石川県では先月21日の記録的な大雨でこれまでに14人の死亡が確認され、輪島市の31歳の女性と連絡が取れず安否が分かっていないことから、警察や消防などが捜索を続けています。
また、被災地では生活への影響が続いています。
北陸電力送配電によりますと、4日午後3時の時点で、輪島市と珠洲市、能登町の合わせて700戸余りで停電となっていて、土砂崩れなどで復旧作業が難しい地域があることから、停電がすべて解消されるめどは立っていないということです。
断水も続いています。
石川県によりますと4日午後3時の時点で、輪島市と珠洲市、能登町の合わせて1684戸で断水していて、大雨による土砂崩れで浄水場が大きな被害を受けたため、水道の復旧までに数か月かかるとみられる地区もあるということです。
大雨による被災者の中には、ことし1月の地震でも被災し“二重被災”とも言われる厳しい状況となっている人が少なくありません。
自治体からは、被害が甚大だとして、財政的な支援や災害対応にノウハウのある職員の派遣などを求める声が相次いでいます。
被災地では生活への影響の長期化が懸念され、復旧や復興に時間がかかるとみられるだけに継続的な支援が求められています。
輪島市などで約250人のボランティアが支援
被害の大きかった輪島市などでは県から派遣されたボランティアが住宅に流れ込んだ泥のかき出しなどにあたっています。
輪島市と珠洲市、能登町の3つの市と町では、大雨から2週間がたったいまも浸水の被害を受けた住宅の中に流れ込んだ泥がそのままになっている状況が多く見られます。
石川県は能登地方に再び降った雨のため4日と3日、のべ600人のボランティアの派遣を中止しましたが、5日から派遣を再開し、3つの市と町にはおよそ250人のボランティアが訪れました。
このうち、輪島市河井町の住宅ではおよそ10人が、水を含んだ畳を屋外に出したり、スコップでバケツに泥を入れて運び出したりしていました。
住民の女性は「地震の被害の片付けがようやく進み始めたところに水害が発生し、どうすればいいのかと思いました。ボランティアの手がないと片付かないので助かります」と話していました。
ボランティアの男性は「地震後から来ていますが、水を含んだ布団などが重くて大変です。ボランティアの力で少しでも復興に向かうといいです」と話していました。