浜松市によりますと、3日夕方、中央区で「家のガラスが割れた」とか「屋根が飛んだ」などと突風によるとみられる被害の通報が12件ありました。
このうち中央区湖東町では午後6時前、突風で家のガラスが割れ、10代の男の子が足に軽いけがをしたということです。
また、同じ湖東町では住宅の倉庫の屋根が飛ばされ、3日夜は住民が小屋の中の物にシートをかぶせるなど対応に追われていました。
この家に住む30代の男性は「信じられないしどこから手をつけていいかわかりません。今から大雨もくると思うのできょうはできることをやって、あす、また考えようと思います」と話していました。
中央区東伊場の車の整備工場でも屋根の一部が飛ばされ、3日夜は屋根の破片を片付けたり、雨漏りをしている場所に毛布をかけたりする様子が見られました。
当時、中で働いていた工場長は「すごい地響きみたいな音がして何の音なんだろうと思っていたら一気に屋根が飛んでいきました。雨漏りをしているためリフトが使えず、車を整備する作業が遅れてしまうと思います」と話していました。
浜松市によりますと、このほか、いずれも中央区で東名高速道路の浜松西インターチェンジ周辺の花川町や大山町、西丘町などでも被害の通報が寄せられているということです。
気象庁は、静岡県西部で竜巻などの激しい突風が発生したとみられるとして、浜松市などは被害状況を詳しく調べることにしています。
浜松市内での被害
3日午後7時すぎにNHKが湖東町の住宅地で撮影した映像では、建物の外壁が剥がれ落ち、屋根瓦が散乱している様子やエアコンの室外機が飛ばされたり、住宅の網戸が外れて窓ガラスが割れたりしているのが確認できました。
また、午後9時半ごろ、中央区三方原町で撮影した映像では、乗用車がひっくり返ったままになっていました。
浜松市によりますと、このほか、いずれも中央区で東名高速道路の浜松西インターチェンジ周辺の花川町や大山町、西丘町などでも被害の通報が寄せられているということで、市や消防が被害状況を調べています。
静岡地方気象台は県内では大気の状態が非常に不安定になっているとして、引き続き竜巻などの激しい突風や落雷、ひょうに注意し、発達した積乱雲が近づく兆しがある場合は、建物の中に移動するなど安全を確保するよう呼びかけています。
ドライブレコーダーの映像
3日午後5時半ごろ、静岡県浜松市の交差点で信号待ちをしていた車のドライブレコーダーが捉えた映像です。
風が突然激しく吹き、画面右側に見える青と黄色のかごが前方に勢いよく飛ばされる様子が映っています。
その後、風は交差点内で渦を巻き、水しぶきをあげているのが確認できます。
車を運転していた男性は「小石がたくさん飛んできて、バラバラと車に当たる音が聞こえました。突然のことでびっくりしました」と話していました。
「小屋の屋根がなくなっていた」
自宅にある小屋の屋根が飛ばされる被害があったという浜松市中央区湖東町に住む30代の男性は、小屋の中の物にシートをかぶせるなど対応に追われていました。
男性は「竜巻が発生した時は仕事でいなかったが、母親から連絡があって戻ってきたら小屋の屋根がなくなっていました。信じられないしどこから手をつけていいかわかりません。今から大雨もくると思うのできょうはできることをやって、あす、また考えようと思います」と話していました。
「地響きみたいな音がした」
東名高速道路の浜松西インターチェンジから南東に8キロあまり離れた浜松市中央区東伊場の車の整備工場でも突風の影響で屋根の一部が飛ばされる被害がありました。
車の整備工場によりますと、従業員にけがはなかったということですが、飛んだ屋根の破片を片付けたり、雨漏りをしている場所に毛布をかけたりするなど、対応に追われていました。
発生時に工場内で働いていた、伊藤将光工場長は「すごい地響きみたいな音がして何の音なんだろうと思っていたら一気に屋根が飛んでいきました。雨漏りしているためリフトが使えず、車を整備する作業が遅れてしまうと思います」と話していました。
「空が真っ黒くなった」
浜松市中央区湖東町で自動車整備会社を経営する50代の男性は「午後5時半ごろ、工場の中にいたらゴーッという音とともに空が真っ黒くなり、渦を巻いているのがわかった。土などがバチバチと体にあたって身の危険を感じた。車は、すべてガラスが割れていた。このようなことは初めてなのでびっくりした」と話していました。
「黒い塊で渦をまいた竜巻が発生」
浜松市中央区湖東町に住む50代の男性は「ガレージにいて、ゴーっという音がして振り返ったら、黒い塊で渦をまいた竜巻が発生していて、シャッターを閉めました。心臓がバクバクして怖かったです。通過した後に外に出たら、近くのハウスが飛んでいたほか家の瓦が飛んだり、窓ガラスが割れたりしていました」と驚いた様子で話していました。