Japanese News: 大学病院医師の時間外労働来年度は約3割が上限超の見込み

大学だいがく病院びょういん医師いしの時間じかん外がい労働ろうどう来年度らいねんどは約やく3割わりが上限じょうげん超ちょうの見込みこみ

Apr 18, 2023 19:04 2

Furigana

来年らいねん4月つきから医師いしの働はたらき方かた改革かいかくが本格ほんかく的てきに始はじまるのを前まえに、国くにが全国ぜんこくの大学だいがく病院びょういんに調査ちょうさしたところ、全体ぜんたいのおよそ3割わりの医師いしが来年度らいねんど、時間じかん外がい労働ろうどう時間じかんの上限じょうげんを超こえる見込みこみであることがわかりました。回答かいとうした大学だいがく病院びょういんの多おおくは、労働ろうどう時間じかんを今いまより短縮たんしゅくすれば研究けんきゅう時間じかんの確保かくほなどに影響えいきょうが出でるとしていて、働はたらき方かた改革かいかくと病院びょういんの機能きのう維持いじの両立りょうりつが課題かだいとなっています。

医師いしの働はたらき方かたをめぐっては、来年らいねん4月つきから患者かんじゃの診療しんりょうにあたる勤務きんむ医いに対にたいして、労働ろうどう基準きじゅん法ほうに基もとづき休日きゅうじつや時間じかん外がい労働ろうどうの上限じょうげん規定きていが適用てきようされる「働はたらき方かた改革かいかく」が始はじまります。

これを前まえに、国くにが去年きょねん12月つきにかけて全国ぜんこく81の大学だいがく病院びょういんを対象たいしょうにアンケート調査ちょうさを行おこなった結果けっか、来年度らいねんど、全体ぜんたいの3割わりにあたる1万まん5000人にん余あまりの医師いしは、時間じかん外がい労働ろうどう時間じかんが上限じょうげんとなる年間ねんかん960時間じかんを超こえる見込みこみであることがわかりました。

ただ、上限じょうげんを超こえる見込みこみの医師いしのほとんどは、地域ちいき医療いりょう維持いじなどのために暫定ざんてい的てきな特例とくれいとして設もうけられる、さらに高たかい上限じょうげんが適用てきようされる対象たいしょうになる見込みこみだということです。

一方いっぽう、労働ろうどう時間じかんを今いまより短縮たんしゅくした場合ばあいの教育きょういくや研究けんきゅうへの影響えいきょうについては、ほとんどの病院びょういんが「研究けんきゅうの時間じかんが確保かくほできなくなる」、「教育きょういくの質しつの低下ていかが生しょうじる」と回答かいとうしたということで、働はたらき方かた改革かいかくと病院びょういんの機能きのう維持いじの両立りょうりつが課題かだいとなっています。

調査ちょうさを行おこなった全国ぜんこく医学いがく部長ぶちょう病院びょういん長ちょう会議かいぎの横手よこて幸太郎こうたろう会長かいちょうは「働はたらき方かた改革かいかくを進すすめるうえで医療いりょう機関きかんだけで解決かいけつできない問題もんだいも多おおく、大学だいがく病院びょういんの機能きのうを維持いじするため、医師いしも行政ぎょうせいも国民こくみんも一緒いっしょになって取り組とりくむ必要ひつようがある」と話はなしていました。

専門せんもん家か「自治体じちたいとも連携れんけいしながら進すすめる必要ひつよう」

医師いしの働はたらき方かた改革かいかくに関にかんする国くにの検討けんとう会かいの委員いいんを務つとめる京都大きょうとだい学がく医学いがく教育きょういく・国際こくさい化か推進すいしんセンターの片岡かたおか仁美ひとみ教授きょうじゅは、医師いしの働はたらき方かたの現状げんじょうについて「医師いしが長時間ちょうじかん労働ろうどうをすることでなんとか医療いりょう提供ていきょう体制たいせいを支ささえてきた部分ぶぶんというのがとても大おおきいが、生産せいさん年齢ねんれい人口じんこうがどんどん減へっていく中なかで、今いまの体制たいせいが長ながく続つづかないのは明白めいはくになっている。患者かんじゃによい医療いりょうを提供ていきょうするために医療いりょう従事じゅうじ者しゃ自身じしんが健康けんこうであることは大切たいせつな条件じょうけんで、過労かろうや睡眠すいみん不足ふそくにつながる長時間ちょうじかん労働ろうどうは見直みなおす必要ひつようがある」と指摘してきしました。

また、働はたらき方かた改革かいかくを進すすめるうえで大切たいせつなこととして「なんとか数字すうじだけを合あわせようとしたり、無理むりに時間じかんだけ削減さくげんしようとしたりしても、長ながい目めで見みるといろいろなゆがみが出でてくる。それぞれの医療いりょう機関きかんが業務ぎょうむ削減さくげんや他た職種しょくしゅとの連携れんけいで担い手にないてを増ふやすなどの取り組とりくみを進すすめるとともに、地域ちいきの医療いりょう機関きかんの役割やくわり分担ぶんたんや医師いしの偏在へんざいの問題もんだいについては、自治体じちたいとも連携れんけいしながら進すすめていく必要ひつようがある。また、患者かんじゃさんにもご理解りかいいただき、共通きょうつうの理解りかいのもとにお互おたがいに歩み寄あゆみよりつつ、働はたらき方かた改革かいかくを進すすめていくことができれば、いちばんよいと思おもう」と話はなしていました。