国土交通省の
元事務次官が、
空港施設の
運営会社に
省のOBを
次期社長にするよう
求めたことをめぐり、
国土交通省は、
元次官に
聞き
取りを
行った
結果、
人事介入の
疑いを
招きかねない
発言が
確認されたことを
明らかにしました。
国土交通省の本田勝 元事務次官は去年12月、空港施設を運営している企業「空港施設」を訪れて社長や会長と面会し、国土交通省の幹部だったこの会社の副社長を、次の役員人事で社長にするよう求め、その際、自身を「OBの名代」だと説明したとされています。
これについて、国土交通省の宇野善昌官房長は、参議院国土交通委員会の理事会で3日、本田氏らに聞き取りを行ったことを明らかにしました。
この中で本田氏は、「OBの名代」と発言したことを認めたうえで、別の2人の事務次官経験者が関心を持っていたためだと説明したということです。
また、「副社長が社長に就任すれば国土交通省としてサポートする」と発言したことも認め、「省のOBとして注意したり相談に乗ったりするという趣旨で、権限をかさに着て、何かをお願いしたいという趣旨ではなかった」と説明したということです。
宇野官房長は、「省が、民間企業の役員人事に介入している疑いを招きかねない発言が事実だと判明し、甚だ遺憾だ」と述べました。
立憲民主党の蓮舫国土交通委員長は記者団に対し、「OBがOBの名前を借りて好き放題やることは、まじめな国家公務員の姿勢も疑われ、厳に慎んでもらいたい。国会で審議したい」と述べました。
山口元副社長「OBが自分に期待と想像」
また斉藤国土交通大臣も、4
日の
閣議のあとの
会見で、
聞き取り
調査を
行った
内容を
明らかにしました。
山口元副社長は、取締役だったおととし5月に自身を副社長にするよう会社側に求めた際、「バックにいる人たちがどう思っているか」などと発言していて、これについて元副社長は聞き取りに対して、「OBが自分に期待していると想像した」などと答えているということです。
一方で国土交通省は、現職の幹部などにも聞き取りを行いましたが、現職の職員の関与や、OBによる組織的な人事のあっせんは、確認できなかったとしています。
斉藤大臣は、「国家公務員を退職した人が、現役時代に担っていた公務の権限を行使できるかのような誤解を招かないよう自覚を持ってもらいたいと元事務次官には注意喚起を行い、本人から『重く受け止めたい』と発言があった」と述べました。