日本新闻: 旧優生保護法不妊手術の強制めぐる裁判初の和解成立

旧きゅう優生ゆうせい保護ほご法ほう不妊ふにん手術しゅじゅつの強制きょうせいめぐる裁判さいばん初はつの和解わかい成立せいりつ

Jul 31, 2024 18:07 3

Furigana

旧きゅう優生ゆうせい保護ほご法ほうのもとで不妊ふにん手術しゅじゅつを強制きょうせいされたとして都内とないに住すむ女性じょせいが国くにを訴うったえた裁判さいばんで、国くにが和解わかい金きんを支払しはらうことで31日にち和解わかいが成立せいりつしました。最高さいこう裁判所さいばんしょが別べつの被害ひがい者しゃの裁判さいばんで旧きゅう優生ゆうせい保護ほご法ほうは憲法けんぽう違反いはんだったと認みとめ、国くにに賠償ばいしょうを命めいじたことを受うけたもので、一連いちれんの裁判さいばんで和解わかいが成立せいりつするのは初はじめてです。

初はじめて和解わかいが成立せいりつしたのは東京とうきょう日野ひの市しに住すむ西にしスミ子すみこさん（77）の裁判さいばんで、西にしさんと弁護べんご団だんは自宅じたくからオンラインで報告ほうこく会かいを開ひらきました。

西にしさんは脳性のうせいまひがあり14歳さいのころに説明せつめいがないまま不妊ふにん手術しゅじゅつを強制きょうせいされたとして国くにを訴うったえていました。

西にしさんの弁護士べんごしによりますと、31日にち東京とうきょう地方ちほう裁判所さいばんしょで行おこなわれた協議きょうぎで、国くにが慰謝いしゃ料りょうや弁護士べんごし費用ひようなど合あわせて1600万まん円えん余あまりを支払しはらうことで和解わかいが成立せいりつしたということです。

旧きゅう優生ゆうせい保護ほご法ほうをめぐっては、最高さいこう裁判所さいばんしょ大だい法廷ほうていが7月つき3日にち、別べつの被害ひがい者しゃの裁判さいばんで憲法けんぽう違反いはんだったとして国くにに賠償ばいしょうを命めいじる判決はんけつを言い渡いいわたし、これを受うけて国くには全国ぜんこくで続つづいている裁判さいばんについて、速すみやかな和解わかいの実現じつげんを目指めざす方針ほうしんを示しめしていました。

弁護べんご団だんと国くには、和解わかいなどについて基本きほん合意ごういを結むすぶための交渉こうしょうを続つづけていますが、西にしさんは7月つきにあった岸田きしだ総理そうり大臣だいじんとの面談めんだんに欠席けっせきするなど体調たいちょうに不安ふあんがあったため、いち早いちはやく解決かいけつさせる必要ひつようがあると判断はんだんしたということです。

西にしさんは「きょうはとてもうれしいです。みなさまのおかげです。勝かってよかったです。一生懸命いっしょうけんめい生いきていこうと思おもいます」と話はなしていました。

旧きゅう優生ゆうせい保護ほご法ほうをめぐっては全国ぜんこくでこれまでに39人にんが訴うったえを起おこし、およそ20人にんの裁判さいばんが続つづいていて、原告げんこく側がわは早期そうきの全面ぜんめん解決かいけつを求もとめています。

林はやし官房かんぼう長官ちょうかん「和解わかいによる解決かいけつを目指めざし取り組とりくみを進すすめている」

林はやし官房かんぼう長官ちょうかんは午前ごぜんの記者きしゃ会見かいけんで「原告げんこく団だんなどとの面会めんかいの場ばで岸田きしだ総理そうり大臣だいじんから、現在げんざい継続けいぞくしている最高裁さいこうさい判決はんけつ以外いがいの訴訟そしょうについては除じょ斥期間きかんによる権利けんり消滅しょうめつの主張しゅちょうは撤回てっかいし、和解わかいによる解決かいけつを速すみやかに目指めざすことを申し上もうしあげている」と述のべました。

そのうえで「こども家庭かてい庁ちょうや法務省ほうむしょうでは各地かくちで継続けいぞくしている訴訟そしょうについて和解わかいによる解決かいけつを目指めざし、原告げんこく団だんの方々かたがたとただちに協議きょうぎに入はいり早急そうきゅうな解決かいけつに向むけた取り組とりくみを進すすめている」と述のべました。