自民党は30
日、
幹事長に
森山総務会長を
起用する
など、
新たな
役員人事を
決定します。
一方、
次の
総理大臣に
就任する
石破新総裁は、10
月1
日に
召集される
臨時国会で、
論戦を
経た
上で、9
日に
衆議院を
解散し、15
日公示、27
日投開票で
選挙を
行う日程を
軸に
最終調整を
進めています。
自民党は、30日、党の役員人事を決定することにしていて、これまでに、副総裁には菅前総理大臣、最高顧問には麻生副総裁の就任がそれぞれ内定しています。
幹事長には森山総務会長、総務会長に鈴木財務大臣、政務調査会長に小野寺元防衛大臣、選挙対策委員長に小泉元環境大臣の起用が固まりました。
また、国会対策委員長には、坂本農林水産大臣を起用する方針です。
森山氏らの人事は、午後、臨時の総務会で、正式に決まり、その後記者会見が行われることになっています。
一方、石破新総裁は10月1日に召集される臨時国会での総理大臣指名選挙で、第102代の総理大臣に選出されたあと、ただちに石破内閣の組閣に臨むことにしています。
閣僚もこれまでにほぼ固まり、総務大臣に村上元行政改革担当大臣、外務大臣に岩屋元防衛大臣、財務大臣に加藤元官房長官、文部科学大臣に阿部俊子氏、厚生労働大臣に、福岡参議院政策審議会長を起用する方針です。
また、農林水産大臣には小里泰弘氏、経済産業大臣には武藤容治氏を起用する方針です。
公明党の斉藤国土交通大臣は引き続き起用されます。
環境大臣には浅尾慶一郎参議院議院運営委員長、防衛大臣には中谷元防衛大臣をあてることにしています。
官房長官は林芳正氏を引き続き起用する方針です。
復興大臣には伊藤忠彦氏、国家公安委員長には坂井元官房副長官、こども政策担当大臣には三原じゅん子参議院議員、経済再生担当大臣には赤澤亮正氏、経済安全保障担当大臣には城内実氏、地方創生担当大臣には伊東良孝氏の起用が固まりました。
法務大臣には牧原秀樹氏、デジタル大臣には平将明氏を起用する方向で詰めの調整を進めています。
一方、石破氏は、衆議院選挙について「国民の判断をなるべく早く仰ぐべきだし、仰ぐだけの材料をなるべく早く提示したい」として、国会論戦を経て、10月9日に衆議院を解散し、15日公示、27日投開票の日程で行うことを軸に最終調整を進めています。
自民党はこうした方針を公明党にも伝えました。
これに対し、立憲民主党の野田代表は「国民に信を問うための判断材料を整える論戦から逃げようとするならば『裏金解散』と言わざるを得ず、旧統一教会の問題も含めて再調査しないと言うのなら『臭いものにふた解散』だ」とけん制していて、あす召集される臨時国会は冒頭から与野党の対決色が強まる見通しです。
【記者解説】
政治部の岩澤千太朗記者の解説です。
※30日午前7時の「おはよう日本」で放送しました
※動画は1分59秒 データ放送ではご覧になれません
Q 党役員と閣僚人事のポイントは?
A 政権運営の安定を強く意識した人事だと思います。と言いますのも、総裁選の決選投票では石破さんと高市さんの獲得票はほぼ互角でしたので、「人事をうまくやらないと党を2分しかねない」と話す議員もいたんです。ですので決選投票で自身を支持したとみられる菅さんを副総裁に、高市さんを支持したとされる麻生さんを最高顧問に迎え、バランスをとった格好です。
また、調整力に定評のある森山さんの幹事長起用も、党内基盤の弱さを補う狙いがありそうです。
閣僚人事では岩屋さんや赤澤さんなどみずからに近い議員の入閣も目立ちますし、総裁選挙を争った8人から、党役員や閣僚への起用が固辞されたケースがあったとはいえ、3人にとどまりました。
こうしたことへの不満も出ていまして、石破さんとしてはまずは挙党態勢の構築が課題になります。
Q 衆議院選挙は来月27日投開票を行う日程を軸に最終調整。狙いは?
A 新政権発足直後は支持率が高くなる傾向があることも背景にあると思います。実際にはどうなるかは分かりませんが、党内には石破さんが党の顔となったことで支持率上昇を期待する声が出ています。一方で「国民は石破政権が政治とカネの問題にどう取り組むか冷静に見ている。信頼回復は容易ではない」と話す議員もいるんです。このため、石破さんとしては、支持率や野党の出方などを見極めながら、最終的に解散を判断するものとみられます。