米べい企業きぎょうの無人むじん月つき着陸ちゃくりく船せん 月面げつめん着陸ちゃくりく成功せいこう 民間みんかん企業きぎょうの開発かいはつでは世界せかい初はつ

月面げつめんに着陸ちゃくりくしたのは、アメリカの宇宙うちゅう開発かいはつ企業きぎょう「インテュイティブ・マシンズ」が開発かいはつした無人むじんの月つき着陸ちゃくりく船せん「ノバC」です。

着陸ちゃくりく船せんは今月こんげつ15日にちに打ち上うちあげられ、およそ1週間しゅうかんかけて月つきへ向むかっていました。

そして23日にち、着陸ちゃくりく船せんは月面げつめんへの降下こうかを開始かいししてエンジンを噴射ふんしゃしながら慎重しんちょうに高度こうどを下さげ、企業きぎょう側がわによりますと日本にっぽん時間じかんの午前ごぜん8時じ23分ふんに月面げつめんに着陸ちゃくりくしたということです。

その後そのご、着陸ちゃくりく船せんは事前じぜんの想定そうてい通どおり直立ちょくりつしている状態じょうたいで、データの送信そうしんを始はじめたことが確認かくにんできたということです。

月面げつめん着陸ちゃくりくはこれまで、旧きゅうソビエト、アメリカ、中国ちゅうごく、インド、それに日本にっぽんの5か国かこくが成功せいこうしていますが、民間みんかん企業きぎょうとして着陸ちゃくりくに成功せいこうしたのは世界せかいで初はじめてとなります。

着陸ちゃくりく船せんにはNASA＝アメリカ航空こうくう宇宙うちゅう局きょくが開発かいはつした6種類しゅるいの実験じっけん機器ききが搭載とうさいされていて、順調じゅんちょうに進すすめばさまざまな実験じっけんが行おこなわれる計画けいかくです。

月つきをめぐっては先月せんげつ、日本にっぽんのJAXA＝宇宙うちゅう航空こうくう研究けんきゅう開発かいはつ機構きこうが無人むじん探査たんさ機きの着陸ちゃくりくに成功せいこうした一方いっぽうで、今回こんかいとは別べつのアメリカの民間みんかん企業きぎょうが打ち上うちあげた月つき着陸ちゃくりく船せんはトラブルのため着陸ちゃくりくを断念だんねんしていました。

民間みんかん企業きぎょうの開発かいはつでの成功せいこう なぜ重要じゅうようか

今回こんかい、民間みんかんとして世界せかいで初はじめて月面げつめん着陸ちゃくりくに成功せいこうした着陸ちゃくりく船せんは、NASA＝アメリカ航空こうくう宇宙うちゅう局きょくの「CLPS」と呼よばれるプロジェクトの一環いっかんとして開発かいはつが進すすめられました。

このプロジェクトでは、月面げつめんに物資ぶっしを輸送ゆそうする手段しゅだんの開発かいはつを民間みんかんに委託いたくしようと、アメリカの民間みんかん企業きぎょう、10社しゃ余あまりを選えらび、2028年ねんまでに最大さいだい26億おくドル、日本にっぽん円えんで3900億おく円えんの資金しきん提供ていきょうを行おこなう計画けいかくです。

NASAとしては輸送ゆそう手段しゅだんの開発かいはつを民間みんかん企業きぎょうに委ゆだねることでほかの重要じゅうような開発かいはつに力ちからを注そそぐとともに、将来しょうらい、月つきをめぐる企業きぎょう間かんの開発かいはつ競争きょうそうが活発かっぱつに行おこなわれるための下地したじをつくることもねらいです。

開発かいはつの過程かていで失敗しっぱいするリスクがあることも織り込おりこんだうえで資金しきん提供ていきょうを行おこなっていて、NASAは企業きぎょうによる開発かいはつ競争きょうそうがより多おおくの輸送ゆそうにつながるとメリットを強調きょうちょうしています。

このプロジェクトでNASAは月つきの南極なんきょく付近ふきんなどにさまざまな実験じっけん機器ききを送り込おくりこむ計画けいかくです。

そして飲のみ水すいや燃料ねんりょうとしての利用りようが期待きたいされている氷こおりの調査ちょうさなどを行おこない、アメリカが中心ちゅうしんとなって進すすめている国際こくさい月つき探査たんさプロジェクト「アルテミス計画けいかく」を有利ゆうりに進すすめていきたい考かんがえです。

月つきの南極なんきょくをめぐっては、去年きょねん、インドが無人むじん探査たんさ機きの着陸ちゃくりくに成功せいこうしたほか、中国ちゅうごくも独自どくじの探査たんさに意欲いよくを示しめすなど、次つぎの宇宙うちゅう開発かいはつの要ようになると考かんがえられていて、今後こんご、各国かっこくの開発かいはつ競争きょうそうはさらに激はげしさを増ますと見みられます。

NASA“将来しょうらいNASAのミッションや宇宙うちゅう開発かいはつ機関きかんで利用りようできるだろう”

今回こんかい、民間みんかん企業きぎょうの開発かいはつした着陸ちゃくりく船せんが世界せかいで初はじめて月つきに着陸ちゃくりくしたことについて、NASA＝アメリカ航空こうくう宇宙うちゅう局きょくのジョエル・カーンズ博士はかせは「今回こんかいの着陸ちゃくりくが重要じゅうようなのは、月面げつめんに機材きざいを送り込おくりこむミッションのすべてをNASAが直接ちょくせつ行おこなう必要ひつようはなく、民間みんかん企業きぎょうに任まかせられる実例じつれいになるからだ」と話はなしていました。

そのうえで「こうした民間みんかん企業きぎょうの技術ぎじゅつは、将来しょうらい、ほかのNASAのミッションや、宇宙うちゅう開発かいはつを行おこなうほかの機関きかんでも利用りようできるようになるだろう」と意義いぎを強調きょうちょうしていました。