アメリカのバイデン政権は、ロシアが北朝鮮から弾道ミサイルの供与を受け、ウクライナに対して相次いで発射したとして、同盟国などとともに、国連の安全保障理事会の決議違反だと強く非難しています。
アメリカ国務省は11日、去年11月以降、北朝鮮からの弾道ミサイルの調達や実験に関わったとして、ロシア国営の航空輸送を行う企業など、3つの団体と幹部1人に制裁を科すと発表しました。
ブリンケン国務長官は声明で「ミサイルの調達はロシアによる武力行使を支援し、ウクライナ市民の苦しみを増大させ、世界の核不拡散体制を弱体化させる」と非難するとともに、今後、さらなる制裁を科すことも辞さない姿勢を示しました。
北朝鮮 国連大使 “わが国に言いがかり 米の根拠のない非難”
一方、北朝鮮の国連大使は、国連安全保障理事会の緊急会合で、ロシアによるウクライナへの大規模な攻撃で、北朝鮮が供与した弾道ミサイルが使われたとして、アメリカなどが非難したことについて「根拠のない非難だ」と反発しました。
1月10日に開かれた国連安全保障理事会の緊急会合で、アメリカや日本などは、ロシアが去年の年末以降、ウクライナに対して行った大規模な攻撃で、北朝鮮から供与された弾道ミサイルが使われたとして、安保理の決議違反だと強く非難しました。
これについて、北朝鮮のキム・ソン国連大使は12日、国営の朝鮮中央通信を通じて談話を発表しました。
この中では、「アメリカは議題と全く関係なく、わが国に言いがかりをつけた。アメリカの根拠のない非難にいちいち論評する必要を感じない」と反発しました。
そのうえで、「ウクライナの事態は徹頭徹尾、ロシアの正当な利益を侵害するアメリカの対決政策によって生じたものだ」と主張し、改めてロシアを擁護しています。
北朝鮮によるロシアへの兵器供与をめぐって、韓国の国防相は11日に、北朝鮮が新型の短距離弾道ミサイルをロシアに供与する可能性があるという見方を示していて、関係国が動向を注視しています。