世界遺産、
姫路城が
ある兵庫県。
しかし、兵庫県内を訪れる観光客は関西からが中心です。
公益財団法人「日本交通公社」によると、首都圏1都3県から訪れる観光客などの割合は、1位の京都府は29.2%、2位の大阪府が28.8%。
一方、兵庫県は9.6%と、関西2府4県で最も低くなっています。
また、観光庁の調査では、4年前に兵庫県を訪れた外国人観光客の消費単価は1人あたり3万円。全国で41位とワースト10に入っています。
人口の多い首都圏からの観光客は相対的に少なく、外国人観光客は訪れたとしても「お金を使っていない」
それが兵庫県の現状です。
2800万人の観光客に期待を寄せて…
そんな
兵庫県が
期待を
寄せるのが、2
年後に
開かれる
大阪・
関西万博。
期間中に訪れる観光客は2800万人とされています。
大阪の万博会場にも兵庫棟を出展しますが、それだけでは足りない。
兵庫県にも実際に足を運んでもらうために、掲げたのが“フィールドパビリオン”という取り組みです。
宍粟市内の森林を自転車で回り“森林セラピー”を楽しんだり、三木市で日本酒のもととなる特産の酒米「山田錦」の田植えを体験したり、神戸市で加工が盛んな真珠を使って、オリジナルのアクセサリーを作ったり。
こうした
産業や
文化の
感じられる
現場そのものを“パビリオン”に
見立てて、
体験を通じて産業や
文化を
知ってもらおうというものです。
これまでに113件のプログラムを認定しました。
期待を寄せる丹波のおかみ
今回の“フィールドパビリオン”に
大きな期待を
寄せているのが、
北東部の
丹波市です。
大阪から車で1時間ほどと近いものの、県北部の観光名所、城崎温泉や京都の天橋立に向かう人たちが通過するばかりです。
それだけに多くの人が訪れる万博は大きなチャンスとみています。
取り組みの中心となっているのは、創業170年を超える酒造会社です。
おかみの
西山桃子さんは、
特に若い世代で
日本酒離れが
進むなか、
万博を
機に
新たな
ビジネスを
始めようと
考えています。
西山桃子さん
「日本酒業界は消費量・出荷量ともに低迷していて、このままでは酒造り自体を続けていけなくなるっていう状況です。丹波という地域でお酒造りを続けていくためには、もっとたくさんの方に、ここに酒蔵があって、伝統を支えているんだっていうことを知っていただく必要があると思いました」
そこで始めたのは、
およそ30
年ぶりの
大きな投資と
なる、
大規模な
改装です。
古くなり使っていなかった酒蔵を発酵技術を生かした料理を楽しめるカフェや、1日1組限定の宿泊施設に作りかえます。
団体客も
受け入れられるよう、
観光バスも
入れる駐車場も
整備しました。
国の
有形文化財にも
登録されている「
迎賓館」
戦前に建てられた和洋折衷の木造家屋で、明治から昭和にかけて活躍した俳人・高浜虚子など文人が多く訪れた歴史ある建物です。
これまで年に数回しか使っていませんでしたが、利き酒を体験できる場所として開放し、外国人観光客の獲得につなげたい考えです。
西山桃子さん「万博やフィールドパビリオンという目標をいただけたことで、蔵の人たちもみんなすごくやる気になっています。日本酒はものづくりの結晶なので、それをもっと知っていただくためにも、多くの人に訪れて体験してもらい、興味を持っていただきたいと思っています」
観光協会もバックアップ
こうした
取り組みを、
地元の
観光協会も
全面的にバックアップしようとしています。
4月から大手旅行会社の元社員を採用し、複数の体験プログラムを組み合わせたツアーなど丹波の魅力を詰め込んだ旅行商品を開発する計画です。
観光協会の会議
取材に
訪れた
日も、
市の
特産の
栗や
黒豆などと
合わせて“
丹波に
行かないと
体験できない”
旅行商品を
作れないか、
議論が
交わされていました。
少しでも知名度を高めようと、動画制作のプロも採用し、SNSなどで発信を強化したいと考えています。
丹波市観光協会 柳川拓三 会長「2025年の大阪・関西万博を契機にして、丹波の足元を見つめて魅力を掘り起こして、フィールドパビリオンの取り組みを発信したり、つなげていくという役割を担っていきたい。丹波をより魅力あるまちにしてお客様を迎え入れたいです」
万博まであと2年 どうする兵庫?
兵庫県の
肝煎りの
取り組み“フィールドパビリオン”
しかし、県民の間でも、まだ十分浸透しているとは言えないようです。
神戸市中心部でインタビューしてみても「知らない」という答えばかり。
“認知度の低さ”を克服し、県内全体の熱量を上げることが欠かせません。
ただ、取り組みについて説明すると、前向きな意見も聞けました。
「いろいろと兵庫県の知らないことが学べるからいいのでは」
「楽しそうですね、全部回ってみたいです」
田植え体験
一方で、
不安視する
声も…
「プログラムの数が圧倒的に多すぎてばらけていると思う。よかれと思っているだろうからうまく取りまとめてほしい」
「これだけ数があると、人気のあるところと、ないところが出てきそうですね」
「各地にあるので行くとしたら交通機関を使うけど、ばらばらでは行きにくいな」
今回用意する113件というプログラムの数が多く、どれを選んだらいいのか分からないといった戸惑いや、必ずしも交通機関が十分に整っていない場所にどうアクセスするのかといった声も出ていました。
こうした声に、県はどのように対応しようとしているのか。
斎藤知事に聞きました。
兵庫県 斎藤元彦知事「多いか少ないかというのはこれからだ。これからまさに磨き上げをして、“これぐらいあってもいいよね”となるよう持って行きたい。フィールドパビリオンどうしをいかに結び付けていくかという意味で、移動手段となるタクシーや、観光協会、観光サイドなどと連携する必要がある。いろんな人たちが議論することによってまた新しいアイデアが生まれてくる」
このように述べて、県としては113件のうち5件を“プレミア・プログラム”として重点的に支援し、ほかのプログラムと組み合わせて売り出すことで、相乗効果を生み出したい考えです。
一方、交通手段についても、地元のタクシーやバスなどの交通事業者や観光協会などとも協議し、移動手段を確保する考えです。
万博まであと2年。フィールドパビリオンのこうした課題を一つ一つクリアし、兵庫県に観光客を呼び込めるのか注目されます。
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Source: NHK
42
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Source: NHK
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Source: NHK
9
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