しゃれいてき意味合いみあいがめられていたとみなされてもしかたがない。警察官けいさつかん職務しょくむたいする国民こくみん信頼しんらい裏切うらぎ不当ふとう行為こういだ」と批判ひはんしました。

誘導ゆうどう動機どうきは「捜査そうさまり」
判決はんけつではこうした誘導ゆうどう動機どうきについて、「警察けいさつ検察けんさつは、捜査そうさ裁判さいばんでの立証りっしょうまりをかんじ、前川まえかわさんを有罪ゆうざいみたいという思惑おもわくつよっていたことから、誘導ゆうどう意図いと相当そうとうつよかったとすいにんできる」とべました。

そのうえで、「検察けんさつ再審さいしん警察けいさつ関係かんけいしゃ証言しょうげん誘導ゆうどうしたというのは『荒唐こうとう無稽むけい』だと主張しゅちょうしているが、証拠しょうこ関係かんけい全体ぜんたいると、検察けんさつが『荒唐こうとう無稽むけい』と評価ひょうかするような捜査そうさ現実げんじつおこなわれたうたがいがかびがる」と指摘してきしました。

検察けんさつ警察けいさつ不正ふせい刑事けいじ司法しほう信頼しんらいるがす」
さらに判決はんけつでは、検察けんさつがもとの裁判さいばん音楽おんがく番組ばんぐみ放送ほうそう日時にちじ内容ないようについての重大じゅうだいあやまりをあきらかにしなかったことについて、「再審さいしんでもこのてんについてなん納得なっとくできる主張しゅちょうがされていないこともあわせると、らなかったとのがれができるようなはなしではなく、利益りえき事実じじつかくそうとする公正こうせい意図いとがあったとわれてもしかたがない。このあやまりを適切てきせつ是正ぜせいしていれば、再審さいしん請求せいきゅうまえにもとの裁判さいばん無罪むざい判決はんけつ確定かくていした可能かのうせい十分じゅうぶんかんがえられる。
検察けんさつ訴訟そしょう活動かつどうたいしては、公益こうえき代表だいひょうしゃとしての職責しょくせきらし、率直そっちょくって失望しつぼうきんじえない」ときびしく批判ひはんしました。

そして最後さいごに、「検察けんさつ警察けいさつ不正ふせい不当ふとう活動かつどう刑事けいじ司法しほう全体ぜんたいたいする信頼しんらいるがしかねない深刻しんこくなものだ。再審さいしんでの検察けんさつ主張しゅちょうは、これら不正ふせい行為こういからそむけた主張しゅちょうというほかなく、到底とうてい採用さいようできない」とべました。
再審さいしん制度せいど見直みなおしの議論ぎろんすす
再審さいしん手続てつづきをめぐっては、審理しんりなが時間じかんがかかり、えんざい被害ひがいしゃ救済きゅうさいさまたげているとして見直みなおしをもとめるこえがあがり、現在げんざい法制ほうせい審議しんぎかいほう改正かいせい議論ぎろんすすめられています。

長期ちょうきまねいている要因よういん1いちつとして、検察けんさつ裁判さいばん提出ていしゅつしていない証拠しょうこ開示かいじについてのルールさだめられていないことが指摘してきされています。

前川まえかわさんのケースで、再審さいしんみとめるとなった捜査そうさ報告ほうこくしょは、2004にせんよねん以降いこう1いっかい再審さいしん請求せいきゅう審理しんりでは開示かいじされず、2022にせんにじゅうにねん以降いこう2かい再審さいしん請求せいきゅう審理しんりで、裁判所さいばんしょからうながされるかたちでおととし、ようやく開示かいじされました。

再審さいしん無罪むざい確定かくていした袴田はかまだいわおさんのケースでも、最初さいしょ再審さいしんもうててから重要じゅうよう証拠しょうこ開示かいじされるまでにおよそ30さんじゅうねんかかっていて、結果けっかとして、えんざいらすまでにはん世紀せいきあまり歳月さいげつようしました。

こうした状況じょうきょうけて、法務省ほうむしょうほう改正かいせい検討けんとう法制ほうせい審議しんぎかい諮問しもんし、ことし4がつから専門せんもん部会ぶかい専門せんもん裁判官さいばんかん法務ほうむ検察けんさつ弁護士べんごし委員いいんなどによる議論ぎろんはじまりました。

これまでに4よんかいひらかれた会合かいごうでは、証拠しょうこ開示かいじのルールをもうけることに異論いろんはない一方いっぽう開示かいじ対象たいしょうなる範囲はんいについては意見いけんかれています。

このなかで、参考さんこうじんとしてヒアリングをけたもと検事けんじは「通常つうじょう裁判さいばん証拠しょうこ開示かいじよりもひろみとめるのは賛成さんせいできない。裁判所さいばんしょ再審さいしんみとめるかどうかの判断はんだん関連かんれんせい必要ひつようせいあるみとめられる範囲はんいとすべきだ」と主張しゅちょうしました。

こうした見解けんかいたいし、弁護士べんごし委員いいんは「再審さいしんもとめるがわは、検察官けんさつかん無罪むざい方向ほうこう証拠しょうこっているかどうか、事前じぜん把握はあくしていない。範囲はんい限定げんていすると、現在げんざい実務じつむよりも後退こうたいするおそれがある」としてこれまで開示かいじされてきた重要じゅうよう証拠しょうこてこなくなるとうったえました。

法制ほうせい審議しんぎかい部会ぶかいでは、さらに証拠しょうこ開示かいじのありかたなどについて検討けんとうすすめたうえで、法務ほうむ大臣だいじん答申とうしんするほう改正かいせい要綱ようこうのとりまとめを目指めざ方針ほうしんです。







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